Database blog on new types of human rights violations and covert crimes
Thursday, July 3, 2025
吉田敏浩『追跡!謎の日米合同委員会』
Saturday, June 28, 2025
有馬哲夫 『一次資料で正す現代史のフェイク』
(p.p.40-41)
一方、アメリカ諜報機関とりわけ戦略情報機関(OSS)スイス支局などが、天皇制存置さえ認めれば、ソ連の仲介なしでも、日本が降伏することを[ルーズヴェルトの無条件降伏原則を引き継いだ]トルーマンに報告していた。
これを踏まえて、五月二八日、国務長官ジョセフ・グルーは、天皇制を含め日本人に彼らの自由意志によって政体を選ぶ権利を認める降伏勧告を日本に対して出すよう求めた。
(p.p.42-43)
…[トルーマンは〕四五年四月二四日に[陸軍長官〕スティムソンから原爆が八月頃完成予定だと報告を受けていた。これによってトルーマンは日本本土上陸作戦を回避するために条件付降伏を日本に認めることで早期和平を図るよう求めてくるアメリカ軍関係者のプレッシャーに耐えることができた。…さらに、ポーランド問題でソ連と決裂していたので、ソ連にこれ以上協定違反をしないよう警告するためにも原爆を使用したいと願っていた。
天皇制存置条件付降伏支持者のスティムソンさえ、原爆の使用には積極的だった。およそ十九億五〇〇〇万ドルの巨額の予算を使って開発しただけに、使用しなければ開発責任者として責任を問われると思ったのだった。こうして、ポツダム宣言から、天皇制存置条項が削除された。これを残せば、日本は宣言が出るやいなや降伏してしまい、原爆を使用する機会が失われるからだ。
(p.p.44-45)
Friday, June 20, 2025
中西董『米英軍占領下の名古屋』
森良雄『日本刀受難記』
東京: 創栄出版 星雲社(発売); 1998.
占領軍の本土進駐以来、占領軍兵士による暴行略奪が各地で多発しました。九月七日の朝日新聞によれば、神奈川県下では米兵が横須賀に上陸した八月三十日から九月五日までのわずか七日間に、九百八十六件の事件が発生したことを日別・種類別に分けて伝えています。参考までに強盗まがいの事案について見てみますと、
…物品強奪 百四十三件
自動車強奪 百二十八件…
警官からの帯剣強奪 四十一件
金銭強奪 三十七件
となっていて、占領軍司令部に事故防止を申し入れたところM・P(憲兵)を要所要所に配置して秩序維持を強化してくれた、と報じています。(p.p.113-114)
しかし、地方では、東京地区同様に保護指令が出されたはずですが、これが守られず、旧家や社寺の宝物とされていた刀剣類が占領軍兵士によって略奪されるという事件が発生しています。(p.116)
…日本近代郷土史研究所理事長の中西董氏には「米軍占領下の名古屋」と題した著書があります。…同所の第10章「戦利品や賠償物資の海外代流出」には刀剣接収時の模様が生々しく描かれています…。
米軍は名古屋進駐三日目にして…「資産階級の家庭には通訳を同伴してジープで直接乗り付けて家宅捜査を実施した…相次ぐ空襲で焼き出されて裸同然になり、ほとんど何も残っていなかった」名古屋を離れて、「戦災の被害が少なかった地方都市に目をつけ、関、大垣、米原、津、宇治山田、岐阜、高山、各務原、瀬戸方面まで足を伸ばして戦利品の宝探しを始め…先祖代々から伝わる…刀剣類を…一枚の受領証も交付せずに持ち去られてしまった。
…(米軍の)特捜隊は、戦時中に熱田神宮本殿の裏側に極秘で構築された堅牢な地下室の宝物収蔵庫を厳重に立入り捜査した。そして奉納されていた軍刀のすべてを没収した。その数は約百五十本余りもあり、米軍トラックに積み込まれ」さらに「ご神体である草薙剣をはじめ、その他の由緒ある古代刀なども武装解除の対象物件として強引に接収しようとした」…。
日本側は通訳(中西氏の父君)を介して日本の歴史や伝統を引用しつつ、草薙の剣は「日本人の文化と伝統のシンボルとなっている貴重な最高の歴史的文化遺産」であることを説明し、「もし米軍が三種の神器の一つである草薙剣を没収すれば、日本国民はもう黙ってはいない。恐らく日本各地でゲリラ戦や大暴動が発生し、再び日米双方でおびただしい数の死傷者が出る事は確実である」と主張します。結局神社側は「奉納された刀剣類の中から、金色の装飾がほどこされた大型の太刀を適当に選んで草薙剣のレプリカと偽って、唐織りで作られた豪華な雲龍模様の太刀袋に入れて米軍に提出」します。ところが、これを見た米軍兵士たちはますます本物を欲しがって「地下室まで入り込んで徹底的に捜査を実施した。その結果、むしろに包んで隠してあった年代物の刀剣類を見つけて、その中から宮司や通訳らが制止するのも聞き入れず、刀の柄や鞘の装飾が華麗に施された外人好みのする太刀ばかり、数本を選んで大量の軍刀と共に持ち去ってしまった。」
(p.p.116-118)
略奪であったにせよ、神宮の任意提出であったにせよ、神宮保有の刀剣が戦前に比べて激減していることは確かです。(p.119)
Thursday, June 12, 2025
木元寛明『気象と戦術』
Kimoto, H. (2019). 気象と戦術 : 天候は勝敗を左右し、歴史を変える. SBクリエイティブ.
