Sunday, January 23, 2011

『拷問と医者』Thomas, "Journey into Madness"

 ゴードン・トーマス(著)・吉本 晋一郎 (訳)
Thomas, Gordon. Journey into Madness: Medical Torture and the Mind Controllers. London: Corgi, 1989. Print.

"What remains for me the most disturbing aspect of my investigation is that even as I write, and later when it is read, there are physicians who continue to participate in torture. Nothing I had researched before could have prepared me for the dark reality of doctors who set out to deliberately destroy minds and bodies they were trained to heal. The realization that physicians are part of a killing machine provokes a special horror."

  国際アムネスティやその他人権擁護団体によって規定され、一般に受け入れられている「拷問」についての定義に抵触する行為を行なう医師は、拷問の被害者の意思をくじくため、故意に苦痛を与えるといったように、破廉恥にもその技能を悪用している。
 1988年には、こうしたはなはだしい(医師が遵守すべき「ヒポクラテスの誓い」と呼ばれる倫理規約の宣誓を逸脱した違反行為が、世界九十カ国でなされ・・現在着実に増えている。
 特に、精神医学は、権力を維持し、そして国民の思想と行動を統制する国家によって、利用される可能性が極めて高い。・・・医師が「診断」を下すことによって、合法的であるかのように見せかけ、反体制者を拘束してしまう。
・・・政府の実施する施策に反対する者の信用を傷つけ、発言を封じ込めるために、医師が利用されることが多くなってきた。・・・「精神異常者」と決めつけてしまうには、医師による裏付けがないと信憑性がなくなってしまうからだ。
(p.12)

(キャメロン博士は)財団からの資金繰りがもはや

できなくなるとともに、アメリカの他の財団からの
(マインドコントロール)研究助成金もいっせいに
断たれてしまった・・・博士にとり、最も耐えがたいことは
・・諜報の世界とのかかわりも、これでついに終わった
(ため研究費が入ってこない)ということであった。
(p.384)


   1966年(サルを)知覚喪失状態におくため、
脳にレーダー波の衝撃が与えられた。剖検の結果、
脳組織が文字どおり「フライ」にされてしまっていることが
判明した。ホラー映画のシナリオまがいのことが、
情報収集や対敵監視活動と、どこでどう結びつくのかは、
永久に謎であろう。
(p.390)

   1972年ゴットリーブ博士はCIA長官に
「人間のあらゆる思想、情緒、知覚、そして欲望を、
脳の電気信号によって、実際に操作できる世界を
創り出すことができる」と(どもるのを抑えながら)報告
・・・「命令によって人を攻撃し、そして殺すように、
人間の脳をプログラムによってついに操作できるように
なった」という。
(p.423)

 CIAが以前に犯した不正行為の範囲が広い・・・あまりにも
卑劣なので、実行に移せないというものは、CIAには
それまでなにひとつなかったようだ。恐喝、性的いやがらせ、
それにしばしば殺害という結果に終わるあらゆるたぐいの
暴力行為は、CIAにとって日常茶飯事であった。
(p.430)


  「秘密作戦にセックスの罠を仕掛ける」ことの効用を評価
〔=評定〕するというまじめな調査として・・CIAはサン
フランシスコにアパートを借り・・売春宿に改造。
・・・CIA係官が寝室の壁ののぞき穴から、「仕事中の」女性を
「もっと精密に観察」するための望遠鏡(などにも資金をつぎ
込み)・・・係官は「この計画に関係しただれもが、税金で
十分に堪能させてもらう時間がもてた」と、あとになって
話している。客には性欲をそそり、臭いのする粉末が
こっそり与えられ、ベッドの下に置かれた「悪臭弾の放つ
いやな臭いに耐え」、強力な
排尿促進剤が混ざった飲料を飲まされたものであった。
(この実験の目的は悪臭が性行為に及ぼす影響を

評価〔=評定〕することであった)(p.p.372-373)


圧巻なのは、敬虔なキリスト教徒でありながら
聖書の戒律を無視し、しかも国際精神病学会会長の
重責にありながら、精神病患者を次から次に見境なしに
実験材料として、まるでモルモットのように手玉に取った
キャメロンの非人間的な悪行だ。・・・不思議なことは
その非人道的な行為に対して、監視する立場にあった
はずのカナダの厚生省を始めだれ一人として、
その生前に告発しなかったことだ。
(訳者あとがき P.535

