海外メディアの報道によると、アメリカ国防総省は、未来の兵士をより早く、より強く、より戦闘能力を備えさせようと、電子人間など未来科学のテクノロジーをとりいれている。いわゆるe-man部隊とは、よりすばやい目、敏感かつ湾曲できる腕、ものをつかめる義足などを供えた電子人で構成される。e-man部隊は、ロボット技術、ナノテクノロジー、神経科学、その他関連科学の助けを借りて、実際の戦場に登場することになるだろう。以下は、それらのうち、もっとも良く見られるe-man技術だ。
1神経コントロールできる義足・義手.
米国防総省先進研究プロジェクト局の「革命的義肢」計画は、DEKA社が政策した義手のように、十年以内でこれまでの世界最先端の義肢技術を変えている。これらの義手は線を通じて手足の指を動かすことができる。次のステップとして、人体の神経信号に答えられるような完全な神経システムを備えた義手ができるだろう。米ホプキンス大学の科学者らは、今年、人体で義肢モデルを実験することにしている。マイクロアレイを大脳に植え込み、ユーザーは思考によって、指をばらばらに動かせるかなど、義肢の動きをコントロールすることができるかどうか見てゆく。
アメリカ国防総省は、何年にもわたって人間―コンピューター知能融合研究(BMIのことです)に資金援助している。これはコンピューターを感応ユニットの中間媒体として、離れた場所にいる部隊が、話をしなくても情報を交わせるというものだ。昨年、米国防総省の高級研究計画署は「無声通話」計画を開始したが、これによると、まず脳波計測器で大脳が発する脳波を読み取り、次にこれを解析して、いわば脳波辞典を作成する。その後、この「辞典」を元に、実際に人が発する脳波を読み取り、翻訳し、翻訳された言葉を相手の大脳に届けるわけで、テレパシーに似た「無声通話」の実現だ。このようなテレパシーで考えを伝える技術は、マインドコントロールにも使用可能だ。
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米・国防総省は、サメを爆発物探知器とするなど、いくつもの動物の「兵力」研究プロジェクトに資金を出している。非常に敏感な嗅覚と、特に小さい体をもったネズミは、警察犬に代わって、爆発物や、生物化学兵器を察知したり、災害被災者を見つけだす仕事をするだろう。もちろん、マウスの大脳にはそれにふさわしい電極を埋め込む必要がある。国防総省の資金を受けたフロリダ大学では、ネズミの大脳の三箇所、嗅覚領域、意欲領域、動作領域に電極を埋め込み、そこに刺激を受けたネズミを、TNT爆薬など対象物を探すように訓練した。科学者らは、この一連の実験の中で、異なる匂いをかぎつけたネズミが特殊な脳波を描くことを発見した。最近、日本の科学者はいわば「ネズミ・カー(車)」を発明したが、科学者らはネズミの大脳に電極をインプラントすることによって考えをコントロールし、小型の車や機械設備をコントロールすることができる。
ロボットの装備を「着る」ことができれば、戦闘部隊の戦闘力と忍耐力は大いに向上する。アメリカのレイセオン社が新しく開発した、爪付きの「レイセオン・サルコス」モデルは、装着した兵士の力と忍耐力を平常の20倍に高めることができる。ロッキード。マーティンのHULCモデルを装着すれば、200ポンド(約91キロ)の重さの物体を軽がるともちあげることができる。このモデルは、もっと体力がいる任務でも、エネルギー消耗量は少なくてすむ。現在、アメリカ陸軍の兵士システムセンターが、このロボット外骨格の試験を行っている。
5.コンタクトレンズ
次世代のコンタクトレンズは、センサー、アンテナ、半導体回路、発光ダイオードなどから成り、火器の照準や文字によるメッセージなど、重要な可視化データを装備することができ、ただちに目の中に表すことができる。ワシントン大学の科学者たちは、すでにウサギを使った実験を始めている。次のステップは、コンタクトレンズの色素数と色彩効果を高めることだ。戦場においては、このレンズは兵士の健康状態―血糖値や心拍数などのモニターとしても応用することができる。
将来、兵士たちはボタンを押したり、引き金を引いたりではなく、テレパシーを通じて、あるいは一種の大脳―コンピュータの相互コントロール武器によって(Brain-Machine Interfaceのこと)、意思を通わせることができるようになるかもしれない。科学者らはもう何年も、サルを使ったBMIの実験を行っているが、デューク大学の神経科学の専門家は、米国防総省の援助のもとで、サルの大脳の神経細胞に電極を埋め込み、電子化したサルが機械の手を使って自分にバナナを食べさせる訓練をしている。
将来、実験室で生まれた万能の人工血液が、外傷治療に使われるようになり、血液不足の問題を解決するかもしれない。国防総省先進研究計画署の資金を受けた、アメリカの生物技術企業、Arteriocyte 社は、最近、臍帯の造血細胞を利用して、初めての人工血液を作りだした。
電子テクノロジーを使っているのは現役部隊だけではない。イラクとアフガンの戦場から帰還した兵士のうち、10%から20%が大脳に損傷を受けていた。彼らは将来、大脳機能を修復するためにインプラント手術を受けることになるかもしれない。スタンフォード大学とブラウン大学のチームは、米国防総省先進研究計画局の援助のもと、受傷した脳機能を代替できるような脳インプラントを開発中だ。
リモート・コントロールのカブトムシ、蜜蜂が軍事目的に利用されようとしている。アメリカ国防総省は、蛾を利用した試験を補助している。これまでも、ジョージア理工大学では、どうしたら蛾をもっと長く活かせるかを研究してきた。幼虫期の蛾の大脳にMEMS(マイクロエレクトロメカニカルシステム)とマイクロフォン、センサーを植え込むと、成長段階でこれらのインプラントは昆虫の成長につれて融合し、一体化してゆく。これらの蛾は、リモートコントロールを通して、人間ができない仕事―秘密スパイや生化学毒物の探知などを行うことができる。
人工皮膚組織はすでに外傷治療に使われている。しかし、今年初めからスタンフォード大学の科学者たちが開発した人工皮膚は本物だ。それは、蝶がそっと触れても感知できるほどの敏感さを備え、柔軟性のある薄いゴム、ナノ繊維、電極などを使用している。電子人間にも仕えるし、特に敏感性が求められる義肢、ロボットの腕や手などにも使える。
(翻訳者:『大量監視社会』の著者 山本節子さん)
出版社 http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1361-6.html
(翻訳者:『大量監視社会』の著者 山本節子さん)
出版社 http://www.tsukiji-shokan.co.jp/mokuroku/ISBN978-4-8067-1361-6.html