気象という名の「兵器」
吉田敏浩 『横田空域』
根本的な相違点として沖縄県の「他国地位協定調査中間報告書」があげるのは、ドイツもイタリアも、「自国の法律や規制を米軍にも適用させることで自国の主権を確立させ、米軍の活動をコントロールしている」点である。
…「横田空域」と「岩国空域」での航空管制を日本政府は米軍に「事実上、委任」している。国内法である航空法には、外国軍隊に航空管制を委任できる規定はない。…密約が国内法を超越していることになる。
Sunday, January 19, 2025
吉田敏浩 『「日米合同委員会」の研究』
Yoshida, T. (2016). 「日米合同委員会」の研究 : 謎の権力構造の正体に迫る (Dai 1-han). 創元社.
たとえば「横田空域」という、首都圏を中心に一都九県の上空をすっぽりとおおう広大な空域があります。そこは日本の領空なのに、日本の飛行機が自由に飛べず、米軍が戦闘機の訓練飛行や輸送機の発着など独占的に使用しています。
…つまり事実上、日本の空の主権が米軍によって奪われている。しかもそのことに国内法上の根拠がない。日米地位協定にも法的根拠が明記されていない。そのような独立国としてあるまじき状態が、独立回復後、六〇年以上も続いているのです。(p.p.1-2)
これらの密約は米軍関係者を特別扱いする甘い事件処理を生みだし、米軍関係者の犯罪の起訴率がきわめて低いという現実をもたらしています。そして、この程度なら罪に問われることはないという意識を米軍関係者の間にはびこらせ、後を絶たない米兵犯罪の温床になっているのです。(p.p.2-3)
こうした日米合同委員会の合意文書や議事録はすべて原則として非公開です。国民の代表である国会議員に対しても秘密にされ、主権者である国民・市民の目からも隠されています。ごく限られた高級官僚たちが在日米軍高官らと密室で取り決めた秘密の合意(密約)が、日本の国内法(憲法体系)を侵食し、日本の主権を侵害しているのです。合意がいったいいくつあるのかさえわかりません。日米合同委員会の文書・記録として処理すれば、すべては闇の中に封印できる仕掛けになっているのです。
…日米合同委員会では、協議といってもアメリカ側の米軍人が強硬に主張したことは、日本側の官僚たちによって、ほぼすべて受け入れられているのが実態…米軍上層部から見れば、日米合同委員会は日本における米軍の特権を維持するためのリモコン装置のようなものといっていいでしょう。(p.4)
Thursday, November 14, 2024
佐渡龍己 『テロリズムとは何か』
佐渡, 龍己, & Sado, R. (2000). テロリズムとは何か. 文藝春秋.
正規戦とテロリズムの違い
テロリズムは自己の力が弱いため、交戦という物質的強力行為ではなく、恐怖という精神的強力行為を手段として、直接、政策決定者あるいは他の強力な力(民衆、第三国、国際世論)を利用して、自分たちの意志を強要することを目的とする。(p.87)
Tuesday, October 15, 2024
佐渡龍己 『対テロリズム戦略』
佐渡, 龍己, & Sado, R. (2005). 対テロリズム戦略 : バグダッドでの実戦体験. かや書房.
テロリストが攻撃しようとするのは、銃、砲、戦車などの物質ではなく、人の心である。テロリストは、人々に恐怖を与えることにより、社会の秩序を破壊し、事態の鍵を握る人物の心に直接あるいは間接的に影響を与えようとする。このための手段は、必ずしも物理的暴力を使用する必要はなく、精神的暴力を手段とする。(p.40)
テロリズムの分析基本モデル
①テロリズムの基本モデル1
A(いわゆるテロリスト)が、ある事項に非常な恐怖感を抱く。その原因となるB(為政者)を脅す。Bは追い払われるか、またはその事項をやめる。この方式に相当するテロリズムが、フランス革命のテロリズムである。…
②テロリズムの基本モデル2
Aが、ある事項に非常な恐怖感を抱く。その原因となっているのはBであるがBを直接的に脅すのではなく、C(民衆)を脅し(恐怖を与える)その民衆をしてBにその事項をやめさせる。
テロリズムの分析応用モデル
①応用モデル2-2
基本モデル2のC(民衆)の要素に換えて、国際世論に働きかけるテロリズムがある。
②応用モデル2-3
Cの民衆の要素に換えて、第三国に置き換えた場合が、パレスチナ解放人民戦線(PFLP)およびトゥバクアマル革命(MRTA)のテロリズムである。この場合攻撃目標は第三国の市民となる。期待する効果は第三国の圧力である。…第三国の外国人を人質にして、第三国の圧力で敵に対して彼らの要求を強要している。
③応用モデル3
AがBを攻撃し、Bに過剰な報復をさせる。さらに支配者側が理性を失い、民衆を殺害させるように工作する。この双方の結果を大きく世界へ宣伝し国際世論へ訴える。国際世論に訴えてその国際世論の圧力でBである政府あるいは支配者を追い払うあるいはある政策をやめさせる。(p.p.44-49)
今回の米中枢同時テロにおいて、果たして米国は一方的な被害者であろうか、と問い直してみる必要がある。正義は米国側にあり、米国にはまったく罪はないのであろうか。すべての悪はテロリスト側にあるのであろうか。
…具体的には次の四つの事項がイスラムの人々を苦しめてきた。一つは米国のイスラエル支援である。この結果、イスラエルとパレスチナとの戦争および紛争によって多くのパレスチナ人が家を追われ、殺害された。二つめは、米軍の聖地サウジアラビア駐留である。三つめは湾岸戦争におけるイラク市民の殺害、四つめは米国側に都合の良いように他国政権を操作する米国の政策である。・・・米国は直接的には意図しなかったが、結果的にはイスラエルの人々を苦しめ、間接的に殺害した。すなわち最初に殺人を犯していたのは米国となる。これに対してイスラム過激派テロリストは米国に対して復讐を企てた。その実行が米中枢同時テロである。
…この視点に立つと、米国は、まったくの被害者ではなく加害者でもある、という見方が成り立つ。・・・他方、一般的にいわれるイスラム過激派テロリストが完全なる犯罪者であるという批判は必ずしも当を得ているとはいえない。これは一種の仇討ちという見方が成り立つ。(p.p.176-177)
佐渡龍己『対テロリズム戦略』
Thursday, September 5, 2024
Tennessee lawmakers give final approval to 'chemtrails' bill
Wednesday, September 4, 2024
伊藤祐靖 『自衛隊失格』
Itō Sukeyasu, & Itō, S. (2021). 自衛隊失格 : 私が「特殊部隊」を去った理由. 新潮社.
