Wednesday, May 24, 2023

青山透子『日航123便 墜落の波紋』

 青山透子 author. 日航123便墜落の波紋 : そして法廷へ. Tōkyō: 河出書房新社; 2019.

[英国での会議で]私が指摘した主な疑問点は次の通りである。

1. 検死担当医師が示した客観的所見によれば、遺体が二度焼かれているということ

2. 炭化状態が著しい遺体が三分の一ほどあり、通常では考えられないほど骨の芯まで焼かれていること

3.目撃情報が書かれていない事故調査報告書の内容と実際の目撃者の目撃情報に整合性がないこと

   [...]

4.  目撃者が多数いるファントム2機をいち早く墜落前に飛ばし、日が沈む前のまだ十分明るいうちに墜落場所まで日航機と一緒に飛行していたこと、墜落まで見届けて場所を特定した自衛隊はお手柄であって、何らそのファントム機を墜落前に飛ばしたことを隠す必要がない。… (p.75)



当時の事故調査委員長(武田峻氏)は、十名の遺族に海底捜査を早急に行うように詰め寄られた際に、

「あのですね、お金がないというせいではないのですよ。お金の問題じゃない。海底から事故調査結果と違うものが引き上げられたら困るからですよ」と叫んで、居直ったそうだ。そのことを当時のその場にいた遺族から伺ったのである。事故調査委員長のその一言があまりに想定外であったので皆が唖然として凍りついてしまったという。

(p.p.78-79)



遺族の吉備素子氏(『墜落の新事実』第二章参照)に詳細なインタビューを行った時、

①なぜ、日本航空社長(高木養根氏)は自分と面談した際に「(首相官邸に行けば)殺される」と極度に恐れて動揺していたのか。

②なぜ、事故原因を追究すると米国と戦争になると河村一男氏(群馬県警日航機事故対策本部長〔当時〕)が言ったのか。

③なぜ、その河村氏が県警を辞職して大阪で再就職をし、時折電話をかけてきて、自分を見張っているような口ぶりで自己原因を追究しないよう圧力をかけてきたのか。

最低でもこの三点が彼女の疑問であった。  (p.p.108-109)



御巣鷹山域の通称一本から松に第4エンジンがひっかかり、最後はそれが原因で墜落した、というのが群馬県警の現場検証の結論だが、このから松の存在は米国の調査資料には一切出てこない上、現場検証の結果も書かれていない。

…樹齢二百年と言っても、その根本ではなく、先の細くなっている上の部分に激突というのである。ちなみに、ジャンボジェットのエンジン一基の大きさは全長4メートル、直径3メートル、重さ7トン(普通乗用車七台分)だが、この貧弱な木にひっかかったぐらいで、これほどまでにエンジン側が木端微塵にバラバラになるのか大きな疑問が残る。

この件について工学関係や力学関係の研究者に見せたとき、群馬県警発表のから松の写真を見て大笑いされた。木の側が折れているのだから、力学的にも木のほうが簡単に負けているわけである。頑丈な鉄塔ならばまだしも、木の上部に接触したぐらいで、巨大なエンジンが細切れに跡形もなく、バラバラになる理由が、逆にわからない、とのことだった。当然のことながら、その直後の墜落時に巨大な岩に激突した場所から、他の三つのエンジンはある程度の形をとどめたまま発見されているのである。

事故調査報告書でも、第4エンジンのバラバラ事件について辻褄の合う説明は全くなされていない。

英国でお会いした航空機事故調査の専門家のD氏の言葉が浮かんでくる。

「なんとでも書くのですよ、相手側はね」。本当にそうである。 (p.p.134-136)



…目撃者の証言どおり、2機のファントム機を見た時間を時系列に沿って並べてみると…

18:35 静岡県藤枝市上空 日航123便を追いかけて山の稜線ギリギリの超低空飛行

18:40 群馬県吾妻郡東村上空(群馬県北西部)ファントム2機を自衛隊員が目撃

18:45〜54頃 群馬県上野村の住民、子供たちが日航機とファントム2機を目撃。数分後に2機のファントムが埼玉方面へ向かったのを目撃  


…上野村では赤い飛行機(赤い物体)が目撃されており、赤い閃光や爆音、雷のような音など、多数の爆音と轟音が聞かれている。

現場状況からも、木端微塵の状態になった第4エンジンが、なんらかの武器によって破壊された形跡があるという疑問はぬぐえないのである。 (p.p.140-142)