Tuesday, December 22, 2015

『超マインドコントロール 日本人はいつまで騙され続けるのか!』池田整治

Ikeda, S. (2011). Chō maindo kontorōru: Nihonjin wa itsumade damasaretsuzukeru noka. Tōkyō: Magajinhausu.

もんじゅの漏出の二年前、私は北朝鮮コマンドの日本侵攻に対する対処要領を研究するために、敦賀や玄海原発に現地調査に出向きました。呆れたことに、日本政府にも電力会社にもデモレベルの対処法は用意されていても、外敵によるコマンドには全く無防備なのです。危機意識はまったくありませんでした
 北朝鮮特殊軍の幹部候補生の最終試験は、韓国と日本での具体的な工作活動です。こういう実戦を経験した将校率いるコマンドが九万人いるのです。


 基本的に、国は国民を守りません(自衛隊は守ります!) 役所はなおさら守りません。大手メディアは政府、東京電力、経産省の味方であって、国民の味方ではありません。政府のインチキをあぶり出そうとする記者など大手のサラリーマン記者には皆無です。・・・こんなテレビや新聞を信じて損するのはあなたなのです。
 自分の体は自分で守る。これが基本です。・・・自分の頭と情報力で判断しなければいけない「自己責任」の時代なのです。(p.p.62-63)



『消された一家:北九州・連続監禁殺人事件』豊田正義

Toyoda, M. (2009). Kesareta ikka: Kitakyūshū renzoku kankin satsujin jiken. Tōkyō: Shinchōsha.

その日も[連続殺人鬼]松永は、「態度が偉そうだ」「口の利き方が悪い」などと[被害者家族の長である]譽に因縁をつけ・・老いた体に[拷問用の誘電]クリップを取り付け・・電気を通している最中も、[親族会議で話し合わせた、譽の所有不動産への]仮登記の件で追及が続いた。
「言いだしたのはあんあただろ!」
「私ではありません」
「嘘つくな!」
松永は両手に持ったコードを瞬時に接触させ、譽は口を真一文字に結んで耐える。
「嘘ではありません」
「親族会議は盗聴してあるんだから、俺はその内容を全部知ってるんだ。俺のバックには盗聴も楽々できる大きな組織があると言っただろ(p.p.138-139)

『家族喰い ― 尼崎連続変死事件の真相』 小野一光

Ono, K. (2013). Kazokugui: Amagasaki renzoku henshi jiken no shinsō. Tōkyō: Ōtashuppan.


[尼崎連続変死事件被害者のひとり茉莉子さんが監禁・拷問から一時逃れたとき、同じ飲食店で働いていた友人の証言]

「・・・出会った当初、髪の毛の長さがバラバラのショートカットで、聞くと、『自分で切った』と言うんです。それに細くてガリガリで、肩とか背中に根性焼きの痕がありました。・・・それから化粧もしてなかった。私が部屋に遊びにいったら、寒いのに新聞紙一枚で暖を取っていたから、『死んでしまうで』って、次の日に毛布を買ってあげたんです。驚くほどものがなにもなくて・・・。」(p.201)
 
茉莉子さんの性格について質問すると、「真面目でほかの人に親切で、めっちゃええ子やった」と斎藤さんは語る。

「最初に私が毛布を買ってあげたら、私の誕生日にカードに絵を描いてプレゼントしてくれたんです。ほかの人にも親切で、病気したときに保険証を借りたことのある相手がおカネに困っているときには、快く貸していましたし、仲良くしていた子の駐車違反を被ったこともあります」(p.204)

[しかし再び監禁、拷問され]後日、茉莉子さんは[連続殺人鬼美代子一派の]マサら数人と荷物を取りに来たが、当初は以前とは打って変わった態度を見せたという。

「彼女は人が変わったみたいに淡々としてました。それに一切目を合わせようとしないんです。マサが常に見張っていたんですけど、隙を見て私は彼女に『知り合いに頼んで助けることができる。もしあなたが助けてとひとこと言ってくれたら、その人に頼んでなにがあっても助け出す。お願いやから、うんと言って』といいました。すると、それまで淡々としていた茉莉子さんの目に涙が浮かびました。けどぐっとこらえて目をそらしました。それで・・・私は彼女を助けることができなかったんです。それがいまだに後悔として私のなかに残っています。

 帰り際、茉莉子さんは誰にも見つからないように、私にエルメスのクリッパーという時計を手渡しました。そして小声で『高価なものを持ってたら取られるから。これ、持ってて』と囁きました」

 そのときに一瞬見せた表情は、斎藤さんが知る「めっちゃええ子」の茉莉子さんだった。彼女は最後に素顔を見せて、斎藤さんの前から姿を消した。それが今生の別れとなった。(p.208)

Tuesday, December 15, 2015

『モンスター : 尼崎連続殺人事件の真実』 一橋文哉

 
Ichihashi, F. (2014). Monsutā: Amagasaki renzoku satsujin jiken no shinjitsu. Tōkyō: Kōdansha.