拉致船との遭遇
確認すると「第二大和丸」と書いてあり、早朝にP3Cから[偽装工作船であるとの〕連絡が来た船名だった。そして完全に回り込み、漁船の真後ろについて船尾を見ると、漁船の船尾に縦の線が入っていた。
それは船尾が観音開きで開く構造になっていることを示している。そこから小舟(工作船)を出せるということである。
これこそが日本人を拉致し、北朝鮮に連れ去っていった「拉致船」なのだ。
…海上保安庁と連絡がつき、新潟から高速巡視船が追ってくることになった。それまでの間は写真撮影をしたり、船体の特徴を報告したりしつつ、工作母船の位置情報も送っていた。
(p.203)
帰投する巡視船
日没直前の18時頃になってようやく、巡視船が追いついてきた。 相手は拉致船、北朝鮮の高度な軍事訓練を受けた工作員が多数乗っている。密輸や密漁をしている船とはレベルの違う抵抗をすることは目に見えているのに、いつも通りに海上保安官たちは飛び移ろうとしていた。そしてまさに飛び移ろうとした瞬間、それまで12ノット(時速20キロ)程度の航行だった工作母船は大量の黒煙を吹き出しながら増速し、最終的には34ノット(時速60キロ)まで上げた。
…「みょうこう」にとっては、まだ余裕のあるスピードだったが、巡視船の方は工作母船に少しずつ離されていった。しばらくすると、巡視船から無線連絡が入った。
「護衛艦みょうこう、こちらは巡視船○○○。ただ今から威嚇射撃を行います」
すると、「パラパラパラ」と、上空に向かって小さな口径の弾をばらまく射撃が行われた。
これは試射で、今から本射が始まり、工作母船の船体付近に威嚇射撃を開始するのだと私は思っていた。だが、いつまで経っても本射は開始されず、巡視船は再び「みょうこう」を無線で呼び出してきた。
「護衛艦みょうこう、こちらは巡視船○○○です。威嚇射撃終了」
えっ、あの上に向かって撃ったのが威嚇射撃? 『天才バカボン』のおまわりさんじゃあるまいし、あれが威嚇のつもりだったのか? さらに無線連絡が入ってきた。
「本船、新潟に帰投する燃料に不安があるため、これにて新潟に帰投します。ご協力ありがとうございました。」
…航空機ならまだしも、燃料がなくなったところで沈むわけではないのに、日本人が連れ去られている真っ最中の可能性が高いというのに、その工作船に背を向けて帰投するというのだ。…そうして本当に、巡視船は進路を南に向けて帰投してしまった。
(p,p.205-207)
海上警備行動の発令
突然、けたたましいアラームが鳴り出した。「カーン、カーン、カーン、カーン」 アラームは、全乗員を戦闘配置につけるためのものである。再び副長の声が響いた。
「海上警備行動が発令された。総員、戦闘配置につけ。準備でき次第、警告射撃を行う。射撃関係員集合、CIC(戦闘行動をコントロールする中枢部)、立入検査隊員集合、食堂」
(p.209)
突然止まった工作母船
艦長は、目をカッと見開くと、押し殺したような低い声で戦闘号令を発した。「戦闘、右砲戦! 同航のエコー〈E〉目標!」(このときは工作船をEと呼んだ) いよいよ訓練ではない射撃が開始されてしまった。
…初弾は依然として34ノットで進む工作母船の後方200メートルに着弾させたが、工作母船に減速する兆候はまったく見られなかった。前方200、後方100、前方100と弾着点を工作母船に近づけていった。工作母船を木っ端みじんにしてしまうギリギリの距離まで弾着点を近づけて、何十発も警告射撃を行った。だが、工作母船は減速の兆候をまったく見せなかった。
…それは本当にギリギリで、ちょっとでもどこかにミスがあれば、乗っているかもしれない拉致された日本人ごと木っ端みじんにしてしまうからである。その思いが通じたはずは絶対にないが、工作母船は突然、停止した。
(p.210-211)
総員戦闘配置につけ
もともと海軍の仕事は船の沈め合いがすべてだったが、90年代から武器による抵抗が予想される船舶に乗り込んで、積み荷の検査をしようという考えが世界的に広まり始めた。海上自衛隊もその流れに乗る形で研究を開始し、各艦にその資料を配付し始めた時期だった。だからまだ、艦内には防弾チョッキさえも配備されていなかった。訓練さえもできる状況ではなかったのである。それなのにいきなり北朝鮮の工作母船に乗り込め、というのだ。
…「海上警備行動が発令された。総員戦闘配置につけ」という副長の艦内放送の声で、立入検査隊員たちは食堂に集まってはいた。
(p.p.212-213)
命令が間違っているという確信
…10分前とは、まったく別人になっていた。悲壮感のかけらもなく、清々しく、自信に満ちて、どこか余裕さえ感じさせる。私は、彼らに見とれてしまっていた。半世紀以上前に特攻隊で飛び立って行った先輩たちも、きっとこの表情で行ったに違いない。
…「これが覚悟というものなのか」と納得しつつも、心の奥底では気づいていた。この表情は覚悟だけではないのだ。“わたくし”というものを捨て切った者だけができる表情なのだ。彼らは、短い時間のうちに出撃を覚悟し、抱いていた希望や夢をあきらめた。そして、最後の最後に残った彼らの願いは、公への奉仕だった。それは育った環境や教育によるものではなく、ごく自然に、自らを滅することに意義を感じ、奉仕を全うしようとする清々しい姿勢だ。
