Monday, March 1, 2021

Begley, S., 『脳を変える心』

ダライ・ラマと脳学者たちによる心と脳についての対話

Begley, S., & Mogi, K. (2010). Nō o kaeru kokoro: Darai rama to nō gakushatachi ni yoru kokoro to nō ni tsuite no taiwa. Tōkyō: Bajiriko.

The original title: Begley, S. (2008). Train your mind, change your brain: How a new science reveals our extraordinary potential to transform ourselves.

製薬会社からは歓迎されなかったが、神経科学者ヘレン・メイバーグは二〇〇二年に、鬱病発症者の脳に対する効果は抗鬱薬でも偽薬でも同じであると示した。メイバーグがテキサス大学健康科学センター・サンアントニオ校の研究者とともにおこなった実験で、鬱病が治った患者に用いられた治療薬は、広く処方されているパキシルなどの選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)であっても、患者が坑鬱薬だと思い込まされているだけで同等の効能をもたない偽薬であっても、脳の活動が同じように変化したことを確認した。fMRI画像によれば、どちらの場合も活動は大脳皮質で増加し、大脳辺縁系で減少していた。(p.p.219-220)