Saturday, January 22, 2011

『早すぎる?おはなし』 内山治樹


<著者が垣間見たハイテク凶器犯罪の犯人像>

 (組織的ストーカー犯罪者たちに)長い間

付きまとわれていると、(彼らの異常な人間性について

著者が)感じるのは彼らは強力にマインドコントロール
されているということだ。 ・・・(犯罪者たちは)
「何かをすればこうなる」という決まりのようなものに
心を完全に拘束されていて・・・日常、明らかに不自然と
思われるような行動を強いてきたこともある。
(p.98)

 (著者が)少しでも、感動したり、心地よい思いをすると、
(遠隔から“感覚送信”によって体の)撫で回しを始めたり
・・・ぶち壊しにされたりする・・・根深いコンプレックスや
やっかみに苛まれている病んだ心の存在を感じる。
そういう妨害行為に対して怒りを覚えるよりも、
空しさや寂しさや哀れみすら覚えたほど。
(p.120)

  人間は各々が脳波を発している。その脳波をキャッチし、
電磁波に交換し、他者の脳と繋げてしまうということは、
まだ立証されていないが、本格的な実験は至る所で
行なわれているようである。
(p.135)

日常生活内で何かを目的に(著者が)少しでも
行動を起こせば・・・それに(対して犯罪者たちは)
愚痴を発したり次元の低い雑言を吐いたり、
まるでこのハイテク技術の監視システムを
使用できる以上、使用しなければならない
というケチ根性で使用しているようにも思える。
(p.162)

(著者が)一人でいるときに狙いをすまし、また一人で
いるときが最も攻撃しやすいせいもあってか
・・・(犯罪者たちは)やめればいいことを執拗に行なう。
(p.165)

大体の点で私たちの先輩の被害者の方々の前例に沿っていて、
こちらもその点で精神的余裕を持つことができ(た)
・・・(ある犯罪者が)「私たちはあの加害者とは違う!
絶対に違う!」と必死になって否定しているところが
どうやら図星のようだ。中身がまったく空洞なくせに
自尊心と自意識だけは2倍も3倍も強い。
(p.p.170-171)

ヒストリーチャンネル:That's Impossible 6-1(「まさか!?」)

SF物語が現実になる、まさかと思われる話題や
科学技術を検証する番組That's Impossible「まさか!?」の第6話

「マインドコントロール」
脳波を送受信できる機械を使い、心で思うだけで
他人とコミュニケーションできる技術や
他人の思考を読むコンピューターなど、
マインドリーディングとマインドコントロール技術を見ていく。
 That's Impossible  Mind Control その1
http://www.youtube.com/watch?v=RjU5v1eAvvE&feature=related



【番組内容より】

  人が心で思い考えることは機械を用いて外部から解読できる。
サイエンスとサイエンスフィクション(SF)の境界は
とっくに消えてしまっている。信じられないかもしれないが、
脳内の神経細胞が発火し電気信号をリレーさせている音は
「聴く」ことができるのだ。この音を解読すれば他人が
何を思い考えているのかが文字通り「聴こえる」わけだ。
ブラウン大学のある教授は人の脳とコンピューターを
繋ぐ装置を開発した。脳内の神経細胞間に生じる電気信号を
コンピューターが解読し何か物体を動かしたいと思い
念じただけで、マウスを使うことなくコンピューター画面上の
手の画像を動かし物体をつかませることができる実験を公開。
この原理は脳で念じただけでロボットアームを動かせる技術に
応用され、実際に想念だけでロボットアームを
操っているサルの映像も紹介している。

Friday, January 21, 2011

『超人類へ! バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会』More Than Human

 
      ラメズナム著・ 西尾 苗訳
Naam, Ramez. More Than Human: Embracing the Promise of Biological Enhancement. New York: Broadway Books, 2005.
  いま、大きな赤い三角形を見つめているとしよう。そうすると、
(脳内の)一次視覚野のなかで三角形の(イメージ想起を担当する)
領域が活動的になるのだ。このような種類の単純なコード化は、
インターフェースを介して外部装置と接続するのに
うってつけなのである。
(p.212)

「脳同士で通信する」
  視覚イメージや音を脳に送り込むこと自体、大躍進である。
ところがDARPAの目指すところはもっとスケールが大きい。
脳同士の直接的な通信による、音や視覚イメージ、
そのほかの情報の送信を目論んでいるのである。
野望に満ちた目標のようだが、脳の基本的機能については
これまでわかっていることから考えれば、これは可能なのだ。
(p.212)

