Sato, E. (2009). Chiji massatsu: Tsukurareta fukushimaken oshoku jiken. Heibonsha.
われわれの国への不信は、まさに臨界点まで来た。経済産業省の中に、プルサーマルを推進する資源エネルギー庁と、安全を司る原子力安全・保安院が同居している。これまでわれわれは国に対し、“警官と泥棒が一緒になっている”ような、こうした体質を変えてくれと言い続けてきた。(p.86)
東電側から接触したいという意向は公式非公式に示されていたが、私は、あくまでも筋を通すために、それらを完全にシャットアウトした。
「・・それまで金の力で地方政治に強力な力を発揮してきた東電は、“メンツ丸つぶれ”だと感じた・・東電には、”佐藤栄佐久憎し”という感情が間違いなく渦巻いていました」(p.114)
私が逮捕される前後から、後援会幹部たちが連日東京地検に呼ばれていた・・・何でもいいから、私についての不利な証言を引き出したかったようだ・・・
東京地検に出頭すると、
「知事の悪口をひとつでいいから言ってくれ」
「15分以内に言え」
「想像でいいから言え」
「会社をつぶされたくなかったら言え」
・・・あまりのストレスに平衡感覚さえ失ってしまう支持者が何人も出たと聞いた・・・
杉山浩二君が自殺を図ったのは二度目の特捜部の聴取がある朝だった。そのことを山上検事から持ち出されたことは、私にとってひどく答えた。
賄賂は受け取っていない。法的にやましいことは何もない。しかし、道義的責任はある。(p.p.199-200)
私にとって支持者は命そのものだ。私が自白すれば、東京地検に呼び出されて怒鳴り上げられる支持者を救うことができる。山上検事にもそのようなことを耳打ちされて事実無根の自白をした私だったが、それはあまりにも無防備に過ぎた。
(p.p.240-241)
[弟の]裕二が一番こたえたのが、森本検事のこれらの言葉だったようだ。
「息子たちも証拠隠滅で逮捕する。福島県内ずたずたにしてやる」
「知事の支援者もやられるぞ。絞り上げるぞ」
・・[九月八日]森本検事はこんなことを言っている。
「知事は日本にとってよろしくない。いずれは抹殺する」(p.p.303-304)
2 comments:
佐藤元知事は2006年10月、収賄容疑で東京地検特捜部に逮捕された。5年に及ぶ裁判闘争の結果、2012年に有罪判決が確定した。しかし、判決文の中で収賄額は「ゼロ」と認定された。つまり、一円も受け取っていないのに「有罪」となったのである。
この不条理な判決に、原子力ムラの意を汲んだ国の強い意思がある。「福島のトゲを抜け」それが国の意思だった。佐藤元知事の冤罪事件の深層を探れば、福島第一原発事故の真相が見えてくる。
Amazon.com『日本劣化の正体 ~抹殺知事が最後の告発で明かす』内容紹介
Summary of the article above, "Anihilating A Governor"
Former Governor of Fukushima, Eisaku Sato, and his brother were set up and falsely arrested by corrupt prosecutors such as Morimoto and Yamagami in 2006. Due to their torturing interrogation and illegal coercion, one of the Sato's supporters committed suicide.
Sato and his brother were totally innocent but they got false charge intentionally because Sato was criticizing the central government's malpractice concerning the safety of the nuclear plants in Fukushima. During the false investigation, the corrupt prosecutor, Morimoto, said to Sato's brother: "Governor Sato is harmful to Japan. I will anihilate him."
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