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Friday, June 20, 2025

中西董『米英軍占領下の名古屋』


 日本人が進駐軍の命令に違反した場合の罰則に、死刑または銃殺刑などの極刑が盛り込まれていた…。
その注目すべき実例を次にいくつか列挙してみよう。先ず第一に「日本人は米国を尊敬すべし。日本人の車馬は米軍を追い越すべからず。違反者は射殺する事あるべし --進駐軍--」…また前文と同じような「===進駐軍命令===日本人の車馬は、米軍ジープや軍用車両の前方を通行したり、追い越すことを厳禁する。又、交差点付近で停止する場合は、必ず米軍の車両10フィート後方に下がって止まれ。違反者は射殺することあるべし。---連合軍最高司令官---」と言ったような何れも米軍の軍事行動に少しでも妨害したと見なされるようなささいな交通違反にまで極刑が科されていた。
(p.54)

そのほか最も象徴的な進駐軍の命令に報道管制のプレスコードの発動が挙げられる。…「連合国軍に対し破壊的なる批判を加へ又は同軍に対し不信若しくは怨恨を招来するが如き事項を掲載するべからず」と定められていた。(p.55)

連合国軍が7年近い日本占領期間中に、日本国内において主に米英軍将兵の不法行為によって、実に1万人にも達する多数の罪のない日本人が無残にも虫けらのように射殺されたり、また死亡には至らなかったものの身体に何らかの大きな傷害を受けたりしている。

連合国軍の日本占領期間中における不祥事件は、新聞やラジオなどのマスコミも米軍の厳重な報道規制や検閲を受けて、日本人にほとんど公表することが禁止されていた…。

昭和20年6月26日の早朝、名古屋市熱田区六野町にあった‥大同製鋼の男性職員が事務連絡で同所を訪れたところ、この工場に進駐したばかりの米軍黒人兵に、いきなり背後から頭部と腹部を自動小銃で撃たれて虫けらを殺すように無残にもその場で射殺された。この事件は、日本人の目撃者もあり犯人も分かっていたのに、実情を調査した米軍憲兵隊は、「米軍に該当する犯人(または容疑者)は存在しない」の一言で、うやむやにされてしまった。

またこの日の午後にも‥たまたま港区の港北運河を米軍が通過した際に、…食糧不足を補うため運河べりの草むらに身を潜めて魚釣りをしていた男性が軍用トラックの上から米兵に頭部を自動小銃で狙撃されて射殺された。
さらに同じ日の夕刻、…中川橋の上を上陸用戦車(舟艇)に乗って通過していた米兵が、家を空襲で焼かれ停泊中の艀で船上生活をしていた母子の二人を鳥でも狙うように撃ち殺して海中に転落させた。

それから数日経過した11月初旬の深夜には、名古屋市営路面電車の車庫になっていた港車庫構内の一番奥に停車していた修理中の電車の中で、一人の婦人が暴行された挙句に心臓をピストルで撃たれて全裸に近い姿で死んでいた。…犯行現場の車内には進駐軍の洋モク(米国製たばこ)の吸い殻や米国製ウイスキーの空きびんが散乱していた。…米第25師団兵士の中の不良分子の仕業による犯行であることは疑う余地もなかった。

特に米第25師団の本隊が名古屋に上陸してから10日間位経過した頃から、婦女子への暴行事件が続発するようになった。…ことに夜の一人歩きの女性や娼婦風の女性が基地内に連れ込まれて夜通し大勢の米兵に輪姦された挙句、朝方になって無残にも軍用ナイフで刺し殺されたり、また銃殺されたりした。その上、犯行を隠すために遺体は、基地の北側を流れている横運河に投げ捨てられていたこともあった。…運河の中から引き揚げられた遺体は、米軍の犯行と分かっていても大抵の場合は、「生活苦による入水自殺」として片づけられてしまった。(p.p.245-246)

ことに戦後の2、3年間は、名古屋港内をはじめ名古屋市内を流れる庄内川や中川運河などの河川で、若い女性の水死体がよく発見された。それらの遺体の大半は、詳しく検死したり、死亡解剖するまでもなく、一目して明らかに強姦された後に殺されて捨てられた事が歴然としている遺体も多かったのである。しかも、その犯人のほとんどが米軍兵士であった。死人に口なしの例えのように、日本の警察も米軍の犯行とわかって米憲兵隊に通報しても、返ってくる言葉はいつも決って判を押したように調査をしたが「米軍に該当する犯人(容疑者)は存在しない。恐らく〔生活苦による入水自殺〕と考えられる」の一言で簡単に処理されてしまったのである。文字通り、やりたい放題の治外法権であった。

昭和21年の五月上旬には、名古屋に短期間進駐した英連邦軍の印度兵に農夫が自動小銃で近距離から撃たれて重傷を負っている。また三菱航空機製作所大江工場では、昭和20年11月頃に約2000名以上の米軍兵士が進駐していたことがある。ここでは、日本人のコックや雑役労務者たちが大量に採用されていて、彼ら米兵たちの食堂や洗濯場で働いていた。米兵たちは、これらの日本人労務者の働きぶりが気にいらないと、すぐ殴る蹴るの暴行を加えていた。殴られた場所が急所であったような場合は、内臓破裂などの症状を起こして死亡する事件も発生した。

筆者の父(戦後、強制的に愛知県の通訳官をさせられていたが米軍の軍事異動命令を受けて昭和21年10月に神奈川県の通訳に転任になった)も、米第八軍横浜軍用図書館に勤務していた昭和26年9月に、勤務を終って単身赴任していた鶴見区生麦町の下宿に帰る途中の夜道で3人組の米軍兵士に集団で襲われた。殴る蹴るの暴行を受けて半殺しの状態になり、所持していた月給も全部奪われた。意識不明で倒れていた所を別の米兵に発見されて米軍の病院に収容された。しかし、この時、顔面と腹部に受けた強烈なパンチの傷害が原因で肋骨損傷、眼底出血と腸内出血の被害を受けた。そのため休職して名古屋に戻り治療に専念したが、病状は回復することなく次第に悪化し、ついに4カ月後の翌27年1月に他界してしまった。
…米陸軍長官宛にも協力要請の嘆願書を出してみたが、敗戦国民の訴えなんか無視されて、何の連絡もなくナシのつぶてであった。そのため父が入院していた米軍病院の証明書が提出できず、ついに一銭の補償金や見舞金も支給されず、文字通り殺され損となったまま今日に至っている。これが父の青春時代のすべてを費やして、明治から大正時代にかけて自由社会の米国に憧れ、はるばる太平洋を船で渡り皿洗い生活などを続けながら学資を稼いで十数年間も米国各地で留学生活をしていた国の軍隊行動であったのかと思うと強い憤りを感じた。しかも日本の敗戦で無理やり米軍に命令されて通訳官にさせられた父が、本業を捨てて微力ながらも自分自身では日米両国の懸け橋になるつもりで、懸命に努力を続けてきた甲斐もなく不慮の死を遂げてしまった。
(pp..247-248)