だから、そんな彼らを“わたくし”のためにばかり生きているように見える政治家なんぞの命令で行かせたくないと思った。
(p.216)
忘れられない3つのこと
一つ目は、燃料に不安があるからと、海上保安庁の巡視船が日本人を連れ去っている真っ最中かもしれない工作母船に背を向けて帰投してしまったことである。[...]
二つ目は、[停船した工作母船へ]「立入検査」の命令が出たことと、それがそのまま末端の隊員に伝わったことである。…私は、任務が絶対達成できないことも立入検査隊員が全員死亡することもわかっていた。…[主に幹部用である]拳銃を触ったこともない者が、夜間、自爆装置がセットされている北朝鮮の工作母船に乗り込んで、北朝鮮の工作員と銃撃戦の末に日本人を救出してくることは絶対に不可能で、彼らが全滅することも確実だった。
それは、私が「みょうこう」航海長で、教育訓練係士官として乗組員の練度をよくわかっていたからではなく、海上自衛隊の艦艇乗りなら誰でも知っていたことである。
ということは、「立入検査を実施させる」という政治決定がなされる時に、現職の海上自衛官に任務達成の見積もりと生還の可能性を確認せずに決定がなされるはずがないので、現状を知っていながら可能だと言った海上自衛官がいるか、不可能という現状を理解したうえで実施させるという政治決断がなされたのか、そのどちらかなのである――。
(p.p.220-222)
愚直なまでに命令に従う
あの命令が間違っていたとか、取り消すように動くべきだったということではなく、いったいなぜ任務を達成できず、全滅するとわかっているのに彼らを行かすと決めたのか。その理由を確認して、彼らに伝えるべきだった。そんな当たり前のことをせずに命令に愚直に従おう、従わせようとしたのである。これは、私が一生恥じていかなければならないことだ。
そして、決して忘れられない三つ目は、それでも彼らは工作母船に乗りこもうとしたことである。(p.223)
************
20歳前後ですでに「中年自衛官」
中年以降の典型的な自衛官とは、目指していると思っていることと、実際に目指していることの間に大きなギャップがある人のこと、加えて、それに気づいているのか、気づいていないのか微妙な人たちを指す。
例えば、自衛隊員が射撃訓練をする時の目的は、射撃制度の向上である。しかし自衛隊ではいつの間にか、怪我人を出さないとか、薬莢を紛失しないとか、時間内に終了させるとかいった方を重要視してしまう。それらも大切なことではあるが、問題なのはそのせいで射撃制度の向上がないがしろになってしまうことだ。
気づいているか微妙というのは、当初はそのことに気づいていながら気づいていないふりをしているうちに、本当に気づかなくなってしまうからである。若いうちは入隊時の志や思い入れがあるため、有事を想定した能力の向上に努めようとする。が、年月を積むにつれ、徐々に組織が抱える矛盾や本来の目的に背を向け、安定した日常の維持を優先するようになる。見て見ぬふりをし続けると、本当に見ることができなくなってしまう。
(p.p.165-166)
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若者は成長する。防大生は磨けば光る。光らないのは大人のせいだ。我々指導官の教えざる罪だ。
(p.176)
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[防衛大] 離任の辞
我々の職業は究極のボランティアだ。知らない奴のために自分が死ななきゃならない。人を殺さなきゃならない。敵ばかりじゃない。部下も殺さなきゃならない。「ガタガタ言わずに死んでこい」と言わなきゃならない時もある。しかも、ボランティアである以上見返りも求めてはいけない。「国民に感謝されたい」などと、せこいこと考えちゃいけねえよ。どう思われたっていいじゃないか、その人達のためになるなら。
ところで軍人らしさってなんだ。‥‥任務達成のためにすべてのことをあきらめることが軍人らしさだ。…何の見返りもなく、任務達成を目指す。これが軍人らしさだ。
(p.188)
Sunday, June 16, 2024
SILENT WEAPONS: EXAMINING FOREIGN ANOMALOUS HEALTH INCIDENTS TARGETING AMERICANS IN THE HOMELAND
[沈黙の凶器:アメリカの国民を標的にした国外勢力による特異な健康被害事例に関する調査]
Homeland Security Committee | Republican
U.S. House of Representatives
H2-176 Ford House Office Building
Washington, DC 20515
What: A Subcommittee on Counterterrorism, Law Enforcement, and Intelligence hearing entitled, “Silent Weapons: Examining Foreign Anomalous Health Incidents Targeting Americans in the Homeland and Abroad.”
