Monday, April 24, 2017

鎌仲ひとみ『HIBAKUSHA』(Movie)

Kamanaka, H., Koizumu, S., Kawaida, H., Iwata, M., Iezuka, S., Heemann, C., & Group Gendai Films. (2006). Hibakusha: Sekai no owari ni. Tōkyō: Gurūpu Gendai.

"We will go to so called "Death Mile"in a minute, and I will explain to you the health histories of each one of those families in one mile. We are very close friends of mine.

My mother suffered cancer, my father died of cancer, my two sisters have been fighting cancer for ten years. I was parallized when I was a child. I had cnacer removed from my skin, we always had alergy problem of blood running out of noses, and uhh general poor health. My teeth fell off when I was five years old. I cannot remember all of them, but my health picture is covered in a book.

This farm from here is Mr. and Mrs. Lee. He died of cancer. She is fighting cancer right now, and they have four sons, and one of the boys is dead from cancer. That is all I know about him.

On the right hand side here, that house is gone also. A man named..uhh..Mr. Barth, they had a house right here with this road. There is no house any more now. Mrs. Barth gave birth to a deformed baby, and she drowned her baby in the bathtub, and committed suicide. She cut her wrist, and killed herself here. [バース夫人は奇形児を出産後、赤んぼうをふろで溺死させ、自分も手首を切り自殺した。]

And this lady here, Mrs. Holmes, she got bone cancer, and was really fast, that killed her really fast, and her little two daughters take thyroid medication. They do not live there anymore. All these people are gone." (Tom Bailey, Hanford, U.S.A.)
*********************

"My wife had thyroid cancer, too, and there is a problem with health in our family, you know. She had a surgery and cancer removed, but still suffers from medication through her thyroid defciency."
(Terry Bailey, Tom's brother, Hanford, U.S.A.)


[プルトニウム製造工場の風下で]テリーの作る牧草のおよそ半分が日本に輸出されています。[Half of the meadow that Terry produces down-wind of the plutonium factory is exported to Japan.]

**********************
肥田医師: [米軍占領中]広島の生き残った医者がね、たくさんの生き残った被爆者を診るのに病気がわからない。[放射能による病気について]、ABCC(原爆障害調査委員会)は、よく知っているわけだから、教えてくれって頼んむんだ。[でも]全然教えてくれない。

Dr. Hida (MD): ABCC (Atomic Bomb Casualty Commission) did not help us [in Hiroshima]. They examined only.
Tom Bailey: Only watching!? Watching and write on paper...not treating!? Wow! That makes me feel uncomfortable.


Dr. Hida: I was arrested four times [by the U.S. Occupational Army].
Tom Bailey: Four times!? By American Occupations? For asking for medical information [concerning radiation-caused diseases]?
Dr. Hida: Yes.
Tom: Wow!

Saturday, April 22, 2017

齊藤真『関西電力反原発町長暗殺指令』

Saitō, M. (2011). Kansai denryoku hangenpatsu chōchō ansatsu shirei. Tōkyō: Takarajimasha.

誰がやったか分からない殺し方

「凶器は、犬や・・・犬はワシら主人の言うことは、何でも聞くからな・・”絶対に誰がやったか分からない方法”というのは、犬のことや。原発の警備につこうとる、殺傷能力はピカイチの犬や・・犬を使って喉元喰いちぎらせるちゅうことや。殺(や)ってしもうた犬を捕獲しても、犬は誰の命令か言えへんもんな・・『犬が突然凶暴になってやってしもうた』と言えば、なんの証拠もあらへんし、ワシらは大丈夫や・・」(p.86)

完全に殺人未遂の告白ではないか!

「一番ええんは、町長が外で一人きりの時・・けど、なかなかそういうシーンには出逢えないんや・・だから・・ワシが凶器になったろうと思ったんや・・」
「ということは、矢竹さんが直接町長を殺ろうとしたわけ?」
「そういうこっちゃ。犬に殺らせるのはもどかしい。直接、ワシが殺ってやろうやないか、ということや」
 これは完全に殺人未遂の告白ではないか・・
「ストーカー、言うんか?そんな感じで、町長の出没するところをいろんな人間にさりげなく聞いてな、あちこち行ったり、張り込んだりしたんや。もし、二人だけになった瞬間があれば、ワシやっとった、思う・・・」
「どうしようと思ったんですか?」
「木刀忍ばせて、張り込んだり、隠れたりしたんや」
 矢竹は愛車の助手席にいつも木刀を忍ばせていたという。町長を見つけたらすかさず襲撃するために、である。
(p.p.91-92)

