Friday, January 21, 2011

『マインド・コンロトールの拡張』 浜田至宇



[ 言葉の送受信 ]

無線の歴史でもそうだが、モールス信号による通信の
次にはアナログによる言葉の通信が始まる。
マイクロ波の聴覚効果の応用もこれと同じ発展の道をたどる。
この実験は先に紹介したパンドラ計画に参加した
ウォルター・リード陸軍研究所のジョゼフ・シャープと
マーク・グローブによって行われている。ガイの
モールス信号の実験 () と同じ1973年のことだ。
(※アーサー ガイによる実験=何の受信器も使用せずに、
頭部へのマイクロ波照射によりモールス信号を聞き取る実験)
彼らは一音節の簡単な英単語のいくつかを選び、
その音の振動をアナログ録音して、波の形に合わせて
パルス波を送信するという実験を行った。
そして、彼ら自身が被検体となり、このように変調された
マイクロ波を自分たちの頭にむけて照射した。
実験は成功だった。彼らは英単語を頭の中で聴く事ができた。
 残念なことに彼らの研究は
論文が公表されていないので詳しいことがわかっていない。
我々が知ることができるのは他の研究者とも
私信によって明らかにされた内容だけで、
細かい研究内容はまだ秘密のようだ。彼らの研究は
パンドラ計画の一環として行われ、その内容は
同プロジェクトの多くの研究と同様に公開されていない。
その僅かにわかっている情報によれば、
頭の中に聞こえる声は「人口咽頭」で話す声に似たもの
だったという。また彼らの実験は一音節の簡単な単語の実験で
終わってしまい。より複雑な単語や文章などの
送信のための実験は、照射される電磁波が安全基準である
10ミリワット/平方センチメートルを超えてしまう
という危険があったので実施されることがなかったという。
声の送信はその後どのように進んでいったのだろうか。
残念ながらその情報は見つけだすことができなかった。
しかし、秘密研究によりさらに進んだ応用が可能
となっているであろうことが十分に考えられるのではないか。
「声」を聴くというマインド・コントロールの犠牲者
と呼ばれる人たちの主張の根拠がここに隠されているのかもしれない。

(p.212-)

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