名古屋進駐当初の頃の米軍の軍用車両は、右側通行の習慣が抜け切らず道路の真ん中や右側を通行する車両も現れた。そのため市民はよく米軍の車両にはねられたり、ひき逃げされたりしたのである。しかもジープやトラックを運転していた進駐軍兵士が市民に人身事故を引き起こした場合は、そのほとんどが当て逃げやひき逃げ事件となって犯人は逃走した。米兵たちは、幼い子供が道路上で遊んでいる所をひき殺したり、田舎へ食料を買い出しに出掛けるため名古屋駅前を歩いていた2人連れの主婦たちを大型トラックで跳ね飛ばして死亡させても、何ら謝罪せずにそのまま走り去ってしまった。もちろん見舞金なども米軍は支払わなかった。文字通りやりたい放題の切り捨て御免であった。たとえひき逃げの犯行がばれても米軍兵士たちは日本人が米軍の進路を妨害したために起きた事件と報告すれば、ほとんどが不可抗力の事件として軍法会議でも無罪になってしまった。
(p.249)

このような進駐軍の犯罪を全国的に見た場合、やはり日本本土で最初の地上戦となった沖縄では、死亡事件を筆頭に各種凶悪犯罪事件が最も多く発生している。次いで関東、関西、東海地方の順に多発している。それに米軍は最後まで進駐軍の不法行為の実態を正確に公表しなかったので、その事件内容や件数も定かではなかった。しかし日本側の調査資料としては、全国調達庁職員労働組合が1958年の時点で実施した調査では、「占領期間中に犠牲となられたお気の毒な方の数を調べた所、全国で1万人から居られることが判明した」と公表している。

…これに対して日本の進駐軍被害者の遺族たちは、敗戦国の悲しさで日本人の人権は全く無視されて、何一つ進駐軍に抗議する事も許されず、ただ何事も黙って泣き寝入りするばかりであった。…ようやく昭和34年前後から日本各地で各県別単位の進駐軍被害者連盟を結成して機関紙も発行されるようになった。だが機関紙の紙面に掲載されている被害者や家族たちの悲しい手記を読んでも、依然として進駐軍の影におびえたり進駐軍を極端に意識していることが歴然としていた。なぜなら本当の感情をぶちまけた手記を書いたために、何時なんどきまた不都合な事態が発生して米英軍の報復のあることを憂慮して、心の底から米英軍兵士たちの犯罪行為を痛烈に批判したり、抗議したりすることを差し控えていたのが、余りにも哀れであり惨めであった。

また敗戦当時、日韓併合で日本国籍にあった在日韓国・朝鮮人たちの被害者には、同じような占領軍の迫害を受けたにもかかわらず、〔米軍に代わって遺族へ補償をさせられた]日本政府からは何らの連絡もなく補償もされなかった。
(p.p.251-252)

米英軍将兵が引き起こした数々の暴行事件や悪質な不法行為も戦後史の中に記述されておらず、すべて欠落している…これはその当時、政府機関をはじめ各地方公共機関が編纂した各種の行政年報や報告書等でも明確に実証されている。…進駐軍の厳しい言論の検閲を怖れた結果、占領軍の不法行為に関する実態の記述については、すべて‥自ら削除してしまったからである。(p.255)

占領軍は…昭和20年12月に米軍の占領政策を日本人や特に日本のマスコミが批判することを厳禁してしまったのである。
…特に米軍は進駐当初、人類史上最大の悲劇をもたらした広島、長崎の原子爆弾の被害に関する報道は、日本人の大きな憎しみと反感を買うのを恐れて、米軍が公表する場合を除いて絶対に記事にする事を禁止し厳重な報道規制を実施した。またB29の空襲で被害を受けた名古屋の詳細な人的被害の実態調査や報道も厳禁してしまった。そのため戦時中に190回あまり(米軍極秘統計報告書に拠る)にわたり爆撃された名古屋大空襲の正確な戦争被害は確認されないままになっている。
(p.259)

****************

昭和21年8月3日に岐阜県の陸軍各務原航空隊に進駐していた米第25師団第27連隊の下士官が、空襲で焼失した名古屋城に現われ、金鯱の鱗が溶けて固まった推定300グラム(米軍側の判断)の残骸を接収した…。米軍が押収した金鯱の数量は、秤で正確に計量することも許されなかった。実際には推定の300グラムよりも、はるかに多い2倍以上の分量の金塊であったようだ。当時、名古屋に駐留していた米極東第5空軍司令部内の将校たちの間では、押収された金鯱の溶解した残骸のすべては、小牧飛行場(現・名古屋空港)から直接アメリカ本国へ戦利品として空輸された話題でもちきりであった。

…このようにして各地から集められた日本の貴重な文化財の山は、普通の価値しかない昭和軍刀などと一緒にされて、名古屋港の埠頭桟橋倉庫に運び込まれた。ここで更に選定仕分けされて、上物と思われる逸品だけを米統合参謀本部や米国防総省へ戦利品として空輸されたり、また米軍の高級将校用の土産品として、入港してくる艦船で次々に米国へ送り届けられた。更にその他の普通の軍刀やサーベル、日章旗などは、下級兵士達が本国に帰還する際に、戦利品や記念品として大きな雑嚢袋に入れて持ち帰ってしまったのである。このように敗戦後の日本から持ち去られた貴重な文化財や美術品の中には、その後アメリカのボストン美術館やイギリスの大英博物館などの米英諸国に密かに持ち込まれた収蔵品もあり、その数は相当の量にのぼっていることは、美術専門家や学者の間で周知の事実となっている。しかもこれらの美術品の秘蔵については、今日ではご丁寧にも明治初年の神仏分離令によって起きた廃仏毀釈運動で、日本の庶民が二束三文の安値で手放したものを収集したというまことしやかな理由や説明までつけられている有様だ。
(p.p.134-135)

名古屋周辺地区では、戦災を免れたり野積みにされたままの軍需物資が未だ大量に残されていた。また田舎に工場を疎開したために、機械をはじめ原材料とも無傷のまま終戦を迎えた軍需工場も多数存在していた。