When: Wednesday, May 8, 2024, at 2:00 PM ET
Where: 310 Cannon House Office Building
https://homeland.house.gov/hearing/silent-weapons-examining-foreign-anomalous-health-incidents-targeting-americans-in-the-homeland/
Thursday, June 8, 2023
青山透子『日航123便墜落事件 JAL裁判』
青山透子. Jal裁判 : 日航123便墜落事件. Tōkyō: 河出書房新社; 2022.
一九八五年八月一二日に墜落した日航123便のボイスレコーダーとフライトレコーダーは、八月一四日に墜落現場の群馬県上野村御巣鷹の尾根山腹斜面下五〇〇メートルの沢で発見された。そしてその日の深夜、午前零時半に設置された運輸省(当時)事故調査委員会事務局で保管された。当日の記者会見において、再生装置や特殊電源が必要であるため、解析開始は一六日以降になると発表された。ところが未解析であるにもかかわらず、『毎日新聞』(一六日付)が後部圧力隔壁破壊説という飛ばし記事を出した。その直後にボーイング社はそれを否定し、日本航空も社内で独自にコンピュータによる解析を行った。その結果を受けて一九日に河野宏明整備部長が科学的根拠に基づき、「何らかの外力で垂直尾翼が折れ、それに伴い隔壁が傷ついた可能性」を記者会見で発表した。この時すでに、後に発表された事故調査報告書の付録研究資料に書かれている「異常外力の着力点」の存在を日本航空が示唆していたことになる。
ところが、日本航空が外的要因の可能性を発表した翌日、運輸省の大島航空局技術部長が、圧力隔壁に重大な絡みがあると、何の根拠もないまま発言している。まだボイスレコーダーやフライトレコーダーが解析途中であり、この発言には政府側がもっていきたい方向性が表れている。しかしこれも次の日、現場で実際に出向いて調査を行っている事故調査委員の「隔壁に大きな穴はなかった」という発言で否定されている。いずれも各社新聞報道に明確に書かれている。(p.p.76-77)
現物のボイスレコーダーに基づいて作成されたはずの事故調査報告書では、聴き取り不能という理由で意味不明の箇所が随所にあり、果たして聴き取りにくいほどの雑音が入っているのか、または航空自衛隊が分析と称して、後から加えた雑音なのではないだろうか、という疑念が存在する。なぜならばいくら損傷が激しいといっても、その心臓部にある録音テープは、耐熱や耐衝撃構造のカプセルに収納されており、1100度の温度で三〇分間、1000Gの衝撃に0.011秒耐え、海水、ジェット燃料の中に48時間おかれたとしても浸らないのである。従って、過去様々な航空機事故のボイスレコーダーは、日航123便よりも苛酷な状況下にあったものも多数あったが、それでも突然会話の途中に雑音が入ることはなく、日航123便のボイスレコーダーだけが雑音が多いというのはそもそも不自然である。操縦士たちの会話の背景音も一定のままずっと継続した音が録音されているのが通常だ。
...特に、当該飛行機を操縦していた自衛隊出身の高浜機長の会話に、全体の流れから考えても不明な部分が多く見られる。不都合な部分を雑音で聴き取れないよう意図的に作成したものを公表して、世間に知られたくない会話を隠していると言われても仕方がない。
日航123便墜落事件以降は、[日本航空幹部候補生の新入社員教育として]この自衛隊への入隊研修が突然行われなくなった、という。...驚くべきことに毎年続いてきたこの訓練がなくなったきっかけが、日航123便であるというのだ。
その時の新入社員の教育担当者から出た言葉は、きくところによれば「日航123便墜落は自衛隊がやったのである。だから今後、自衛隊体験教育は行わない」という衝撃の事実であったそうだ。
(p.80)
結局のところボーイング社の売り上げは、1985年に過去最高となって、最高益を上げた、...『日本経済新聞』には、大量の死者が出ても最高益、という皮肉な見出しの記事が掲載された。一方、日本航空は、一時的に株価が暴落したが、政府が所有する株式放出と民営化の思惑によって、こちらも株価が1985年度末に最高値となっている。(p.84)
それにしても、どこに修理ミスを犯した会社の軍用機や民間機を大量に購入する国があるだろうか。しかも、日本政府は、ANAにまでボーイング社を購入するように働きかけた。
(p.83)
Wednesday, May 24, 2023
青山透子『日航123便 墜落の波紋』
青山透子 author. 日航123便墜落の波紋 : そして法廷へ. Tōkyō: 河出書房新社; 2019.
[英国での会議で]私が指摘した主な疑問点は次の通りである。
1. 検死担当医師が示した客観的所見によれば、遺体が二度焼かれているということ
2. 炭化状態が著しい遺体が三分の一ほどあり、通常では考えられないほど骨の芯まで焼かれていること
3.目撃情報が書かれていない事故調査報告書の内容と実際の目撃者の目撃情報に整合性がないこと
[...]