ストーカー殺人や通り魔事件など、自己中心的な人間が次々と身勝手で理解不能な「動機なき犯罪」を起こす時代が到来した。今や、何の落ち度もない一般市民がいつ何時、災難に巻き込まれるか分からない事態となっている。 (p.7)


美代子の行動の根底には、もう一歩深く踏み込んだ思考法が見え隠れするし、そこにはいつもMの影がチラつき、その人生哲学や人心掌握術が反映している様子が見え隠れしている。


「[美代子は]何と男[M]が『[北九州連続殺人事件の]詳しい取調べ内容を[ほとんどリアルタイムで]警察から聞けるんや』と自慢げに話していたというんや。ほかにも警察の体質や体制、さまざまな捜査手法、縄張り主義などに詳しいんで、美代子は男が警察に人脈を持っていると確信し、アドバイスを受けるようになったようや。」(警察関係者)(p.246)


そうして提供された「[犯罪遂行のための]参考文献」の中には時々、事件の裁判資料から警察の捜査資料まで、普通は手に入らない極秘文書が含まれていたと見られている。(p.260)


[Mと接点がありそうな兵庫県警幹部に]直撃取材したところ、こんな答えが返ってきた。

「そんな男は知らない。失礼だぞ、君。私はやくざと付き合いなどない」

・・・気になったのは私の質問が「Mという人物を知っていますね」というものだったからだ。すなわち、男とも、ましてや、やくざとも言ってないのである。


また、幹部は私の質問が終わらないうちに問い掛けを遮るようにすばやく回答し、まるで私の来訪を待ち構えていたかのように感じられた。(p.268)


美代子は北九州監禁連続殺人事件について、実によく知っていた。Mからいろいろと教えられていたことは、彼女が日記などに遺した記述から明らかである。それにしても、Mが北九州の事件のことを熟知していたのには驚かされる。しかも、ほぼリアルタイムと言っていいぐらい速く、そして、正確かつ詳細に美代子に伝えていたのだ。・・・美代子は北九州監禁連続殺人事件から学ぶだけでなく、その手法をさらに進化させていったのである。


「当時、カルト教団や新興宗教団体との繋がりがあったMは、そこで学んだ詐欺的、脅迫的手法を盛んに美代子に伝授したことが予想される」。徹底的に暴力を振るうことで相手を屈伏させ、言うことを聞かせるのは暴力団の常套手段であり、美代子がそれをMから伝授されたことは、彼女の日記の記述や周辺の人物の証言などから明らかだ。


 「『世の中は、すべてカネ次第。カネの切れ目が縁の切れ目』をモットーに突き進むしかないやろ」

 これは美代子宅などで発見された・・・美代子がMから授けられたアドバイスをメモしておいたものと類推できる。(p.70)


[以下Mの言葉]

「アメとムチを巧みに使い分け、家族の絆を断絶すれば、家族同士は相互に憎しみ合い、自然と瓦解していくものや」

「相手を肉体的、精神的にとことん追い込むだけでは、他人を支配することはできない。時には一歩引いて、『不幸な境遇で生きてきた不憫なヤツ』と一緒に泣いてやれば、人間関係の濃密なエキスが心をマヒさせてくれる……

「一つの家族や集団の中で、一人を集中的に可愛がり、他の一人を徹底的に迫害すると、彼らの中で自然と誰につけばいいかとか、どうすれば自分は助かるか といった感情が働き始め、放っておいても協力者や密告者が出てきて、組織の運営がスムースになる。ただ、取り込む人間から信頼、心酔されるだけでは駄目で、時々は彼らにも恐怖心を与え、隷属することでしか生き延びられないという呪縛を持たせなければならない」

「標的(被害者)の家族や親族、仲間らに虐待、暴力、殺害、死体遺棄・・・と どんどん過激な行為を強制して続けさせれば、人々は心身ともに疲労困憊して思考能力を低下させ、やがてこちらの要求通りに動くようになる。 加害と被害、飽食と飢餓、婚姻と離婚といったように正反対のことを激しく 繰り返しながら行えば、より効果的だ」

「連日、家族会議を開かせ、何事も会議で決めさせる形を取ることが有効だ。 特に家族間で優劣を付け序列を作り、最下位の者を集中して虐待する。 序列は何かにつけて頻繁に入れ替えると、家族全員が常に緊張感に支配される。誰か他の者を最下位に落とさなければ、自分の身が危うくなるので、自分は権力者(美代子)に絶対服従の姿勢を貫き、下位の者は少しでも序列を上げるため権力者の歓心を買おうと媚びへつらい、家族を裏切ることも平気になる。そうなると家族は敵対関係に陥り、もはや結束して権力者に対抗する気力も知恵もなくなる」(P.127 