戦後米軍の指示により、これらの軍需工場や陸軍造兵廠等から没収された軍需物資の内訳は、ジュラルミン板、アルミのインゴット、鉄鋼、ゴム靴、合板、玄米、大麦、板ガラス、綿布、紡績機、各種工作機械、旋盤、軍用トラック、硫安、セメント、鉄道用レール等の多品種に及んでいた。その何れの物資も焼け野原と化した敗戦国の日本では、再建のため喉から手が出るほど欲しい必需品ばかりであった。だが米軍は無情にも、これらの物資を連合国の現物賠償物資に指定し、日本人の民需用に転換して平和利用することを一切禁止してしまったのである。ことに陸軍の熱田造兵廠には、武器弾薬の他に何故か大量の古米や大麦なども備蓄していた。言うまでもなく日本人の主食になっていた米や麦は武器ではないのに、すべて賠償物資として没収されてしまったのである。

このように名古屋を中心とした東海地方から米軍に強奪没収された大量の残存必需物資や文化財等は、名古屋港の中央埠頭桟橋へ続々と集められた。これらの物資の中で利用価値の高いものは、真っ先に米国に搬出された。また、その他の物資は、主に米国と作戦行動を共にして対日戦を戦ってきた中国、フィリピン、オーストラリアなどの各国へ現物賠償物資として毎日のように船積みされて海外に大流出したのである。

…それを国民の復興のための民需に再利用することができれば、あれほど戦後に市民が物資の不足で困窮しなくても自立し再建することができたはずである。
(p.p.135-136)

米軍は占領初期の頃の日本を密かに食糧攻めにして、容易に立ちあ上がれない様にしておく事を重要な占領政策にしていた…。そのため窮乏していた日本の主要食糧の米や麦は、昭和20年度産の米作が悪天候による不作を理由にして、米軍の厳しい指示により日本国民の主食の配給量を極限に近いところまで減らしたり欠配させていたのである。

師団長モラン(C.I.Mullins)少将
「連合国軍の日本占領を成功させる手段としては、先ず日本人の食糧不足を利用して、当面は食糧を封鎖して日本人の抵抗意識を防止することを第一目標にする。…次に…徐々に米国の余剰農産物を活用して無償援助または有償援助を実施して、日本人に恩義を感じさせる。それまでは、たとえ日本農業の米麦が増産されたとしても、配給量を絶対に増加する許可を日本政府に与えてはならない」(p.p.136-137)


また悪辣な米兵たちは、日本側の説明で命令事項が期日までに履行できないことが分かるとその延期を認める代償として暗に女(占領軍慰安婦)を無償提供したり、土産やプレゼントの賄賂を要求することも日常茶飯のように行われた。こんな狡猾な軍政が繰り返されるたびに進駐軍の絶大な権力に恐れをなした官公庁や商社の幹部は、ただ彼らの命令に言うなりに従うより仕方がなかった。それに味をしめた一部の米軍将兵は、ますますエスカレートして事あるたびに無理難題を押しつけるようになった。

ことに米極東第5空軍司令部の中堅クラス以上の一部の軍政将校の中には、暇さえあれば連日のように日本側の弱みにつけ込んで命令の履行状況や市民生活のあらゆる面に難癖をつけて、その見返りとしてパーティーを開かせたり芸妓を抱かせることを強要した。しかもそれだけでは物足らず、彼らは事あるたびに日本の美術工芸品や高級和服絹製品などを盛んに無償で調達するように命じた。
(p.191)

Sunday, June 16, 2024

SILENT WEAPONS: EXAMINING FOREIGN ANOMALOUS HEALTH INCIDENTS TARGETING AMERICANS IN THE HOMELAND

[沈黙の凶器:アメリカの国民を標的にした国外勢力による特異な健康被害事例に関する調査]

Homeland Security Committee | Republican

U.S. House of Representatives

H2-176 Ford House Office Building

Washington, DC 20515




What: A Subcommittee on Counterterrorism, Law Enforcement, and Intelligence hearing entitled, “Silent Weapons: Examining Foreign Anomalous Health Incidents Targeting Americans in the Homeland and Abroad.”

When: Wednesday, May 8, 2024, at 2:00 PM ET

Where: 310 Cannon House Office Building

 https://homeland.house.gov/hearing/silent-weapons-examining-foreign-anomalous-health-incidents-targeting-americans-in-the-homeland/

Wednesday, December 11, 2019

甘利俊一 『脳・心・人工知能』

Amari, S. (2016). Nō, kokoro, jinkō chinō: Sūri de nō o tokiakasu

心を読む ――脳と機械を結ぶ技術BMI

脳科学は、脳の仕組みを明らかにしたい。もし脳内の情報が外部から読み取れるなら、研究が大いに進む。こうして登場したのがBMI(Brain-Machine Interface)である。

…さらに、外部から脳に情報を直接に入れることができれば、これもまた素晴らしい技術が作れる。目の見えない人の脳に、視覚情報を直接送ることができるようになるかもしれない。現に人工内耳は、聴覚細胞を直接に刺激して外の情報を脳内に送り込む。


…BMIは脳内の情報を取り出して解読し、また、脳に情報を直接送り込む技術の総称である。脳内から取り出した情報をコンピュータで解読し、これを処理して再び脳に送り込めば、脳とコンピュータをつないだ仕組みができあがる。アメリカの軍事技術として誕生したとはいえ、これは脳科学、そして現代社会に大きな影響をもたらす技術である。(p.p.219-220)

ATR脳情報通信総合研究所の川人光男に代表されるグループは、脳の活動の情報をただそのままフィードバックして知らせるのではなくて、しかるべき部位の脳情報を解読してこの情報[いまが望ましい状態にいるか否か]をフィードバックする技術を開発した。…これを「脳情報複合フィードバック法(DecNef:Decoded Neurofeedback)」という。(p.221)

…斜め30度の線分を検出する[脳内の]部位のニューロンが活動したとしよう。脳は必要なとき以外にもいろいろな活動を行っているから、これは線分を見ていないときでも起こるし、他の角度を見ているときや安静時にも起こる。

被験者には何を測定しているのかを知らせることなく、この脳内情報を解読して、30度の線分に対応するニューロン活動があれば、いまはよい状態、そうでなければ悪い状態であることを知らせる。

被験者は何がよいのか、何を基準としているのかはまったくわからない。それでも、このように状態のよい・悪いを知らせることで、この被験者の30度の線分に対する検出の感度がわずかとはいえ上がり、これが何週間も保持される。脳の回路のシナプス結合に変化が起こり、ダイナミックスの特性が変わったといってもよい。脳への介入である。(p.222)

心を操作することも可能になる

脳は驚くほどの可塑性があり、脳内のシナプス結合は常時変えられる。…そこで、脳の情報を解読し、その状態が何に対応する[反応している]のか、その[状態にあることの]良し悪しを[実験者が]決めてフィードバックすれば、[被験者の]脳はその方向に[シナプス]結合を変えていくというわけである。…これだと、何をフィードバックしたのかが本人にわからないうちに、特定の情報に適合するように脳を改変できることになる。