産経記者の奇妙な動き

「齊藤さんの記事は、どこの(新聞)社も、後追いしないと思いますよ」
・・“この記者は、これから言おうとしていることのために、ここまで来たのか。オレがここ[福井県]にいる間に、急いで・・・”
「『世田谷[一家殺人事件 侵入者たちの告白]』の件があるから、齊藤さんの記事では動きませんわ」(p.195)

公安警察のような行動確認

その人の持つ、曰く言い難い“雰囲気”というものがある。だれもが有するが、誰もそれを打ち消すことはできない。産経新聞のOという記者がまとっていたそれには、権力者の独特な臭味がしみついていた。それは例えばハムなどと言われる公安刑事が持つ、それのような雰囲気である。
結局、O記者は記事を書いていない。初めから書く意思がなかったのではないか?産経新聞は、福島第一原子力発電所の事故後、全国的に募る放射能汚染への危機感に対して、火消し役を買って出るような記事を一面トップに掲載している。東京電力擁護の論説も載せている。(p.213)

Friday, April 21, 2017

海渡雄一『反原発へのいやがらせ全記錄: 原子力ムラの品性を嗤う』

In Kaido, Y. (2014). Han genpatsu e no iyagarase zenkiroku: Genshiryokumura no hinsei o warau = The Series of disturbance against antinuclear power movement : ingloriousness of Japan's nuclear power village.

動燃の反原発運動対策と夫の謎の死をめぐって

1995年12月8日・・「もんじゅ」で発生したナトリウム漏えい事故。・・動燃による事故の様子を撮影したビデオ隠しが問題となったが、この問題に絡んで一人の動燃職員が命を落とした。・・妻のトシ子さんは、成生さんの死因が自殺とされたことに疑問を持ち、夫の死の真相を求めて、動燃を相手取って訴訟を闘ってきた。(p.73)


遺書にあきらかに別人の文字。考えられない誤字も

西村 霊安室で警察官から「遺書です」と言って渡されたました。遺体は殴られたみたいになっているのに、遺書は主人の筆跡で、これは書かされたなって直感しました。(p.77)
*******************

犯人像と狙いを推理する

活動家の尾行と写真の送付
➡身の危険を感じさせる脅し


・・目的は、明らかに「お前の行動は監視されているぞ」「このまま活動を続ければ、本人や子どもなどに危害を加えるぞ」ということをほのめかした脅迫であろう。・・自宅がどこにあるかを知り、これらの活動家を追跡する時間[ヒマ]と技術を持っている集団が関与していなければ不可能である。公安機関か、電力会社内などの住民運動担当の追尾作業という活動が、この嫌がらせの基盤にはあることがわかる。

違法行為の誇示
➡恐怖感を与える

 違法に入手された公的機関の内部文書、信書、JRの切符など、通常では絶対に手に入らないような物件を詰めて郵送してくる行為から考えられるのは、いやがらせを敢行している集団が、違法な行為をしていることを見せつけることが狙いだったのではないかということだ。彼らが法の取り締まりも受けない、超法規的存在であることを示し、原発反対運動を行っている者に、底知れぬ恐怖感を与えようとしたものと考えるしかないだろう。

世界各地から郵便物を送り付けてくる
➡勢力を誇示し、恐怖感を植え付ける

大変な費用と物量を要するオペレーションであるが、いやがらせを敢行している集団が世界的な広がりを持つ、巨大な集団であり、これに刃向かっても無駄であると思い知らせ、恐怖感を植え付け、運動からの離脱を狙ったものであろう。(p.p.25-26)

Saturday, April 15, 2017

佐藤栄佐久『知事抹殺』


Sato, E. (2009). Chiji massatsu: Tsukurareta fukushimaken oshoku jiken. Heibonsha.