「本質的に親は子供を可愛いと思い、守らなければならないという決意を心に秘めているもんだ。だから、親の面前で子供を虐待・暴行すれば、親は子供を守るために 自ら権力者に対して反抗的な態度を取って、標的になろうとする。それを逆手にとって、子供を親に殴らせれば、その家族関係は瞬く間に崩壊するはずだ」


「権力者(美代子)を絶対的な頂点(教祖)とするカルト宗教的なコミュニティーを作り上げることが肝要だ。血縁とか婚姻関係などもともとの家族関係を解体し、新たなファミリーの一員となることを強いたり戸籍や名前を改変するショック療法が有効である」(P.128

[以上Mの言葉


家族の分断を図るため美代子がMから学んだ手法の一つに、徹底した差別化がある。・・・家族の中から一人だけ標的を定め、暴行や虐待など徹底的に攻撃する。他の家族はむしろ優遇し、少しでも抵抗したり虐待に手加減を加えれば、その人間を新たな標的とする仕組みだ。これを実行に移すと、家族同士が互いに牽制し合い、誰もが美代子の顔色を窺い、何とか気に入られようと積極的に協力したり密告したりするようになる、というわけだ。(p.224)


・・・美代子は川村に、「[妻の]裕美も浮気しとったんや」、[娘の]香愛には「裕美が悪口言うとったで」と出まかせを吹き込み、それぞれの怒りを増幅させ[家族を分断させた](p.226)


・・・今度は裕美に門前に集まった付近住民の前で放尿させたのである。(p.231)


「そんな甘いもんやないで。いろいろ差し障りがあるんで、詳しくは言えんが、男には顔が変形するほどぼこぼこに殴りつけ、抵抗する気持ちを失せさせるほど暴力への恐怖心を持たせる。女には若い娘はもちろん年配の女性にも、皆で執拗にレイプを繰り返して従順に言うことを聞かせるのが、あいつらの常套手段や。やくざそのもののやりかたや。谷本さん夫婦や娘たちの変わりようが、何よりの証拠やろう」

兵庫県警の捜査員はこっそりとそう打ち明けた。(p.161)


[類似する北九州連続殺人事件で]裁判における[加害協力者の]精神鑑定では「学習性無力感」(逃げようとして失敗し、拷問など罰を受けると、逃げるのは不可能と学習し、無抵抗になっていく心理状態)との指摘を受けた。(p.241)


[皆、相当に酷い目に遭った被害者の中でも]もっとも悲惨な目に遭ったとされるのは・・・谷本茉莉子であろう。 優しいが芯がしっかりしていて、決して自分の信念をまげなかった茉莉子は、美代子から目の敵にされ、ことあるごとに激しい暴力を受けた。

・・・美代子らに厳しく折檻され、皆の前で裸にされ、辱めを受けることもあったという。父親の協力を得て何度か逃走を図ったが、高松港のフェリーターミナルで乗船する寸前、あるいは市内の神社に隠れているところを追ってに発見され、連れ戻されていた。



・・・美代子のマンションから押収した数百枚の写真の中には、殴られて顔を腫れ上がらせた茉莉子が室内に裸で立たされているなどの虐待シーンが多数含まれていた。

後の捜査で、美代子が監視カメラを通じて茉莉子の衰弱していく様子を克明に把握し、ニヤニヤ笑いながら暴行や虐待の指示を出していたことが分かっている。(p.195)


[また一時期、逃亡に成功していたのに、運転免許更新のため]明石市の運転免許更新まで出向いた[とき、センターから美代子らに」連絡が入り美代子らが駆けつけた。なんと警察は、茉莉子を助けるどころか、結果的には美代子一派に協力までしていたのである。(p.193)


[被害者の一人が]打ち明ける。

「あの男[月岡靖憲]は、殴ったり蹴ったりする乱暴も凄まじいが、いったいどうやれば相手が泣き叫ぶか、どこをつつけば痛がって苦悶するかを十二分に研究し、事前に計画を立てて徹底的にやってくるんや。周囲の目にどう映ろうが、警察や弁護士に駆け込もうが、関係ない。」(p.86)


[被害者のなかには逃げ出したものいたが]なぜか皆、追跡されて簡単に捕まる。盛り場で見張られて発見されたり、クレジットカードを使ったことで居場所を突き止められたケースがほとんどだったが、これは警察や行政または金融機関にツテがあるか、暴力団組織を活用したとしか思えないほど迅速かつ執拗、そして正確だった」(別の親族)(p.109)


・・・谷本一家の惨状は、親族はもちろん、多くの隣人や友人、知人が知っていた。その中には当然、警察に通報した人々も大勢いた。知人の一人は言う。

「おそらく町中の人が谷本さん一家が酷い目にあっている姿を目撃していると言っていい。[しかし通報があっても、警察はほとんどすべて無視した。] いったい、警察は何をやっていたんだ(p.166)


[被害者の一人である親族は]猪俣家の母親の急死や長男の転落死、そして美代子自身がふと口を滑らせた「何かに怯え、実家での死を望んだ」美晴おばちゃんの"不審な死に様についても、自分が疑問に感じたすべてを告白し、警察に調べなおしてもらおうとしたのだ。