女性の顔写真を何枚か準備して被験者に見せたとしよう。被験者は、写真を見てどの女性が好きであるかを答える必要はない。ただ、実験者がある女性の顔を見たときに被験者に起こる脳内活動をよい状態であると、仮に決める。そして被験者の脳内にこのパターンが起こるたびに、これを好ましい状態として、いま何を見ているかには関係なくフィードバックしていく。
すると、被験者には何もわからないうちに、実験者が決めた特定の女性に対する好感度が上がり、これがある期間保持される。つまり、誰かを好きになるという感情を、本人が知らないうちに操作できてしまうのだ。(p.223)

Saturday, September 28, 2019

白石拓 『透明人間になる方法』

 -- スーパーテクノロジーに挑む
Shiraishi, T. (2012). Tōmei ningen ni naru hōhō: Sūpā tekunorojī ni idomu. Tōkyō: PHP Kenkyūjo. 

念じてコンピュータを操作

二〇〇九年にはホンダのロボットASIMOを脳で念じて動かす実験に成功した。…「近赤外光脳計測装置(NIRS)」と脳波計測の二つを併用して、被験者の脳神経活動の読み取りを強化した。NIRSは、近赤外線を頭蓋から照らし、脳に当たって反射する光を捕らえて、脳血流の変化を計測する装置である。
被験者はまず「右手」「左手」「足」「舌」の単語について、それぞれ自分のイメージを思い浮かべる練習をする。…そして、そのときの神経活動データを蓄積し、計測データから単語を特定するアルゴリズムを構築した。こうした結果、被験者が「左手」(のイメージ)を思い浮かべただけで、ASIMOが左手を上げる動作をすることに成功した。(p.p.40-41)

脳リーディングを利用した犯罪捜査

たとえば、被験者を尋問する際、犯人しか知り得ない事実や写真を提示すると、被疑者がもしそれを知っていればP300という事象関連電位[脳波]が発生する。P300の発生も不随意で、被疑者が「知らない」と答えても記憶と合致すると必ず出るのでウソをつくことができないのだ。(p.49)

脳内の映像を読み取るfMRIと認識パターン


さらに二〇一一年、アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校の西本伸志研究員らのチームが、やはりfMRIを使って、映画の予告編を見ている被験者の脳活動を読み取り、ぼんやりとした映像ではあるものの、動画の再生に成功した。…この技術を使えば、人が見ている夢や空想していることをディスプレイに映し出すことも不可能ではない。脳リーディングの技術は確実に進歩している。(p.53)

Saturday, July 27, 2019

茂幸雄『自殺をくい止めろ!東尋坊の茂さん宣言』

Shige, Y. (2010). Jisatsu o kuitomero tōjinbō no shige san sengen. Tōkyō: Sanseidō.

 課長は…別名「瞬間湯沸かし器」とまで言われる直ぐ大声を出す口の悪い人で、一般人がいる前であってもヒステリックに大声を出して指示する嫌なヤツでした。
 こんな嫌なヤツですから他の職場にも知れ渡っており、そこへの異動が決まったときには同僚たちから同情の目で送り出されたのです。

…仕事に対する指示は厳しく、一つの小さなミスでも見付けだしては課長席の前に直立不動で立たされ、子供に物を言っている口調で延々と指示するのです。その態度は、脇から見ていると指示をして楽しんでいるといった感じであり、相手が何度“判りました”と言っても、同じことを何度も何度も言い、人に恥をかかすことなんかは平気です。

…[業務の]結果を報告しても、話の内容もろくに聞かず、何度も言い直しさせられました。そして報告に対する回答を求めても何も答えられず、その挙句にはお前が考えてチャンとしておけと言うだけで、ただ大声を出して指導・育成の名目で彼を罵るだけでした。
 前任者である2人の職員がうつ病に罹り、職場を去って行ったとの噂もありました。

…そんなことから寝不足も続き、ミスが多くなった半年後のある日、月報の締め切りが迫ったとき、“お前はこの職場には適さん!お前は用務員以下の人間だ”と言われてしまい、目の前が真っ暗になって体の震えが止まらず、病院に担ぎ込まれてしまったのです。そして、2日間の入院休暇をとった最中に東尋坊の岩場に立っていたのです。
 この話を聞いた私は、これこそがパワー・ハラスメント(職場の上下関係を不当に利用して行う嫌がらせやいじめ)の典型的な被害者(名誉棄損・侮辱・傷害・労災など)だと考えたことから、この実態を証拠化するため、嫌がる彼を説得してボイスレコーダーを持たせて出勤させ、午前中にあった同僚たちとの会話を録音させ、監察室を訪問して善処をお願いしたのです。
 監察室ではこの事態を重くみて真剣に取り上げていただくことになり、課長には従前から精神障害があるとのことで以降休職扱いになり、彼には、裏で私たちの働きかけがあったことも知らされずに無事職場に復帰させることができました。(p.p.39-43)

 *******************

 死を覚悟して東尋坊の岩場に立った人たちが訴えていた言葉から見えてきた日本の社会の問題点です。
1 宗教関係者による対策の怠慢です。
  宗教施設を訪問しましたが、どこの施設も受け入れてくれなかった…。
 との訴えがあります。
  [...]


2 教育関係者による対策の怠慢です。
  義務教育時代、そこでいじめにあい、…それがPTSDとなって大人になっても人との交際ができず、人生の落後者になってしまった…
 との訴えがあります。
 [...]


3 精神科医による対策の怠慢です。
  うつ病になって精神科へ行ったが、副作用の強い薬を勧められ、カウンセリングも3分で帰された。…薬しかくれずに放置されている。このまま生き続けるのが辛い…
 との訴えです。
…現実は、お金儲けになる投薬の部分しか処方してもらえず、「環境の調整」とか「休養」については、ほとんど指導されずに放置されています。
…「自分の患者さんの半数近くの人が自死で亡くなっていると、堂々と発表された医師がいました。…医師として自分の患者さんが…バタバタと亡くなっているのを知りながら放置している現実について、何も心が痛まないのでしょうか?


4 行政による対策の怠慢です。
  生活苦から生活保護の相談をしましたが、住まいのない者には生活保護の適用は出来ないと言われました。…
 との訴えです。
…何の保護の手も差し伸べられずに路上に放り出されたと言う人もいました。
 [...]