われわれの国への不信は、まさに臨界点まで来た。経済産業省の中に、プルサーマルを推進する資源エネルギー庁と、安全を司る原子力安全・保安院が同居している。これまでわれわれは国に対し、“警官と泥棒が一緒になっている”ような、こうした体質を変えてくれと言い続けてきた。(p.86)

東電側から接触したいという意向は公式非公式に示されていたが、私は、あくまでも筋を通すために、それらを完全にシャットアウトした。
「・・それまで金の力で地方政治に強力な力を発揮してきた東電は、“メンツ丸つぶれ”だと感じた・・東電には、”佐藤栄佐久憎し”という感情が間違いなく渦巻いていました」(p.114)


私が逮捕される前後から、後援会幹部たちが連日東京地検に呼ばれていた・・・何でもいいから、私についての不利な証言を引き出したかったようだ・・・
東京地検に出頭すると、
「知事の悪口をひとつでいいから言ってくれ」
「15分以内に言え」
想像でいいから言え
会社をつぶされたくなかったら言え


・・・あまりのストレスに平衡感覚さえ失ってしまう支持者が何人も出たと聞いた・・・
杉山浩二君が自殺を図ったのは二度目の特捜部の聴取がある朝だった。そのことを山上検事から持ち出されたことは、私にとってひどく答えた。
賄賂は受け取っていない。法的にやましいことは何もない。しかし、道義的責任はある。(p.p.199-200)


私にとって支持者は命そのものだ。私が自白すれば、東京地検に呼び出されて怒鳴り上げられる支持者を救うことができる。山上検事にもそのようなことを耳打ちされて事実無根の自白をした私だったが、それはあまりにも無防備に過ぎた。
(p.p.240-241)


[弟の]裕二が一番こたえたのが、森本検事のこれらの言葉だったようだ。
「息子たちも証拠隠滅で逮捕する。福島県内ずたずたにしてやる」
「知事の支援者もやられるぞ。絞り上げるぞ」


・・[九月八日]森本検事はこんなことを言っている。
知事は日本にとってよろしくない。いずれは抹殺する」(p.p.303-304)


Saturday, April 8, 2017

『日本を脅かす! 原発の深い闇』

Nihon o obiyakasu genpatsu no fukai yami: Tōden seijika kanryō gakusha masukomi bunkajin no taizai. (2011). Tōkyō: Takarajimasha.

 関西電力高浜原発、プルサーマル反対派町長「暗殺指令」

「最初は、”なんとかあの町長、首にでけんか”といった程度のことやったんです。ところが、町長がいろいろ刃向ってきますやろ、そうなるとK[関電幹部]はどんどんエスカレートしよりまして、それが“町長、殺(や)れや”になっていきましたんや。」(原発警備会社の加藤)
「(町長暗殺の)指令は常に本気でしたわ。特に“[警備]犬を使うて殺れ”となってからは、本気も本気、原発内で会うたびに、“いつ殺るんや。はよ(早く)殺れや”と、こんな感じで性急になってきましたわ。目も坐ってましたわ・・」(同上、矢竹)
「(暗殺指令を)Kがやったことについて、そのようなことがあったと聞いています。それを踏まえたうえで、今後のことを考えます」(関電執行役員)
つまり関電役員も・・会社ぐるみの“指令”であることを認めたも同然である(その時に録ったテープが存在する)。
[2年後、両氏の不可解な逮捕事件の]公判では、[「町長暗殺」という無謀な要求]など一顧だにされなかった。
「そんなことには一切耳を貸さん。裁判では、裁判長はじめ、みんなそうでしたわ」(加藤)
 耳を貸してしまっては、困ってしまう人がいたのであろう。(p.p.116-117)


電力会社は警察の優良天下り先

抗議活動が終わり、中川さんがクルマに乗り込むと、現場で陣頭指揮していた青森県警察本部野辺地署の白取栢所長が、「そのクルマを止めろ!」と叫んだ。取材に来ていた報道陣が「どうするんですか?」と尋ねると、白取署長は「駐車違反で検挙する。反対派のクルマだから」と答えた。そもそも現場は核燃料サイクル施設の用地で、「道路」とはいえない。しかも、当時、中川さんのクルマ以外に、施設側の車両、パトカー、マスコミの記者のクルマが何台も駐車していた。

・・・翌朝、筆者のクルマのランプが片方、叩き割られていた。警察の仕業としか思えなかったが、単なる嫌がらせではなかった。
核燃料サイクル施設に反対している住民がクルマで集会へ向かうとき、いつの間にか割れていたランプ類を警察官に道路交通法違反とされ、足どめをくらった事例があった。