・・・この時に兵庫県警がきちんと捜査し、美代子を断罪していれば、後の尼崎連続殺人事件は起こらなかったわけである。(p.114)


美代子は、まじめでお人好しの久芳に的を絞り、[自殺するよう」説得に掛かったことが、後に逮捕された"美代子ファミリーの一人の供述で明らかになっている。

・・・「誰かが事故に見せかけて自殺を図り、その保険金で生活費を捻出する以外に皆が助かる道はない」と思い込ませるような雰囲気を醸成していった。(p.175)

・・・自殺教唆どころか強要、いや未必の故意の殺人と言っていいものであった。

それは次第に現実味を帯び始め、「自転車に乗って交差点に飛び出して車に轢かれろ」「事故を装うんや」といった具体的な指示に変わり・・・ためらう久芳に対し、美代子は「お前も男なら、意地を見せろや」と怒鳴りつけ、沖縄旅行に出発した後も、仲間たちと組んで飛行機やレンタカーなどあらゆるところで、まるでお題目のように「崖から飛び降りろ」といい続けたことが"美代子ファミリーの供述で分かっている。(p.176)


「時々、悪い夢でも見るのか、『オカン』がひどくうなされることがあって・・・」
[尼崎連続殺人鬼・角田美代子と]同じ房に収容され、打ち解けた関係になった女性が、そんな打ち明け話をする。
「そりゃ、あれだけ大勢の人間を死なせたんやから、直接手を下さんでも普通の人間なら悪夢にうなされて寝れんわ。」(ベテラン捜査員)(p.29) 



美代子は毎日のように、B5判やA4判のノートに日記を書いていた。その数は数十冊以上とされ、彼女が兵庫県警の留置場内で書いた分だけで56冊に上っていた・・・。最初のほうこそ、きれいな文字できちんと横ケイ線やマス目の中に収まるように書かれていたが、だんだん乱れてきて、最後は書き殴り状態になっていた。この文字の乱れが美代子の精神状態を如実に示し、最終盤には相当追い詰められていた様子が窺われる。そして、その最後のページには、こう記されていた。『私は警察に殺される』」。しかも、それ以降のページは何者かの手で乱暴に破り取られていたというのだ。


「(厳しい監視下にある拘置所での自殺は)誰かに自殺方法の指南を受けるなど十分に計画・準備をしたうえでなければできない話だろう。[美代子の死について]謀殺説が浮上するのも当然の状況だよ」とは警視庁の鑑識幹部。(p.31)



Tuesday, November 24, 2015

『法然のゆるし』 梅原猛 / 町田宗鳳

Umehara, Takeshi, and Sōhō Machida. Bukkyō Nyūmon Hōnen No "yurushi". Tōkyō: Shinchōsha, 2011. Print.

どれだけ高学歴で上品な格好をしている人であっても、みな深層意識には盲目的な衝動や、悪魔的な何かがあります。(p.79)

どんな世界でも・・マイノリティがある程度の広がりを持ったとき、大きな伝統的勢力から潰されるというのは世の常でしょう。現代に照らし合わせてみても、原発反対運動を行った人が圧力をかけられたり、民間療法団体が国の機関にその療法の効果を否定されるといったことが、現実に起きています。(p.80)

『超マインドコントロール2 ― 日本人だけが知らない! 日本と日本人の凄さ! 』 池田整治

Ikeda, S. (2012). Cho maindo kontororu: 2 (Nihonjin dake ga shiranai nihon to nihonjin no sugosa). Magajinhausu.

放射能汚染には外部被曝と内部被曝があります。子孫まで長期にわたる影響はその性質上、内部被曝が問題となります。ところが・・・日本では内部被曝はまったく問題にされてきませんでした。・・・実態が明らかになるとアメリカの国際法にもとる非人道性が明確になり、今後、核兵器は使用できなくなるし、莫大な金儲けのために原発を日本に設置することもできなくなるからです。アメリカの国益が損なわれるばかりか、同床異夢で甘い汁を吸っている利権グループが困りますから、なんとしても、フクシマでは「内部被曝が問題であること」を国民に気づかせたくないのです。そのため、政府(政治家と官僚)、東電、大手メディアが三位一体となり、戦時下の大本営発表のように「ひとだまし」の情報を流し続けています。(p.p.21-22)

[3・11フクシマによる]内部被爆が表面化するのは五~一〇年後に子供たちの白血病や癌が多発してからでしょう。・・・広島や長崎の原爆でも六~七年後に白血病などで亡くなる患者がピークを迎えています。もちろん、終戦直後7年間は米軍占領下で(日本の独立が認められたのは1952年です)、GHQによる完璧な報道統制政策「プレスコード」にコントロールされていましたから、「原爆に関する情報」は一切報道が禁止されていたのです。報道すれば、そのメディアは発禁処分になりました。(p.23)


『考えない練習』 小池龍之介

Koike, R. (2012). Kangaenai renshū. Tōkyō: Shōgakukan.