5 「自殺の名所」と言われている自殺多発場所に対する対策の怠慢です。
  自殺の名所と言われている場所へ数箇所行き、最後の決断(再起か自殺か)をするために訪れました。しかし何処の名所へ行っても“お好きな所からどうぞ”という場所になっていました…
 との訴えがあります。
…福井県・東尋坊では、年間200人以上の自殺企図者が集まって来ており、過去30年間に600人以上もの人が自殺で亡くなっているのに、放置されているのです。…また、ここでの自殺防止活動をしている我々の団体に対しても妨害活動があり…ただ静観していろと言うだけでした。


6 警察による対策の怠慢です。
 自殺企図者として一時保護をされたが、自分の悩み事の問題解決にはならず、再び、自殺願望の気持ちが強まり、岩場に立ってしまいました…
 との訴えがありました。
 [...]


7 報道機関による対策の怠慢です。
 東尋坊における自殺の現状については、残念ながら、地元地方紙による報道が殆どなされていない現実です。…地元から何等かの圧力がかけられているため事実の報道が出来なくなっているのだとしか思われません。

(p.p.60-69)

Saturday, July 28, 2018

Dolman,『21世紀の戦争テクノロジー』

Dolman, E. C., & Momoi, R. (2016). 21seiki no senso tekunoroji: Kagaku ga kaeru mirai no senso

Original Book: Dolman, E. C. (2016). Can science end war?. Malden, MA: Polity Press. 

ミクロの戦争――小さいもので思いのまま

ミクロからナノレベルの戦争のおそろしさは、おもに人工感染症にある。…多くは人間が新しくつくり出した病気やウイルスだが、既知の病原体を使うこともできる。…最も簡単な方法はポリオやチフスやインフルエンザのような既存のウイルスを使うことである。…ヒトゲノムマップ(インターネットで手に入る)と化学実験器具があれば医学生にもできる。(Paxman, Jeremy, and Robert Harris. A Higher Form of Killing., New York: Random House, 2011)  最悪なのは、人類を破滅させるつもりなどなくても、新しい致死性のウイルスができてしまうことである。(p.p.115-116)


バイオテクノロジーの善用はDNA操作による人体の改造である。(Shanks, Peter, Human Genetic Engineering: A Guide for Activists, Skeptics and The Very Perplexed, New York: Avalon, 2005) たとえばエンドルフィンの産生をうながす遺伝子のコピーを注射し、痛みを軽減して耐性を刺激する。…遺伝子挿入はさらに先へ進み、遺伝形質を種の異なる生きものに挿入する研究が進められている。この技術を使えば、人間の視力をたとえば猛禽のレベルにまで上げることができるかもしれない。皮膚に保護用の鱗を生やしたりワニのような固く頑丈な皮膚にしたりもできる。コウモリのような音波探知の遺伝コードを導入すれば、真っ暗な闇のなかでも自由に動きまわれる。このような技術が普通に使われるようになるまでにはまだ何年かかかるだろうが、理論と技術はすでに実証されている。(p.p.117)

非致死性兵器の警戒すべき例


視覚兵器

 今日では、一時的に目を見えなくするレーザーの開発に力が入れられているが、この兵器の問題は人によって光の刺激に対する反応が違い、視力の喪失が一時的ですまないケースがあることだ。…レーザーポインターが普及した現在、いたずらでレーザーを照射されたという報告が航空機のパイロットから多数寄せられており、愚か者がハイテク機器を使って悪ふざけすることから安全面の問題が浮上している。…相手が車両を運転していれば人や物に衝突してしまうかもしれず、それは[攻撃側の]意図した結果ではないだろう(副次的被害の低減という観点で好ましくない)。

…対人攻撃に使われる指向性エネルギー兵器は視覚を奪う効果が最も大きいが、ほかにも効果はいろいろある。ストロボ閃光は素因のある人に癲癇の発作を引き起こし、そうでない人にも頭痛や意思決定力の低下から無気力までさまざまな一時的機能停止を起こさせる。敵は疲労からしだいに神経過敏になり、さらには睡眠を妨害されるので士気を阻喪する。(p.p.94-95)

音響兵器

 音響兵器はさまざまな不快感をあたえる。その一つが音の「弾丸」を発射し、激しい苦痛で相手を無力化する高強度指向性音響効果(HIDA)である。神経ガスに似て、方向感覚の失調やめまい、吐き気、嘔吐、かゆみ、失神、頭痛などをもたらす。…高輝度ストロボ閃光と組み合わせれば癲癇のような症状が現れる。その効果は驚くべきものだ。

 音響兵器の大半は、暴動やデモのときに群衆を統御し解散させる目的で低周波を利用する。音は非常に低く、人間には聞こえない。ところがありとあらゆるかたちで肉体に苦痛を与える。(p.p.96-97)


悪臭兵器

…嗅覚を襲う兵器、悪臭弾(臭気剤)である。…心理作戦と併用する場合にはその文化で嫌われているものが使われ、腐敗臭を体にこびりつかせられれば、嘲笑されたりつまはじきにされたりする。臭いがあまりにひどくて — 皮膚に染み込むと、どんなに洗ってもとれない — 誰も近づかなくなる。

 イスラエルはすでに群衆の統制に「スカンク」という名称のシステムを使っている。…「腐った肉と洗わずに放っておいた靴下の臭いを混ぜて、下水から漂う臭気を足したような臭い」だという。(Davies, Wyre. "New Israeli Weapon Kicks up Stinks," BBC News, Jerusalem, October 2, 2008. Online, http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7646894.stm )  

ともあれ、スカンクは車に搭載した放水銃から噴霧され、群衆を追い散らす。しかも非常にしつこい臭いだ。皮膚につくと三日は落とせず、衣服についた場合はすっかり消えるまでに五年もかかることがある。(p.p.97-98)

焼夷兵器

 二〇一〇年に、アメリカ軍は群衆制御と特定の作戦にアクティブ・ディナイアル・システム(ADS)を導入した。…ADSでミリ波を皮膚に二秒間照射すると、約〇・〇四ミリメートルの深さまで浸透し、火で焼かれたように感じる。…この兵器のお披露目に要人や記者が招待され、多くが実際に体験してみた。我慢できた者はなく、みな跳び上がったり腕を振り上げたり、もっていた物を取り落としたりした。

電磁兵器

 電力供給網、発電設備、情報システムを麻痺させる目的で設計されたこの兵器は、強力な電磁エネルギーを瞬間的に放出し、電子機器に過剰な電流を流してショートさせるのだ。都市一つ分ほどの広域内の電気設備を破壊するのに使えるだろう。

 もう一つ開発中の指向性エネルギー兵器は、波動エネルギー弾(PEP)である。発射されたレーザーが人や物に接触するとプラズマが生成されて広がり、打たれた人は衝撃で倒れて意識を失い、後遺症として痛みや吐き気、めまいが残る。(p.p.100-101)

Wednesday, March 28, 2018

内海聡 『大笑い!精神医学』

精神医学を100%否定する理由
Utsumi, S., & Mendūsa, . (2012). Ōwarai seishin igaku: Seishin igaku o hyakupāsento hitei suru riyū. Tōkyō: Sangokan.