自動車雑誌には、「警察は電力会社の私兵なのか!」という見出しで記事が掲載された。雑誌発売後、一通の手紙が届いた。
《「警察は電力会社の私兵なのか!」とは、よくぞ言ってくれました。これは私たち地元のマスコミが言いたくても言えなかったことです。あいつら[腐敗警官たち]は毎晩電力会社に振る舞われる酒で、頭がパーになっているのです。》
あれから21年。警察と電力業界との関係は、何も変わっていない。(p.120)

Thursday, April 6, 2017

鎌仲ひとみ『六ケ所村ラプソディー』(Movie)

Kamanaka, H. (2008). Rokkashomura rapusodī

「核燃の反対運動をやってる人たちっていうのは・・あんまり理解されないんですよね。誰かから日当もらってやってるんじゃないかとか、赤とか、非国民とか、あと過激派とか(笑)。まじめに、あのう、警察からマークされたりしていたんですよね今もいるのかもしれないんですけど・・。そうじゃなくて、(核燃反対者は)ごく一般の人なんだということを知ってもらうためには、まず周りの人の目に見える形で生活していかないといけないだろうなって思いました。

 両親たちは[戦時中]すごく被害を受けたことばっかり言うけれども、でも、自分たちはその時、ただ戦争に協力してたとか、[反対もせず]何もしなかった。被害者だけじゃないんじゃないかっていうふうに思ったんですね。

 ・・今の放射能汚染っていうのは、戦争よりもっともっと地球規模の長い時間と広い範囲で汚染がずっと残るっていうことがわかってきて、戦争よりもっとずっと大人に責任があるんじゃないかって思うんですよね。・・故郷を・・チェルノブイリのようにしたくないなって思ったんですね。子供たちが帰ってこれないようなところにしたくないなって思って・・。」(六ケ所村・菊川さん)

**********************

 泊はかつて六ケ所村でも、もっとも核燃に反対する運動が盛り上がった地域でした。漁民たちが海域調査を許さない限り再処理工場を建設することができませんでした。

[1986年6月2日]この日、泊の港は機動隊によって封鎖されました。
坂井留吉船長:「何で俺たちに魚つらせないんだ!世の中狂ってるんでねえか?何で俺たちを船にのせねえのよ?俺は船長でえ!」(坂井船長を妨害する機動隊員に対し)「何しにこの村来たんだよ!・・命かけるぞ!」
 

 20年前[1986年、核燃施設建設を実力で強行する暴力装置として来た]機動隊に激しく抵抗していた坂井留吉さんです・・地元で仕事を探そうにも核燃に反対しているかぎり仕事がありません。息子や娘の就職のためにも、坂井さんといっしょに闘ってきた漁師たちは口をつぐんできました。それでも坂井さんは核燃反対をずっと貫いてきました。

結局、泊漁協はその後・・1億円余りを受け取ることで核燃サイクル計画を認めてしまいました。漁民たちの戦いはひとつひとつ権力とお金によって潰されていったのです


**********************

 健康調査では、セラフィールドの近隣では小児白血病の発症率が通常の10倍になっていることがわかっています

「80年代に息子が白血病になってからセラフィールドに関わっています。子供の白血病が多発したので健康問題に関心を持ちました。[病気の]子供たちの父親のほとんどがセラフィールド[核燃施設]の従業員でした。・・人々は何も起きないうちは喜んで施設を支持していても、がんや放射線由来の病気になると疑問に思いはじめるのです。核施設の労働者も同様です。[彼らは]放射線と関係が疑われるがんや脳内出血を患っています。健康な時は気にしませんが病気になって初めて疑問を持つのです。」(Janin, Sellafield セラフィールド・ジャニンさん)

*************************

 "We fished when I was a crewman in the early 70's and middle 70's. You would also hear the stories of the things that glow at night, and Mann..catches shell fish and prawns with two heads, mutant fish. They said, before, [they were]common, you know. (70年代、漁船の乗組員だった頃、海底が不気味に光っていると噂されていた。頭が二つあるエビだとか臭い貝とか奇形の魚が当たり前にいたんだ)"(Henry, Sellafield セラフィールド・ヘンリーさん)