一九九九年、ハーヴァード大学の神経科学者
ギャレット・スタンレーのチームが行なったある実験が、
この能力の手がかりとなった。・・・ネコの頭を
さまざまな物体に向け、網膜のニューロンの活動を
電極で記録し、情報をコンピュータへ送る・・
プログラムを用いて、コンピュータはニューロンの
信号を標準的なビデオ・フォーマットに落とし込み、
スクリーンに映し出す。つまり、ネコが見るものが
スクリーンに映るのだ。・・・(ネコを生きた
カメラとして扱ったわけだ)。

Ref. Getting visual data from a cat's brain in realtime (TechnoCalyps) 
  スタンレーの研究が示唆するものは、
私たちの経験をニューロンの段階で記録し、
あとでそれを再生できるということだ。
・・・これは、原理的にはすべての感覚について
行なうことができる。目で見るものだけではなく、
音や味、匂い、触覚でも、脳のレベルで記録することが
可能なのだ。・・・その種の感覚記録を他人向けに
再生することもできるかもしれない。あなたの経験を
一連のニューロンのインパルスに変換し、他人の脳に
送信すれば、少なくとも感覚的な面については、
あなたの観点からその出来事を経験できる・・・。
(p.p.213-214)
ニューロンの単位で考えれば、“感覚”イコール“記憶”
イコール“想像”だというのが、脳全体にあてはまる
一般的な原則である。どういうことか説明しよう。
何かを見るとき、それを見たことを思い出すとき、
そしてそれを見ることを想像するとき、これら
すべての場合に、同一のニューロンが発火する。
脳のニューロンにはたいていこれがあてはまり、
音や匂い、味、肉体的な感覚についても、
ほぼ同じことが言える。
 これにはなかなかおもしろい含意がある。
-コンピュータ・インターフェイスを備えた
二人の人間が、想像した光景や音、感覚を、
たがいに送り合うことができるというわけだ。
また想像力をコンピュータへの入力装置として使える・・・。
 映像や音、感覚を人間の脳に送り込めることは、
すでに紹介した通りである。また、基礎的神経科学からも、
限られたものにせよこれまで行なわれた実験の
結果からも考えられるのは、脳からその情報を
送り出すことも可能であるということだ。
もし人間が想像力の内実についてコンピュータと
協力を始めれば・・・コンピュータに何かをさせるのに、
カーソルを動かしてクリックしたりタイプしたりせずに、
ただ考えるだけでよいのだ。
(p.p.214-215)


  テューレーン大学で研究していたロバート・ヒースは
・・・画期的、かつ、場合によってはグロテスクな実験を
行なった。・・・ヒースが目指していたのは、脳にある、
快感およびいわゆる嫌悪感の中枢(刺激すると、
それぞれ快感と苦痛が引き起こされる部位)の解明である。
・・・患者が突然激しく怒り始めると、嫌悪系の活動が
一気に盛んになることに気づいたのだ。
 ヒースは、脳の透明中隔にある快感中枢を刺激すれば、
この徴候をコントロールできることを発見した。
・・・透明中隔は人間の感情のさまざまな面について
重要な役割を果たす部位なのだ。この部位を刺激すると、
怒りのさなかにある患者も安静になり、不安は軽減され、
微笑みやくすくす笑いが自然と起こる。患者が、
自分は医師をどんなに愛していて、病院にいるのは
どんなんにすばらしいことかと、いきなり語り始める
ことも多くあった。
(p.219)

  (1964年)当時イェール大学で研究していた
デルガードは、電気で脳に干渉するという前代未聞の能力を
実演して見せたのだ。送信機のボタンを押すと、
雄牛の頭に載せた受信機に信号が送られる。雄牛の脳の
奥深くにある海馬には電極が埋め込んであって、
受信機はその電極にパルスを送る。すると、雄牛は
攻撃する気を突然なくして、平静な感覚に導かれる。
デルガードが信号を送っている限り、雄牛は
おとなしくしている。闘牛士が雄牛を怒らせようとしても
ムダだった。反対に、別のボタンを押して、雄牛の辺縁系の
別の部分を刺激することも可能で、すると、雄牛はそのとき
何をしていようと即座に怒り狂う。
 デルガードは、同様の実験をチンパンジーなどの霊長類でも
行い、電気によって、睡眠や食欲、性的興奮、攻撃衝動、
さらには社会的行動さえもコントロールできるという結果を
得た。たいていの場合、パチンとスイッチを入れるだけで
行動を変化させることができた。起きて警戒態勢にあった
サルが、脳のしかるべき部位に電流を送るだけで、
ほんの数秒のうちに眠ってしまうのだ。これ以外の行動も、
同じようにすばやく変化させることができた。
(p.p.218-219)