精神医学を絶賛した独裁者たち

ドイツ精神医学療法神経学会(DGPPN)のフランク・シュナイダー会長は、2010年の総会において、ナチス時代にドイツ精神医学の名の下に、強制移住・強制断種を強いられ殺害された犠牲者およびその家族に、「精神医学がホロコーストを主導した」として正式に謝罪しています。(p.30)

「陰謀論」内海聡の内海塾

精神医療は牧畜産業だ!


もともとこの「精神医療は牧畜だ」という言葉は、日本医師会の元会長・武見太郎氏のものです。…まず牧畜ですから牧畜する「モノ」が必要です。その「モノ」こそ患者です。
精神医療にとって患者とはヒツジやブタと同じ「モノ」なのです。

 …そして餌が必要ですが、餌とは精神薬に他なりません。そして牧場が必要ですが、それこそ精神病院であり患者の家そのものです。他のところへ行ってもらっては困るのです。牧畜ですからお金儲けする必要があります。そのためにどうすればいいかというと…通院して薬をもらって精神科医や製薬会社が儲けている構図と同じです。
 そして最後はどうなるでしょうか?屠殺され肉に加工されて売られる……。つまり最後は精神医学によって殺されます。(p.16)


戦争よりオイシイ病気商売

…WHOは「人類の90%は余剰である」と正式に述べています。(p.78)

「すべてのワクチンは一切効果が無く有害!」内海聡医師ワールドフォーラム2014年7月

Wednesday, March 14, 2018

飛鳥昭雄/池田整治『メディアが報じない日米関係のタブーと世界金融支配体制』



池田[福島原発事故では炉が]一四〇度二気圧になった時点で冷却水が止まり、炉内の蒸気は漏れていた。事実、最初に炉を確認した技術者はパイプが壊れてシューシュー音をたてているのを確認している。
  その人はおそらく一万シーベルトくらい被ばくして即死に近い状態だったんじゃないかと思いますよ。それを後になって死因を津波のせいにしているのではないか。
飛鳥 あの吉田所長もがんになって死んだじゃないですか。それを、以前からがんだったとか説明している。
池田 とんでもない話です。
飛鳥 でも、それを日本人はみんな信じてしまう。日本人は昔から権力者や政治家や役人に弱いんです。猫も杓子も権力になびいて、自分の頭で考えようとしないんです。
池田 工事の人たちも亡くなっている。
飛鳥 亡くなって、入れ替わり立ち替わりやっている。工事で来た人たちの追跡調査はしていませんからね……。実際には一か月で死んでいるという話も聞きますよ。
池田 仮に亡くなったことが明らかになっても原発とは関係ないことにするんでしょう。
飛鳥 それから、最近は「ぽっくり」も多いですからね。
池田 心筋梗塞に脳梗塞。新陳代謝の盛んなところからDNAがやられていきますから。(p.p.94-95)


[...]

飛鳥 以前、日中の外交を成功させる鍵を握っていた優秀な日本の外交官・西宮伸一氏が、突然、自宅近くの路上で急死した出来事があったでしょう?大使として派遣される寸前のことだったんですが、彼は携帯電話をいくつか持っていて、当然それにはGPS機能があるから、GPSを管理するアメリカはその位置情報をリアルタイムで握っていました。
 そこへ照準を合わせて、仁丹程度の大きさのプラズマを打ちこめば心臓麻痺を起こせます。もちろん、プラズマは透過しますし、瞬時に体内で発生して消えるパルスアタックですから、表皮に穴は開きません。
 また、プラズマは強力な電気ですから、打ちこまれたら心臓はひとたまりもありません。
池田 同様の兵器は、実際にイラク戦争でも使っていますよ。(p.248)

[...]



飛鳥 アメリカが作った電磁波兵器は電子レンジ式でね、たとえば、それをテロリストに向けると体の中から熱くなる。アメリカは殺傷兵器じゃないと言ってますが……。
…でも、電磁波の出力レベルを上げたら、電子レンジの中の卵のように人体が血液の沸騰により爆発する。
池田 建前としては、暴徒鎮圧に使うと言ってるけど。…しかし、この兵器が細胞、特に脳細胞に対して長期的にどういう影響を及ぼすかということの検証は誰もしていない。本当は開発段階でやっているだろうけど隠している。
飛鳥 少なくとも動物実験はやっているはずです。電磁波兵器はプラズマ兵器でもありますから、最終段階ではすさまじい高熱で人体内部から発火し、わずか四分足らずで体が灰になるでしょう。[...]
池田 米軍もそうだし、先進諸国は大体電磁波兵器を持っていますね。日本を除けば。(p.p.263-264)


[...]

飛鳥 …老人の多くはテレビ漬けの日々を送っていて判断力が低下していますし、戦後からすべてを自民党にお任せする人生ですから、疑うことを知らず、何度もオレオレ詐欺に
引っかかります。…いざとなればアメリカが助けてくれるという妄想を抱いていますが、そういう人ほど真っ先に抹殺されるでしょうね。日本人はいつの頃からか自分の頭で物事を考えなくなったため、思考停止に陥っていますから。
池田 まあ、植民地国家ですから。そうなるでしょうね。(p.233)

Monday, October 23, 2017

Oliveira, F.T. et al. "Transcranial magnetic stimulation of posterior parietal cortex affects decisions of hand choice"

Oliveira, F. T. P., Diedrichsen, J., Verstynen, T., Duque, J., & Ivry, R. B. (October 12, 2010). Transcranial magnetic stimulation of posterior parietal cortex affects decisions of hand choice. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 107, 41, 17751.

*Transcranial Magnetic Stimulation (TMS): 狙った脳回路を短期間だけ不活性化させる磁気刺激装置

[...]
The current results shed light on the mechanisms involved in selecting which hand to use when making a unimanual reach.
Fig. 1.
Picture from PNAS
[...]
In experiment 2 we sought to directly test the hypothesis that the PPC[posterior parietal cortex] is involved in decision processes related to hand choice. By stimulating the caudal IPS, a PPC  region associated with reach planning,we sought to selectively disrupt the plan associated with the contralateral hand and thus increase the likelihood of an ipsilateral reach. We were able to induce this bias when stimulating the left PPC.