 池谷: たとえば2008年に、イタリアのある地方で米軍基地を拡大するという話があったんですが、当然、その時に反対意見や賛成意見がたくさん出たので住民投票をすることになったんですね。その時、心理学者が現地で実際に調べたら面白いことがわかった。
  住民投票の一週間前に、「あなたは基地拡大に賛成ですか、反対ですか」というアンケートをとりました。すると一週間前だから、まだ決めていないとか、わからないという人がいた。でも、その人たちを調べてみると、一週間後に反対票を入れるか賛成票を入れるかが、その時点でもう高い確率でわかってしまうんですよ。
 なぜわかるのか。いろいろ方法がありますが、最もわかりやすいのは自由連想の方法です。
 たとえば「水と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?」と聞く。
 
・・・しかし自由連想というのが、これまた不思議なもので、たとえば水と聞いて「聖徳太子」と言う人はあまりいないと思うんですよね(笑)。「自由」なはずだから水から聖徳太子に飛んでも良いはずなのに、実のところ全然自由ではなくて、飛躍できる着地点が決まってしまっているんです。
 
・・・それで、ある単語を聞いたらどう反射するかを調べていくと、その人の「思考癖」がわかってきます。実は、これが答えなんです。

・・・だから、一週間前のその人の反射のパターンを調べていくと、一週間後のその人の投票がわかる。「ほら、あなたは賛成にまわったでしょう」というのが、わかってしまうわけですね。
 面白いのは、投票した後に投票所の外でもう一回「あなたはなぜ賛成したのですか?」とアンケートをとるんです。すると、皆もっともらしいことを言うんですね。こういう理由だから賛成であると。でも、誰一人として「ただの反射です」と思っている人はいないんです。本当は反射なのに(笑)。
 ここで重要なことが、その反射パターンが何で決まってくるかというと、その人がどういう人生経験を積んできたか、どういう「来歴」かなんです。(p.p.238-240)

『他人を攻撃せずにはいられない人 』 片田珠美

Katada, T. (2013). Tanin o kōgeki sezu niwa irarenai hito. Tōkyō: PHP Kenkyūjo.


巧妙に罪悪感をかき立てる

この罪悪感は、さまざまな影響を及ぼすが、何よりも深刻なのは、自己主張を妨げ、自己懲罰を引き起こすことである。その結果、能力を充分に発揮できなくなることさえある。・・・当然、何をやってもうまくいかなくなるが、これは、攻撃欲の強い人にとっては思うつぼである。そっと忍び寄り、罪悪感を一層刺激しながら、劣等感をチクチクとつついて、支配しようとする。(p.99)
なぜ他責に走るのか。それは「すごい自分」という自己愛的メッセージと現実とのギャップを、自分では埋められないために、他人のせいにすることで万能感を維持しようとするからである。
 (p140)


羨望に突き動かされて
ターゲットを孤立させるのも、攻撃欲の強い人の常套手段である。
従事している仕事や活動をけなしたり、せっかく築いた人間関係にけちをつけたりして、徐々に他の人とのつながりを断ち切るように仕向けていく。・・・これは、ターゲットが他の人との交流によって考えを変えたり、支えてもらったりするようになるのを防ぐためである。そんなことになれば、影響力を行使しにくくなるので、シャットアウトするわけである。
 ・・・このように孤立させようとするのは、自分のあずかり知らぬところで、ターゲットが能力を発揮したり楽しみを見出したりすることに耐えられないからでもある。(p.p.121-122)

 攻撃欲の強い人は、自分の目的を達成するまでは、決して変わらない。・・・目的とは何か?破壊である。ターゲットを壊し、ターゲットがやっていることをむちゃくちゃにしようとする。

こういう人が態度を変えることがないわけではない。いつか?ターゲットが打ちのめされて、へこんだときだけである。(p.p.188-189)

 嘘つきの周囲にも、嘘を信じてうなずいたり、おもしろがったりする人がよくいる。こういう人が嘘つきを可能にする「イネイブラー[enabler]」の役割を果たしているからこそ、虚言癖はなかなか治らないのである。
 それと同じように、攻撃欲の強い人の周囲にも「イネブラー」が存在することが多い。たいていは、親切で優しく、他人の悪意を疑うことなどせず、傷けられてもできるだけ早く忘れて笑顔で接しようと思っているような人である。当然ターゲットにされやすい。…さんざん痛い目に遭わされているにもかかわらず、言い返さずに黙々と働いていればいつか相手の態度が変わるのではないかと淡い期待を抱いている人がいることである。
 そんなことはほとんどありえない。こちらが誠心誠意やっていれば向こうがそれに応えてくれるだろうなどというのは、甘ったるい幻想にすぎない。(p.p.164-165)



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Sunday, November 8, 2015

『マインドコントロールの拡張』 浜田至宇

Hamada, Y. (1995). Maindo kontorōru no kakuchō.