  人工神経装具を感情コントロールに使う場合、
おそらくいちばん意外性に富んでいるのは治療以外の
使用法だ。脳から脳へと、直接に感情を送受信できる
という可能性があるのだ。脳の感情中枢で発生する
ニューロンのインパルスをモニターして、それと同様な
パターン(おそらく強度を下げて)他人の脳に送ることが
できるかもしれない。感覚野や運動野の活動を記録して
後で再生できるように、感情に関係する領域の活動も
記録しておき、あとで自分の脳で、あるいは他人の脳で
再生する、といったようなことができるかもしれない。
(p.221)


 (心の中で、ある旋律を思い浮かべ、それを、つれあいの
脳に直接送ってみると)つれあいは同じようにイメージを
返してよこす。この信じがたいようなコミュニケーション
方法を探索するうちに、感情や、抽象的な考えまでも送れる
ことがわかった。ひとつの会話のなかで、言葉やイメージ、
音、感覚を行き来するのも可能だ。その夜は、感覚や感情を
たがいに開放したままでの、つれあいとのセックス。
その親密さは、ほかにたとえるすべもなく、途方もなく
圧倒的なものなので、たじたじとなってしまう。しかし、
いずれまたやってみることになるのはわかっている。
・・・このシナリオはSFであるが、出てくるのは、すべて、
すでに本書で紹介した研究を基盤としたものばかりだ。
現在までに脳についてわかっていることからすると、
ここ数十年のうちに、私たちは知的活動とコンピューター
とをかなり深い度合いで接続できるようになり・・
(p.p.232-233)

『マインド・コンロトールの拡張』 浜田至宇



[ 言葉の送受信 ]

無線の歴史でもそうだが、モールス信号による通信の
次にはアナログによる言葉の通信が始まる。
マイクロ波の聴覚効果の応用もこれと同じ発展の道をたどる。
この実験は先に紹介したパンドラ計画に参加した
ウォルター・リード陸軍研究所のジョゼフ・シャープと
マーク・グローブによって行われている。ガイの
モールス信号の実験 () と同じ1973年のことだ。
(※アーサー ガイによる実験=何の受信器も使用せずに、
頭部へのマイクロ波照射によりモールス信号を聞き取る実験)
彼らは一音節の簡単な英単語のいくつかを選び、
その音の振動をアナログ録音して、波の形に合わせて
パルス波を送信するという実験を行った。
そして、彼ら自身が被検体となり、このように変調された
マイクロ波を自分たちの頭にむけて照射した。
実験は成功だった。彼らは英単語を頭の中で聴く事ができた。
 残念なことに彼らの研究は
論文が公表されていないので詳しいことがわかっていない。
我々が知ることができるのは他の研究者とも
私信によって明らかにされた内容だけで、
細かい研究内容はまだ秘密のようだ。彼らの研究は
パンドラ計画の一環として行われ、その内容は
同プロジェクトの多くの研究と同様に公開されていない。
その僅かにわかっている情報によれば、
頭の中に聞こえる声は「人口咽頭」で話す声に似たもの
だったという。また彼らの実験は一音節の簡単な単語の実験で
終わってしまい。より複雑な単語や文章などの
送信のための実験は、照射される電磁波が安全基準である
10ミリワット/平方センチメートルを超えてしまう
という危険があったので実施されることがなかったという。
声の送信はその後どのように進んでいったのだろうか。
残念ながらその情報は見つけだすことができなかった。
しかし、秘密研究によりさらに進んだ応用が可能
となっているであろうことが十分に考えられるのではないか。
「声」を聴くというマインド・コントロールの犠牲者
と呼ばれる人たちの主張の根拠がここに隠されているのかもしれない。

(p.212-)

『脳研究の最前線 下』理化学研究所

・・・ここ100年の間にSFで語られたテーマの多くが

現実のものになっています・・・

近年、現実味を帯びてきたもののひとつに、

脳とコンピュータをつなぐというテーマがあります。

  例えば、映画『マトリックス』では、登場人物が

・・・脳につながるインターフェイスを介して、

電子ネットワークの中の仮想空間に入り込みます。

体は物理的にまったくうごかしていないのに、

脳波仮想空間の中を、体を動かしてどんどん歩き回ります。

  ・・・これは全くの荒唐無稽なアイデアなのでしょうか?

いいえ、そのようなことはないと思います。

それは脳という一つのシステムがだまされやすいシステムである

ことを物語っているのです。

p.p.65-66

 

・・・神経細胞が見せた選択的な可塑性の発見は

きわめて驚くべきことでした・・・

例えるなら、地球の裏側に居る、会ったこともない、

存在すらわからない誰かの手の上げ下げを、

自分が考えただけで制御できるようなものです。

(p.103)