4. 目撃者が多数いるファントム2機をいち早く墜落前に飛ばし、日が沈む前のまだ十分明るいうちに墜落場所まで日航機と一緒に飛行していたこと、墜落まで見届けて場所を特定した自衛隊はお手柄であって、何らそのファントム機を墜落前に飛ばしたことを隠す必要がない。… (p.75)
当時の事故調査委員長(武田峻氏)は、十名の遺族に海底捜査を早急に行うように詰め寄られた際に、
「あのですね、お金がないというせいではないのですよ。お金の問題じゃない。海底から事故調査結果と違うものが引き上げられたら困るからですよ」と叫んで、居直ったそうだ。そのことを当時のその場にいた遺族から伺ったのである。事故調査委員長のその一言があまりに想定外であったので皆が唖然として凍りついてしまったという。
(p.p.78-79)
遺族の吉備素子氏(『墜落の新事実』第二章参照)に詳細なインタビューを行った時、
①なぜ、日本航空社長(高木養根氏)は自分と面談した際に「(首相官邸に行けば)殺される」と極度に恐れて動揺していたのか。
②なぜ、事故原因を追究すると米国と戦争になると河村一男氏(群馬県警日航機事故対策本部長〔当時〕)が言ったのか。
③なぜ、その河村氏が県警を辞職して大阪で再就職をし、時折電話をかけてきて、自分を見張っているような口ぶりで自己原因を追究しないよう圧力をかけてきたのか。
最低でもこの三点が彼女の疑問であった。 (p.p.108-109)
御巣鷹山域の通称一本から松に第4エンジンがひっかかり、最後はそれが原因で墜落した、というのが群馬県警の現場検証の結論だが、このから松の存在は米国の調査資料には一切出てこない上、現場検証の結果も書かれていない。
…樹齢二百年と言っても、その根本ではなく、先の細くなっている上の部分に激突というのである。ちなみに、ジャンボジェットのエンジン一基の大きさは全長4メートル、直径3メートル、重さ7トン(普通乗用車七台分)だが、この貧弱な木にひっかかったぐらいで、これほどまでにエンジン側が木端微塵にバラバラになるのか大きな疑問が残る。
この件について工学関係や力学関係の研究者に見せたとき、群馬県警発表のから松の写真を見て大笑いされた。木の側が折れているのだから、力学的にも木のほうが簡単に負けているわけである。頑丈な鉄塔ならばまだしも、木の上部に接触したぐらいで、巨大なエンジンが細切れに跡形もなく、バラバラになる理由が、逆にわからない、とのことだった。当然のことながら、その直後の墜落時に巨大な岩に激突した場所から、他の三つのエンジンはある程度の形をとどめたまま発見されているのである。
事故調査報告書でも、第4エンジンのバラバラ事件について辻褄の合う説明は全くなされていない。
英国でお会いした航空機事故調査の専門家のD氏の言葉が浮かんでくる。
「なんとでも書くのですよ、相手側はね」。本当にそうである。 (p.p.134-136)
…目撃者の証言どおり、2機のファントム機を見た時間を時系列に沿って並べてみると…
18:35 静岡県藤枝市上空 日航123便を追いかけて山の稜線ギリギリの超低空飛行
18:40 群馬県吾妻郡東村上空(群馬県北西部)ファントム2機を自衛隊員が目撃
18:45〜54頃 群馬県上野村の住民、子供たちが日航機とファントム2機を目撃。数分後に2機のファントムが埼玉方面へ向かったのを目撃
…上野村では赤い飛行機(赤い物体)が目撃されており、赤い閃光や爆音、雷のような音など、多数の爆音と轟音が聞かれている。
現場状況からも、木端微塵の状態になった第4エンジンが、なんらかの武器によって破壊された形跡があるという疑問はぬぐえないのである。 (p.p.140-142)
Monday, April 10, 2023
紺野大地:池谷裕二 『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか』
Monday, April 18, 2022
母里啓子『もうワクチンはやめなさい』
Mori, K. (2017). Mo wakuchin wa yamenasai: Yobo sesshu o utsu mae ni shitte okitai sanjusan no shinjitsu. Futabasha.