(一九八二年)アメリカ空軍が提出したバイオテクノロジーの報告書にもやはり電磁波兵器の可能性について書かれており、ELFが人に対する兵器として使える可能性があるとしていた。・・・「(この電磁波)システムは、さまざまな程度の生理学的な障害、知覚的な錯乱などを引き起こすことに使われる」ものdえ、この兵器体系は電磁波の性質から、「音が出ないので、対抗手段(カウンターメジャー)も困難」であろうと予測している。
(p.244)


神経生理学者であるマイケル・パーシンガー(Michael Persinger)・・の考えでは、人間の攻撃性をなくすには、吐き気をその人間に催させるのが最も効果的だとし、これを電磁波を使って・・実験が行われ、肯定的な結果が得られたという。(p.244)

カリフォルニア、ロサンゼルスのバイオメディカル研究所のロバート・ベックはELFのある特定の周波数が人間に特殊な影響を与えることを発見した。その周波数とは六・六七ヘルツ、六・六二ヘルツで、これに照射されたに人間には、混乱、不安、恐怖、不眠症などその心身に悪い影響が現れるという。

さらに別の周波数を[カリフォルニア州のテクニック研究所のエリザベス・ラウシャーは「マリファナ周波数」と呼び、それを照射することによってあらゆる人を楽しく笑わせることができると主張している。
(p.245)

 

『とても基本的な学習心理学』 山崎浩一

Yamazaki, K. (2013). Totemo kihonteki na gakushu shinrigaku (Basic Companion to Psychology of Learning ). Ofu.


5-2. 4   Imagination Inflation

ゴフとローディガー(Goff & Roediger, 1998) は実際は自分が行っていないはずの行為であっても、その行為を行っている姿をイメージさせることで、自分が行ったとして思い出すことを示した。行為について虚記憶が生起することをしめしたものである。(p.121)


7-1. 1  The principle and effect of Priming

あなたは今日・・・美容院に行った後、“かみ”と発音される単語を耳にしたとする。このとき、多くの人は“かみ”と聞いて“髪”を連想するだろう。一方で“紙”や“神”を連想する人はそれほど多くな[い]。 ・・・もし、これが特定の事象(例:“かみ”と聞く)がどのように認知されるかは、それを取り巻く状況などの文脈の影響を受ける。プライミング効果とは、こうした文脈的な影響のことを指す。
(p. 159)


 

鈴木邦男, 北芝健『右翼の掟 公安警察の真実』




転び公妨


嫌がらせに近い張り込みの実態

鈴木 「僕は二十四時間、何週間も、側でピッタリと張り付かれて監視されたことがある。・・・そういうふうに張り付いている公安捜査官ってのは、どういう気持ちなの?…」
北芝 「…これはもう淡々と、言われるままにやっていますね。いまさら鈴木さんに対して、何かを解明しようと思ってないはずですよ。…相手のことなんか関係ない、このローテーションの勤務が終われば、帰って、パチンコやって、ガキの顔を見てどうのこうのと、そんなことばかり考えているやつもいるはずです。分かりやすく言えば、給料のためです。」
鈴木 「じゃあ、僕に付いてみる?」
(p.217)


  アパートの隣の人からは、「鈴木さん、変な人がついてきてますよ。警察に言ったほうがいいんじゃないですか」と教えられたこともある。そのついてくる奴が警察だよとは言えない。あまりに露骨で、この野郎と思って、手を出したら、[あるいは手を出さなくても"転び公妨”演技などで]公務執行妨害、暴行で[何も違法行為をしていない自分を]捕まえたはず。
  …おかげで、発狂しそうだったし、ぶち込まれたほうがまだ楽だとさえ思えた。
(p.98-99)


公安の耳作業、目作業、ゴミ作業

 監視対象者が愛人とのセックスを終えて[ラブホテルの部屋を]退室した。受付の奥に潜んでいた我々[公安捜査官]は速やかに使用された部屋に行く。毛髪、陰毛、コンドームに残された精液。トイレに便が残っていれば、それも採取して鑑識に回す。それから血液型だけでなく、DNAデータが判明する。どのくらいの頻度で性行為をしているのか、持病の有無までもが分かる。行為後にティッシュを使えば、相手の女性のデータまでもが採れる。ラブホテルは決定的な情報の宝庫でもある
(p.156-157)


こうした一連の作業を表す言葉で面白い言葉がゴミ作業。文字どおり[市民が出した]ゴミを[公安が]漁って、その中から情報を得る作業だ。…毛髪や唾液からはもちろんDNA、食品パッケージからは食物嗜好だ。この男は栄養が偏っている、肉ばかり食っているなどが分かれば病歴や将来的な健康状態なども予測できるわけだ。
(p.153)

『財務省のマインドコントロール』 江田 憲司

「裏部隊」とは[例えば行政改革をつぶしたりするための組織のことで]、その役所の将来を背負って立つような超エリートで構成され、「裏部隊工作員」たちは、時の総理はもちろん、主要な政治家や各界のオピニオンリーダーと言われる人たちに張り付きます[つまり集団ストーカーをやる]。そして相手の経歴を調べ上げ、必要ならば親類縁者や係累まで洗い出し、[たとえば行革つぶしが狙いである場合]「財政と金融を分離するととんでもないことが起こりますよ」というように、”ご説明”や用意周到な根回しを行うのです。
(p.129)

江田憲司「原発村と自民党の陰謀」すべて、すっぱ抜く!

