Thursday, March 27, 2014

井形正寿『「特高」経験者として伝えたいこと』

Igata, Masatoshi. "tokkō" Keikensha to Shite Tsutaetai Koto. , 2011. Print.

 (戦後)私は福島区で原爆展をやるという運動に加わっていた。そこに公安の者が来てこう言った。「占領下で原爆展やるいうのはアメリカ人に対する挑発です。どうしてもやるなら、あんたらをウィロビー少将覚書違反で逮捕することになる。井形さん、あんたも特高におったんやからわかるでしょう。それを覚悟でやるんですか」。GHQは、日本の民主化を進めるためにいたはずだが、一面で占領政策に都合の悪いことは厳しく取締った。・・・結局、その時は原爆展を開くことはできなかった。(p.p.147-148)

3 comments:

n said...

Related Article:
ナチス・ドイツにおける住民の警察化 : 日独比較史の観点から
Verpolizeilichung der Bevölkerung im Nazionalsozialistischen Deutschland im Vergleich mit Japan
矢野, 久(Yano, Hisashi)
慶應義塾経済学会
Abstract:
20世紀には世界戦争や民族虐殺のような破局的な暴力が噴出した。この暴力の噴出において広義の警察機構がこの暴力の最先端で機能していた。しかし現代社会においても監視と規律化が最重要な課題の一つとされ, テロル・暴力に対して国家の暴力独占は正当化されているようである。現代における国家の暴力は, 歴史的にみると, ナチスの暴力実践とどのような位置関係にあるといえるのか。比較史の観点から, ナチス・ドイツの警察による住民支配のあり様を20世紀ドイツ史の中に位置づけて考察する。

n said...


By ひろ×3 (東京都) -(トップ50レビュアー)

レビュー対象商品: 『洗脳支配ー日本人に富を貢がせる
 マインドコントロールのすべて (単行本(ソフトカバー)』

この本によって新たに知った事実は・・・警察庁で、
「Aが駄目だと言っている」と言われたら、
それは「アメリカが駄目だと言っている」という意味で、
そのような場合は捜査がただちに中止されるということだ。

アマゾンドットコムの書評引用終わり

http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4828414126/ref=cm_cr_dp_synop?ie=UTF8&showViewpoints=0&sortBy=bySubmissionDateDescending#R20VDTKS7PM4J8  

n said...

武装解除と刀剣(昭和の刀狩り)

敗戦国日本を占領した連合軍がまず実施したのが武装解除である。陸・海・空軍の解体だけにとどまらず、民間所有武器の回収から、民間航空機の保有禁止に至るまでの徹底したものであった。このような徹底した武装解除によって、日本は軍事的に丸裸にされただけでなく、精神的にも丸裸に近い状態に置かれた。このような状態が続くことによって、抵抗の意欲を奪われていき、やがてこれが無抵抗につながってきている。

…秀吉の刀狩りが農民から武器を取り上げて、支配者と被支配者という身分の違いを自覚させるようにしたのと同じである。
 連合軍の武装解除は、武器を持つ連合軍という支配者と、すべての武器を奪われて、抵抗能力をすべて失ってしまった被占領国民という図式になり、身分の違いをはっきりと自覚させる最も有効な措置であったと考えられる。

…従来の取り締まりが明治四十三年(一九一〇)制定の「銃砲火薬取締法」や「治安警察法」などに基づいて、原則的に所持の自由を認めながら、部分的な規制を加えるという方針で目的を達成してきたのを根本的に変更するものであった。

…[占領終了後の法改正でも]原則として所持禁止であることは変わりがなく、占領軍の意向によって方針転換させられた取り締まりの方向は、そのまま踏襲されて現在も続いている。運用面では、戦時中の「治安維持法」の運用を思わせるような、各種取り締まりに際しての名目上の便法として使われることが多くなっており、現実に銃刀法違反を名目にした取り締まり件数が以上に高い数字を示している。これらのことも、刀剣に対する嫌悪感を生み出す遠因の一つになっているのであろう。(p.p.171-174)
得能一男 『刀剣鑑賞の基礎知識』