(2009年7月発行)
※「」内引用
「当時いっしょに受講したのは40名。うち日共・民生同担当が
私を含めて十名、極左担当が十三名、共産党が警察内部に
送り込んだスパイを摘する対○班が6名、残り十二名は
どういう任務であったのか、今もってわからない。
みな二十代後半から三十代後半の屈強な男たちであった。
講師たちは、ほとんどが熟年の働き盛りという印象だった。
彼らは技術的にも卓越したものを持っていたと思う。
とくに写真撮影や録音・盗聴技術の講師たちは、
どう見ても普通の警察官ではなかった。あくまで憶測だが、
たとえば電電公社(現NTT)出身の技術者などを講師として
招いていたのではないかと思えないでもない。
ここで私たちは、特殊作業(写真撮影、速写、接写)の技術、
電気録音(盗聴)の技術などを、一切を教えられた。」
(p.38, 1行目~10行目)
「このように公安警察は、内部の人間にとってもなかなか秘密
めいている。警察の中でも別社会なのだ。どんなに特殊な世界か、
一般市民にはなかなかイメージができないのではないだろうか。
デモの警備などに出てくるのは、いわば『表の公安』にすぎない。
スパイ獲得に奔走する『裏の公安』たち、『桜』たちの素顔は、
内部にあっても謎のベールに包まれているのである。
われわれ『裏の公安』は、面が割れては仕事にならない。
『桜』たちは警察署に出署することもなく、特別な拠点を設けて
任務に精を出す。一般の警官とは生息地が違うのである。」
(p.39,1行目~8行目)
「・・当時の事務所がトタンぶきであることを知ると、深夜
トタン屋根をはがして忍び込み、資料を収集したこともある。
(中略)それ以外にも、登録を抹消されたナンバーを車に
取り付け(中略)・・郵便ポストから共産党関係の手紙を
粘着剤で吊りあげたり・・」
(p.101, 11行目から15行目)
「退職して、私ははっきりと悟った。自分が警察時代に
果たしていた任務は、人間から人間らしい気持ちを奪い、
犯罪者を作ることであった 、と。公安警察は
ペテン師集団、偽善者集団であった。」
(p.210, 12行目から14行目)
1 comment:
この記事は集団ストーカー被害を綴った人気ブログ「D氏への手紙」の筆者さんから寄せられたものです。大変遅くなりましたがご協力に感謝し、ここにお礼申しあげます。
【お知らせ】
ご覧のとおり当資料集『新しいタイプの人権侵害と暴力』は読者参加型ブログです。多くの人が共有すべき書籍や報道内容がありましたら読者の皆様もその抜粋を奮ってご紹介ください。この小さな努力の積み重ねが、より多くの人びとがその本を読むきっかけとなり、混沌としたこの世界の人類にとって光明となると確信いたします。
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