苫米地英人『脳と心の洗い方』

Tomabechi, H. (2006). Nō to kokoro no araikata =: Selfwash your brain : Dr. tomabechi no jinsei o kaeru. Tōkyō: Foresuto Shuppan.

昭和二〇年(一九四五年)九月十七日付の朝日新聞には、占領軍トップのマッカーサー元帥の言葉として以下のような引用がされています。
「連合国が如何なる点においても日本国と連合国を平等であるとは見なさないことを明快に理解するやう希望している。日本は文明諸国家間に位置を占める権利を容認されていない、敗北せる敵である。・・・交渉というものは存在しない。・・・最高司令官は日本政府に対して命令する。しかし交渉するのではない。交渉は対等のものの間に行はれるのである。しかして、日本人は彼等が既に世界の尊敬や或は最高司令官の命令に関して折衝することが出来る地位を獲得したとは信じさせてはならない。。。日本国民に配布されるすべてのものは今後一層厳重な検閲を受けるやうになるであらう。。。」 (朝日新聞昭和二〇年九月十七日付)

これが、当時のGHQの占領政策による情報遮断プログラムでした。・・・特に注目すべきは、検閲制度そのものの存在について、出版、映画、新聞、雑誌等が間接的にも言及してはならいとなっていることで・・・前代未聞の情報遮断プログラムであった・・・。

また、[戦後来日した]催眠・洗脳の権威であるスタンフォード大学のヒルガード教授もかかわった可能性があると推測される、「War Guilt Information Program, WPGIP」(戦争罪悪感情動プログラム)という[悪の日本人が戦争を起こしたので正義のアメリカ人が征伐したと考えるよう洗脳する]プログラムもありました。(p.186-187)


Sunday, November 1, 2015

『マインドコントロールX - 国防の真実』 池田整治

Ikeda, S. (2012). Maindo kontororu X: Kokubo no shinjitsu. Bijinesusha.

ある先進国の情報機関が、「日本はテロリストグループが国政を握っている」と評していたが、いままさにそれが真実であったことが見えた・・・。(p.201)

世界の真実を見るポイントとして、その人がどの「グループ」に入っていて、さらに「お金」が最終的にどこに集まるのかを見ること・・・
すなわち
1. 決して表に出ることなく、世界を裏から動かしている真の支配者グループ
2. 真の支配者グループから直接指示を受け、表の世界で実際に働く権力者グループ
3. 真の支配者を知らず、表の権力者のために働く(または働かされる)グループ
4. 上記の構造などいっさい知らない普通の人々(いわゆる働き蜂・世論を形成)
5. 上記の構造を熟知した上で意識向上し、世界をよくするために活動する人たち(有意の人)(p.97)


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広島・長崎の原爆では[米国の統制により]外部被爆患者しかカウントされなかった。・・・実際には内部被爆死亡者は、100万人を越えると見積もられている。それらの死亡患者の臓器ごとの被爆線量などを含んだ状況証拠も、治療した医師のカルテも、京大医学部の貴重な現地研究資料なども、すべて米国が死体とともに・・・米国本土に持ち去ったのである。だから、内部被爆の実態を伝える資料が日本では跡形もなく消し去られた。また「(占領)軍の機密事項」として触れてもならなかった。違反すれば治安機関[=特高の後身である公安警察]の厳しい取り締まりもあった。(p.63)

・・・「トモダチ作戦」の米陸軍がフクシマから80キロ、海軍が180キロ圏内に入らなかった理由が明確となる。真実がわかっているものに、内部被爆を強制することは、命じたものが「殺人罪」に問われかねないからである。(p.65)

総じて内部被爆は外部被爆の600倍から900倍の影響があると言われている。
とはいえ・・・GOPを自然生薬として日本政府が認可していれば、治癒しうるという「真実」をしっかり認識してほしい。また、放射能を体外に排出する微生物活用のキレート剤も民間レベルでは存在する。(p.66)

[原発のある]泊出身の素敵な女性が東京で素晴らしい男性とめぐり逢い婚約。人生の幸せの最高潮のとき、未来の旦那様のご両親からある日呼び出された。そして、「婚約を解消してほしい・・・」との突然の申し入れ。ビックリして、なぜ?と聞くと、「貴女は素晴らしい女性だけど、私たちは哀しい孫を見たくない・・・」。つまりご両親は、放射能で遺伝子が傷つき、奇形児が生まれることを心配したのである。(p.193)