[...]
In summary, the current results provide strong evidence that decisions of hand choice involve a process that resolves a competition arising from the parallel engagement of action plans for both hands. Serial models in which hand choice is made at a higher cognitive level without activation of action plans for both hands might have predicted an increase in RT [reaching time] with TMS [transcranial magnetic stimulation] but cannot account for the shift in hand use. Rather, the results indicate that motor planning is initiated before response selection is made. Indeed, the emergence of decisions and actions can be viewed as a dynamic process in which many possible motor responses are competing at any one time, with the accumulation of evidence in favor of each candidate response continuously changing as a product of the interaction of a personal history and the current context.


[...]
Although it is likely that a broad network of cortical and subcortical areas are involved in different aspects of decision-making, the present results highlight the critical role that the PPC has in transforming sensory information into free choices of action.

Sunday, October 22, 2017

Bartolucci, V. et al. "What Does Neuroethics Have to Say about the Problem of Dual Use? "

In Rappert, B., & In Selgelid, M. J. (2013). On the dual uses of science and ethics: Principles, practices, and prospects.

Chapter Title: What Does Neuroethics Have to Say about the Problem of Dual Use?
Chapter Author(s): Valentina Bartolucci and  Malcolm Dando
 

[...]
With regard to neuroimaging, there are numerous discussions of the possibility, and thus implications, of being able to detect when people are intentionally carrying out a deception. There has been wide discussion of the implications of being able to detect, through neuroimaging, people’s desire for certain products and the consequences of the growth of ‘neuromarketing’. Concerns have also been expressed about the dangers to privacy if such personal characteristics can be elucidated by neuroimaging.
[...]
Neuroethics addresses the various philosophical issues around the relationship between brain and mind as well as practical issues about the impact upon society of our ability to understand and manipulate the brain.
[...]
Furthermore, as pointed out by Jonathan Moreno, the 11 September 2001 attacks have resulted in increased efforts to exploit all technical possibilities for enhancing security. The Pentagon’s Defense Advanced Research Projects Agency (DARPA) is supporting work at Lockheed Martin on remote brain prints and the scientist in charge already claims to be able to tell if a person is thinking of a certain number. In the words of Moreno, ‘a striking aspect of much of this and other national security work being done in the field of neuroscience is that it is “dual use”—potentially applicable to medical therapy or other peaceful purposes as well as combat, riot control, hostage situations, or other security problems'.


Saturday, October 14, 2017

池谷裕二『単純な脳、複雑な「私」』

Ikegaya, Y. (2013). Tanjun na nō fukuzatsu na watashi: Matawa jibun o tsukaimawashinagara shinka shita nō o meguru yottsu no kōgi. Tōkyō: Kōdansha. 



     *****



 人の海馬[Hippocampus]に細い電極を刺して、ニューロンの活動を記録してみてわかったことなんだけど...
 たとえば、君が何か思い出すとしようか。何でもいい。たとえば好きな映画のこととかね。すると、それを思い出して、意識にのぼるよりも前に、その映画に対応する海馬のニューロンが活動を始めているんだ。(Gelbard-Sagiv H. et al. Internally generated reactivation of single neurons in human hippocampus during free recall. Science. 2008)
 ニューロンが活動すると、その1.5秒後に、そのニューロンに対応した内容を思い出すんだよね。つまり海馬の活動を見ていれば、君が何を想起するのか、その内容を、君よりも先に知ることができるってことだ。(p.265)



ありもしない色が見えてくる

…外界にピンク色が存在しているかどうか、あるいは、ピンク色が光波として網膜に届いているかどうかは、あまり重要なことではなくて、脳の中のピンク色担当のニューロンが活動するかどうかが、「存在」のあり方、存在するかどうかを決めていることになります。

目を介さずに、大脳皮質で直接「光」を見る?

 それは大脳皮質に光を感受するチャンネルをつくらせたらどうなるかという実験だ。(Huber D. et al. Sparse optical microstimulation in barrel cortex drives learned behaviour in freely moving mice. Nature. 2008) ニューロンそのものに光アンテナを発現させるんだよ。…その結果、[オペラント条件付けされた通りに]ちゃんとニューロンに光が届いているときだけ、右側に行ってエサを取ることができるようになった。(p.240)

脳を記録すれば心は読める

…みなさんのピンク色ニューロンの活動を記録しておけば、そのニューロンが活動をやめたら、「あ、今、ピンク色は見えてないでしょう」と言い当てることができるわけですよね。こんなふうに脳を覗かれると、すべてはバレバレ、私たちの心が読まれてしまう可能性があります。
 これを応用すると、嘘発見器ができ…私が知る限り最も成功しているのは、このマーク・ジョージらが率いる研究グループでしょうか。(George MS., et al. Detecting deception using functional magnetic resonance imaging. Biol Psychiatry, 2005)

 ちなみに、インドでは世界に先がけて、MRIの嘘発見画像が法廷で証拠として使われています。
(p.p.33-35)


 もうひとつ、おもしろい話をしましょう。(Coan JA., et al. Lending a Hand: social regulation of the neural response to threat. Psychol Sci. 2006)…"Lending a Hand"つまり「手を貸す」というタイトルがついています。…ここではボランティアの既婚女性に研究室に集まってもらって、脳の活動を調べています。
 何をするかというと、手に強い電気刺激を与えるんです。痛いんですよ、ビリビリと。…そこで、次に何をやったかというと…旦那さんに脇でもう一方の手を握ってもらったんですよ。…すると驚くべきことに、恐怖の反応が減るんですよ。島皮質といって嫌悪感を感じる脳部位の活動が、夫が横で手を握っていると減ります。…おもしろいことに、見知らぬ人が手を握った場合は、何の効果もないんです。

脳を覗かれる

…奥さんの信頼度が高いほど、鎮痛効果も高いということです。だから旦那としては「オレたちは円満だろう」と自信満々で手を握ったらまったく[島皮質の]活動が減らなかったなんてこともあるわけです。…裏を返すと、脳さえ見れば、妻が夫のことをどれだけ愛しているかを測定できてしまうということですね。

…僕はこれを「脳ハラスメント」と呼んでいるのですが、言ってみれば、脳の反応はプライベートなものです。個人情報だから本来は知られたくないこともたくさんある。…考えている内容がバレてしまったら、すごく恥ずかしいとか、人間関係の上で都合が悪いとか、いろいろと支障があるでしょう。どうですか。やっぱり人って、素裸を見られるよりも、脳内を覗かれる方が恥ずかしいと、私は思うのですが。
 現代科学ではともすると、そういった心の動きまで手に取るようにわかってしまう可能性すらあるわけです。(Miyawaki Y, et al. Visual image reconstruction from human brain activity using a combination of multiscale local image decoders.,etc)