2011年3月、ヒブワクチンと肺炎球菌ワクチンの同時接種後に亡くなった乳幼児のことが次々にニュースとなりました。…ワクチン接種後に亡くなる例が一定程度あるなら、それはあきらかにワクチンによる被害でしょう。
しかし厚労省は、予防接種との因果関係を認めないまま、両ワクチンをたった1ヵ月もたたないうちに接種再開しました。死亡した赤ちゃんのニュースなどなかったかのように、その後2013年から定期接種となり、両ワクチンはすべての0歳児に推奨されるものとなったのです。
…けれど、ニュースにならないだけです。今も、予防接種後に赤ちゃんが次々に亡くなっています。実際には、騒ぎにならないのがおかしいほど、ワクチン接種後に亡くなる赤ちゃんが増えているのです。…厚労省は隠してはいません。けれど、マスコミはこのことを話題にしません。(p.p.3-5)
Friday, July 3, 2020
内海聡『99%の人が知らないこの世界の秘密』
ケムトレイルとは、簡単にいえば「毒をふくんだ飛行機雲」である。さまざまなウイルスや有害物質を人工繊維の中にふくませ、それを上空から散布しているのだ。…一躍、時の人となった元CIA(米中央情報局)局員、エドワード・スノーデン氏もケムトレイルについて言及している。
ケムトレイルには、以下の物質がふくまれているとされる。
・突然変異を起こした三〇〇種類のカビ
・乾燥させた赤血球
・二六種類の金属(バリウム、アルミニウム、ウランなど)
・さまざまな病原菌や化学物質
・鎮静剤などの薬
・カチオン性ポリマー繊維
・繊維に閉じ込められた小さな寄生虫の卵
・地球外バクテリア
ケムトレイルは、先進国の政府、軍、製薬企業の共同プロジェクトだ。…本当の目的は、政府は人口削減、軍は生物兵器と気象操作の実験、製薬企業は人々を病気にして薬を売ることである。
…ケムトレイルの被害が最も深刻なのは米国だが、この国ではケムトレイルが原因とみられる奇病が流行している。それが「モルジェロンズ病」だ。すでに六万世帯で被害が発生しているという。…すでに米国では有志団体による告発が始まっている。(p.p.113-116)
こんな「最新兵器」がすでに使われている
もっと恐ろしい話もある。ケムトレイルの中に「バイオAPI」(ナノロボット)という最新ナノ兵器を混ぜ込もうというのだ。
これらはすべて米国で暴露されていることであり、ウソでも誇張でもなんでもない事実だ。
あなたがたの使っているスマートフォンは、そんな軍事技術の時代遅れの産物だ。インターネットも同様である。(p.p.117-118)
Tuesday, April 21, 2020
Moreno, 『操作される脳: Mind Wars』
臭気兵器の設計者は長らく糞便の臭いに心を奪われていたようである。一九九八年の軍の文献によれば、第二次世界大戦の際の発想は、ドイツ占領軍にこっそり「フー・ミー(Who Me)」という化学薬品をなすりつけて、「物笑いの種」にしてやろうというものだった。(p.296)
二〇〇一年六月、テキサスの、元海軍中佐が代表となっている企業と海軍研究所の科学者とが、糞便の臭いの元となる化合物に対する特許を取得し、「不愉快な嗅覚刺激を用いて、人間の行動をコントロールしたり変更させたりするという手法は、現代の戦争において魅力的な発想である」と述べている。エッジウッドでも「米国政府基準トイレ臭気(U.S. Government Standard Bathroom Odor)」を用いた同様の研究が行われている。(p.298)
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ばい菌を戦争に利用しようという発想は(城壁から感染した馬の死骸を投げ込むといった雑な形ではあったが)古代から存在していた。現代的な微生物学は、単に経験に頼るのではなく「合理的」な方法で病原体を選択、さらにいは設計することまで可能にしている。…アメリカ、イギリス、カナダは共同で攻撃用の秘密生物兵器プログラムを立ち上げたが、これには米国陸軍化学戦サービス(Army Chemical Warfare Service)が関係していた。
(p.325)
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一九七二年に、アメリカは生物兵器に関する国際条約、生物毒素兵器禁止条約(Biological and Toxin Weapons Convention/BTWC)を批准した。この条約は平和的および防衛目的の研究以外は許されない、と明言するものである。ソビエト連邦も批准国となったが、アメリカが生物兵器プログラムを終了させたことを信じようとしなかった。その疑念のもと、ソビエトは大がかりな最高機密システムを構築した。これはバイオプレパラートと呼ばれ、民間の皮をかぶって少なくとも一九九二年までは活動していた。
…一九七九年には、スヴェルドロフスクの生物兵器工場から炭疽菌が漏出する事故が起こったのである。正確な死亡者数は知られていないが、見積もりは六六人(ソビエト当局の発表数)から一〇〇人以上まで様々である。
(p.p.325-327)
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アメリカ科学者連盟(Federation of American Scientists/FAS)の生物兵器の専門家であるバーバラ・ハッチ・ローゼンバーグが『ディスアーマメント・ディプロマシー(軍縮外交)』という機関紙に書いた論文によれば、生物毒素兵器禁止条約が一九七五年に発行してから一五~二〇年間というもの、国防総省が行うプログラム自体が機密扱いにされることはなかったものの、「アメリカ軍の欠陥や脆弱性、あるいは技術の飛躍的な発展」を明らかにするような研究結果については機密にされていた。
その後、おそらく湾岸戦争とソビエトのバイオプレパラートの発覚とが原因なのだろうが、国防総省は方針を変えたように見える。9・11のちょうど一週間前、『ニューヨーク・タイムズ』は、機密扱いされていた三つの生物兵器防衛プロジェクトについて報道し、条約を都合のいいように解釈していると指摘した。三つのうち、一つはワクチンに耐性を示す炭疽菌の作出だったが、ソビエトがそのような炭疽菌を生産したと考えられていて、それに対する防衛方法を見いだすためというのが大義名分だった [注182] 。アメリカと西側同盟諸国はこの暴露に動揺を示したが、9・11の攻撃が起こったために、沈黙に転じた。(p.339)