[原発の住民説明会が行われている泊でも]上記の婚約破棄の悲話が村に届いていた。現代では、真実は女性の口コミ情報で迅速に流れ広まる。このため、このとき会合には後ろに村の女子中学生・高校生が呼ばれるともなく集まっていた。
 その子どもたちが説明会終了後、「お父さん、お母さん、なんでこんなモノ、村につくったの!」「私たち幸せな結婚できるの?子ども生めるの!」と口々に叫んだ。この子どもたちの魂からの叫びに、大人は誰も答えることができなかったという・・・。(p.202)

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貴族A 「…米軍占領以降の『日本人総痴呆化』作戦もきわめて順調だった。 日本人がメディア洗脳にあれだけ脆弱だったとは予想外でした。」
貴族B 「民族の集合意識が、民族の現実をつくる…宇宙の摂理ですな」
長老  「いずれにせよ、日本のどこに地震が起きてもいずれかの原発が暴発するようにずっと配置してきたからな」
貴族C 「沖縄に緊急避難したポダム[*
日本人CIA工作員] から、彼ら全員の救出要請がきております」

長老 「馬鹿な奴らだ。祖国を裏切って我々の手先となり、自らの国を滅ぼし、本当に我々の仲間入りができるとまだ信じている。ピエロの役割は終わった。穢わらしい!速やかに全員抹殺せよ!!」 (p.198)

Saturday, June 27, 2015

苫米地英人『洗脳支配』

 ー 日本人に富を貢がせるマインドコントロールのすべて
Tomabechi, H. (2008). Sennō shihai: Nihonjin ni tomi o mitsugaseru maindo kontorōru no subete. Tōkyō: Bijinesusha.


アメリカを代表する洗脳の専門家に、アーネスト・ヒルガード Ernest Ropiequet Hilgard(1904-2001)という人物がいます。催眠学者で、スタンフォード大学教授、旧米軍と関係があったことはあまり公にされていませんが、大変著名な人物です。・・・

ヒルガード教授が没した2001年に、スタンフォード大学 Stanford University が彼の追悼文を発表しました。それをたまたま読んだ私は、驚いてしまいました。そこには、ヒルガード教授の功績の1つとして、「戦後日本の教育の非軍事化の為」にGHQ(連合国最高司令官総司令部)に呼ばれて来日したと書いてあったからです。


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警察庁では、「Aがダメだといっている」の一言で[事件の捜査は中止され]捜査本部が一瞬で消える…「A」というのは、アメリカ大使館のことを指す、警察庁の隠語です。(p.95)

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 パノプティコンとは、監獄を見張る一望監視システムのことです。…塔の上から見ているから看守の権力が発生するのではなく、看守がいつ見ているかわからない。いつも見張っていないにしても、もしかしたら見られているかもしれない。囚人はそれが怖くて一生囚人として行動するというわけです。…インターネットや電話など、世界のすべての通信を監視するとされるエシュロンについてもおなじことがいえます。(p.213-214)

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 人間は[動物と等しい原始的欲求]を超える能力をもっている存在です。その能力が、抽象的な思考ができるということなのです。つまり…「自分の事はいいから、隣の人を助けて[あげてよ]」と[いう]思考こそが、私たちが人間であることの本来の証ですが、支配者たちにとっては、これをやられると、困るのです。…人間のコントロールが効かかなくなるからです。支配者たちが人間をコントロールするためには、自分のことだけを考える人間の集まりであればあるほど都合がいいのです。…与えられた価値を疑わずに忠実に動いてくれれば動いてくれるほどいいわけです[から]、そのための教育をくり返す。(p.187)

Watters,『クレイジー・ライク・アメリカ』

Watters, E. (2011). Crazy like us. London: Robinson.
                                   Book TV: Ethan Watters, "Crazy Like Us"
 
一九九〇年代に日本市場に注目していた欧米のSSRIメーカーは、近い将来に日本でうつ病が流行する論拠として、高い自殺率を引き合いに出すのが常だった。

・・・プラセボを飲んだ一〇代よりも、パキシルを飲んだほうで[入院や自殺企図などが]二倍以上高い傾向にあり、さらにパキシルを飲んだ患者のほうが、神経系に重度でしかも往々にして正常な機能を損なわせる問題が生じる傾向が四倍も高かった。にもかかわらず、出版用に提出された論文の第一稿は、深刻な副作用について触れていなかった。

・・・SSRI[パキシルに代表される抗うつ薬]に関して最も影響力のある研究論文の多くが、著名な研究者が書いたように見せかけて、実際は製薬会社の雇った民間会社のゴーストライターの手によるものであることが発覚のちに、多くの研究者が何十万ドルもの(時には何百万ドルもの)顧問料や講演料を受けとる代わりに、効果検証したように装って、否定的なデータを隠したり、捏造したりしていることも知られるところとなっ