 だから今、神経科学では、研究における倫理性をしっかり確立していこう、やっていいことと悪いことの基準を確立しようという方針があって、最近では「神経倫理学」という新しい学問も生まれています。(Illes J., et al. Neuroethics: a modern context for ethics in neuroscience. Trends Neurosci, 2006.,etc)
(p.p.37-39)


「心が痛む」ときは、脳でほんとに痛みを感じてる

 これを端的に示す実験がある。…最初は3人で楽しく遊んでいるんだけど、ほかの2人同士でゲームを楽しんでいて、本人だけが「のけ者」になったという状況になる。…そんな状況に置かれたときの脳の反応をMRIで測定してみたわけ。そしたら驚くことに、<[身体に損傷を受けた]痛み>に反応する脳部位と同じ領野が活動したんだ。…つまり、脳から見ると、仲間外れにされたときの不快な感情は、物理的な「痛み」と同質なものだといえる。(p.167)
(Eisenberger NI. et al. Does rejection hurt? An FMRI study of social exclusion. Science. 2003)


僕らの「心」の働きは、進化の過程の「使い回し」の結果

 相手の痛みを理解するという「共感」の心は、やはり[身体が損傷を受けているときの]「痛み」から生まれているんだね。実際、憎しみがあって、「痛い思いをして、ざまをみろ」と感じているときには、共感回路は活動しないの(笑)。
(Singer, T. et al. Empathic neural responses are modulated by the perceived fairness of others. Nature. 2006)
…モノを破壊するときも傷み回路が活動するんだよ。とくにまだ使えるようなもの、テレビとか冷蔵庫とか、あるいはボールペンでもいい、まだ使えるものをハンマーで壊すシーンを見ると、「ああ、もったいないなあ」と思うでしょ。その場合も痛覚系の神経回路が活動する。(p.p.170-172)


自分か他人かを区別できなくなる

 TMS[Transcranial Magnetic Stimulation]という実験装置を使う。…頭皮の表面から強烈な磁場をかけて、脳の一部をマヒさせる刺激装置だ。これを使うと、ある特定の脳領域の活動を一時的に抑制することができる。たとえば言語野をマヒさせれば、その瞬間は言葉が出せなくなる。視覚をマヒさせると視野の一部が欠ける。
 この装置を使って、側頭葉のある部分を刺激してマヒさせると、写真に写っている人物が自分か他人かわからなくなってしまうんだ。
(p.173)


Picture from CRAM

幽体離脱を生じさせる脳部位がある

…脳を直接に電気刺激して活性化させる実験もある。…たとえば、運動野を刺激すると、自分の意志とは関係なく、腕が勝手に上がったり、足を蹴ったりする。視覚野や体性感覚野を刺激すると、色が見えたり、頬に触れられた感じがしたりする。
…頭頂葉と後頭葉の境界にある角回[angular gyrus]という部位。この角回を刺激されるとゾワゾワゾワ~と感じる。(Arzy S., et al. Induction of an illusory shadow person. Nature. 2002)…自分のすぐ後ろに、背後霊のように誰かがベターっとくっついている感じがするようなの。うわーっ、だれかにつけられている。だれかに見られている……強烈な恐怖を感じるんだって。
 でもね、その実態を丁寧に調べてみると、自分が右手を上げると、その人も右手を上げるし、左足を上げてみると、その人も左足を上げる。…そう実は、背後にいる人間は、ほかならぬ自分自身だ。
 要するに、「心」は必ずしも身体と同じ場所にいるわけではないってこと。…この例では、頭頂葉を刺激すると、身体だけが後方にワープする。
 この実験でおもしろいのは、その「ゾワゾワする」という感覚について尋ねてみると、背後の“他者”に襲われそうな危機感を覚えているという点だ。これはちょうど統合失調症の強迫観念に似ているね。
…さらに仰天するような実験がある。(Blanke O., et al. Stimulating illusory own-body perception. Nature. 2002) …[右脳の角回を]刺激された人によれば「自分が2メートルくらい浮かび上がって、天井の下から、自分がベッドに寝ているのが部分的に見える」という。…幽体離脱だね。専門的には「体外離脱」と言う。
…幽体離脱というのはそんな珍しい現象じゃない。人口の3割ぐらいは経験すると言われている。ただし起こっても一生に1回程度。…今や装置を使って脳を刺激すれば、いつでも幽体離脱を起こせるようになってきた。(p.p.173-175)


How to control someone else's arm with your brain | Greg Gage

意図を生みだす中枢

 運動準備野[運動前野と補足運動野]が活動すると、次に運動野が活動して、すると体が動く。…つまり、意志が生まれるよりも先に活動する脳部位とは「運動準備野」のことだね。
 これは脳の刺激実験で検証できる。たとえば、運動野を刺激すると勝手に体が動いてしまうよね。右脳の運動野の腕を支配する領域を刺激すると、左腕が動く。本人の意図とは関係なく、自動的に動いてしまう。(p.261)

Friday, August 4, 2017

Gadit, "Terrorism and Mental Health"

Terrorism and Mental Health: The issue of psychological fragility

Amin A. Muhammad Gadit  ( Discipline of Psychiatry, Memorial University of Newfoundland, St. John's, NL A1B 3V6 Canada. )

...There are reports of a new and dreadful invention of weapons of violence that are called Bio-electromagnetic Weapons. According to the description by an Institute of Science in Society, these weapons operate at the speed of light, can kill, torture and enslave without making physical appearance. It further adds that voices and visions, daydreams and nightmares are the most astonishing manifestations of this weapon system, it is also capable of crippling the human subject by limiting his/her normal range of movement, causing acute pain the equivalent of major organ failure or even death and interferes with normal functions of human senses. It can cause difficulty with breathing and induce seizures besides damage to the tissues and organs.

Through this form of terrorism, it is possible to persuade subjects that their mind is being read; their intellectual property is being plundered and can even motivate suicide or murder.
Pulsed Energy Projectiles (PEPs) are another form of weaponry that is used to paralyze a victim with pain. According to Peter Philips, a scientist from USA, circumstances may soon arrive in which anti-war or human right protestors suddenly feel a burning sensation akin to touching a hot skillet over their entire body. Simultaneously they may hear terrifying nauseating screaming, which while not produced externally, fills their brains with overwhelming disruption. This new invention is dreadful addition to the armamentarium of weapons of abuse and torture. Manifestations of the effects of these occult weapons can mimic mental ill health and add further to the misery of the victims.

The potential threat from use of biological warfare agents is more devastating as they are not detectable before the attack and can lead the possible victims to a state of constant vigilance and anxiety.

Full Text: http://jpma.org.pk/full_article_text.php?article_id=1837