[注182]…ニューヨークタイムズがすっぱ抜いたプロジェクトについてアメリカ政府官僚は防衛目的だと主張したが、細菌工場で炭疽菌を大量に培養し、細菌爆弾のモデルを炸裂するなど、兵器開発そのものと言える点があった。
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ウイルスのような生物兵器は三つの要素が関係する。まずペイロード、つまりウイルスの遺伝情報、次にウイルス外皮など送達システムに関わるもの[注183]、さらに、人体の器官系など標的とされるものであり…いずれも、遺伝子工学で病原体を加工することによって操作し得る。たとえば、ウイルスか細菌の病原体に、外来、あるいは合成した遺伝子を挿入すれば、野生株が本来もたない性質を加えることができる。うまくいけば、脳や神経系を標的にした新型神経兵器の開発が可能なのだ。
[注183]ウイルス兵器は人体の細胞内に侵入することによって効果を発揮する。細胞内に侵入する際、ウイルスは、対象となる細胞表面の受容体など、特定のタンパク質に結合するが、ウイルス側に細胞表面のタンパク質が存在していなければ結合できず、侵入もできない。人体を構成する細胞は、種類によってそれぞれ特定のタンパク質が細胞膜に発現している。ある特定の細胞にウイルスを感染させたいと思ったら、その細胞のみで発現するタンパク質に結合できるタンパク質をもつように、ウイルスの遺伝子を操作すればよいことになる。
過去、旧ソビエト連邦では攻撃目的の生物兵器開発計画が進められていた。…先進的ウイルス神経兵器によって、短いペプチド鎖(アミノ酸が鎖状に結合したもので、生物活性を有する)をコードする合成遺伝子を中枢神経に送り込むというものである。中枢神経系に入ると、合成遺伝子をもとにデザイナーペプチドが生成され、それが奇襲攻撃を行うのである。このペプチドの効果は、その病原体が通常引き起こす症状とは全く違う。たとえば、脳内で生成されると悪性の神経変調物質として働き、ニューロン間の関係や通信を変化させて脳の機能を無効にしてしまう。感染性病原体としては、合成遺伝子を速やかに標的に送り届ける能力をもつものが選ばれる。この新型神経兵器において、病原体はまさにトロイの木馬であり、通常ならば到達できないようなところまで遺伝子を送り込むことが可能になる。
(p.p.347-348)
「…部隊(ユニット)が機能するための能力は、すべて頭のなかにあります。そうすると、もし恐怖やその他の感情によって部隊の忠誠心を崩壊させることができれば、軍隊は、力をもって戦う存在であることをやめてしまうでしょうね。たとえば閉所恐怖症に襲われた兵士は防護マスクをむしりとってしまうでしょう。他には、恐怖、のどの渇き、心拍数増加、腸の運動亢進とか……。ペプチドの効果としてはこのあたりが狙われていると思われます。」(生物兵器の専門家) (p.350)
Monday, January 20, 2020
有馬哲夫『原発と原爆』
二〇一一年三月一一日三陸沖を震源とするマグニチュード九・〇の地震が起き、巨大津波が福島第一原子力発電所の四基の原子炉とその周辺施設を襲った。…冷却水の循環が止まり、過熱した炉心は溶融を起こした。次いで、原子炉建屋内に水素ガスが充満し、ついには爆発した。旧ソ連のチェルノブイリ事故以来最悪の放射能漏れ事故が起こった。
…放射能被害のために放棄するしかない土地や財産など、また、農作物やその他の生産品に与えた直接の被害や風評被害を補償するため、六兆円が必要になると見積もられている。(p.p.9-10)
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アメリカ労働総同盟の日本支部代表のリチャード・デヴェラールが五三年一〇月二九日に国務長官と会ったときの発言だ。
原爆障害調査委員会(atomic Bomb Causality Commission, 略してABCC)の広島での活動が私たちの良心の痛みになっています。…
…原爆被害者救済のための研究組織であるかのようにミスリードして日本側から協力を引き出してきた。だが、実際は被害者救済など目的としておらず、原爆や放射能が人体にどのような被害を与えるのかについてのデータを集め、分析することしかしてなかった。しかも、日米合同とは名ばかりで、実態はアメリカの軍とアメリカ原子力委員会の合同組織だった。
デヴェラールたち心あるアメリカ人は、アメリカが広島と長崎に原爆を投下しただけでなく、さらにその被爆者をモルモット代わりに扱っておきながら、日本側には医療行為を施すかのような誤解を与え協力させていたことに大きな良心の呵責を感じていた。(p.38)
Saturday, January 4, 2020
池田昌昭『完全犯罪JAL123便墜落事件』
目撃証言
午後六時四十五分 長野県南佐久郡南相木村上粟生の主婦が、胴体から煙を噴きながら超低空で、東北の方角へ飛んで行くのを目撃している。(「ドキュメント日航機墜落」『北陸中日新聞』一九八五年八月十三日付朝刊))
…埼玉県浦和市住民の目撃証言もある。「マンションのベランダから西空を眺めていたところ、突然雲の透き間から太陽が射すようなオレンジ色の閃光を見た。双眼鏡で覗くと、両側から青、真ん中から赤い光を発した大型機が北の方へ消えた」。(「各地で多数の目撃者」『朝日新聞』一九八五年八月十三日付朝刊)
…長野県南佐久郡川上村住民の証言。
「埼玉方面から飛んできた飛行機が赤い炎をあげ、やがて黒い煙を残して南相木村と群馬県境に消えた」。(「各地で多数の目撃者」『朝日新聞』一九八五年八月十三日付朝刊)
(p.p.65-67)
生存者は、救出された四人以外にもいた
八月十三日付『朝日新聞』夕刊最終版4版「大刷り」一面トップ見出しは「生存者八人」だった。(朝日新聞社会部編『日航ジャンボ機墜落』朝日新聞社 二〇一~二〇二ページ)
…この男の子[※公表された4名以外の一人]の年齢が七、八歳とすれば、八月十三日昼間に、現場実況生中継を行ったフジテレビクルーによって、この七、八歳の男の子が担架に乗せられて運ばれるのが目撃され、フジテレビでその模様が実況放送されている。
(p.p.158-159)