Friday, November 16, 2018

『闇に魅入られた科学者たち:人体実験は何を生んだのか』

Nihon Hoso Kyokai. (2018). Yami ni mirareta kagakushatachi: Jintai jikken wa nani o unda noka. Enueichikeshuppan. 

 アブグレイブ捕虜虐待事件から11年後の二〇一五年の春、ニューヨーク・タイムズ紙や非営利放送局デモクラシー・ナウ!が驚くべき内容のメールをスクープした。アメリカ心理学会と、CIAや軍とのやりとりである。倫理に関する方針変更について…CIAや国防総省の意向を汲んだものだった。心理学会が組織的にCIAや軍と深く結びつき、主体的に尋問に関与していたことが白日のもとにさらされたのだ。
 同年七月、アメリカ心理学会はようやく、「尋問への関与」と「その事実の隠蔽」を認め、謝罪した。学会の中枢を担ってきた幹部は辞任。p.p.216-217

Tuesday, November 6, 2018

Smith, J.E.,『気象兵器・地震兵器・HAARP・ケムトレイル』

Smith, J. E., & Fulford, B. (2010). Kishō heiki jishin heiki hāpu kemutoreiru: Kankyō kaihen de sekai shihai o mokuromu gunji puroguramu. Tōkyō: Seikō Shobō. 


 HAARPの基盤になっていると考えられるAPTI社の特許群においては、ジェット気流を動かして気象を操作することや、別の技術を用いて意図的に洪水や旱魃を引き起こすことなどが公然と語られている。また、電離層を上昇させて宇宙空間まで拡げ、通過した電子装置(接近するICBMやスパイ衛星など)をすべて、電荷を帯びたプラズマで破壊するといった特許まである。(p.24)

二〇〇八年八月、ロシアの下院がHAARPに対し、「従来と質的に異なる新型兵器」の開発計画であるとして懸念を表明した。
…米国がHAARPの名の下で国際社会の規制を受けずに大規模な科学実験の計画を進めており、無線通信の妨害、宇宙船やロケットの装置の破壊、送電網や石油・ガスパイプラインへの深刻な打撃、地域全体の住民の精神的健康に悪影響をもたらすといったことが可能な兵器の開発を目指していると主張している。
 このような大規模な地球物理学的実験を国際的に禁止することを求める嘆願書にロシア議会の九十人の議員が署名し、プーチン大統領や、国連をはじめとする国際機関、国連加盟国の議会と首脳に送られたほか、科学界やマスコミにも伝えられた。(p.p.24-25)


研究報告書「空軍2025」が暗示する近未来の戦争デザイン

米国でも過去に、悪意に基づく環境改変がいくつか行われている。一八四〇年代、政府は北米地域の先住民と一連の戦争を繰り広げていた(インディアン戦争)。…政府は[先住民の生活基盤の]バッファローさえいなければインディアンは自滅すると考え、何千人ものハンターを雇って数千万頭のバッファローを殺させた。これによりバッファローは絶滅寸前に追い込まれ、インディアンは降伏せざるを得なかった。
 それから百年後、米軍が東南アジアで同様のことを行っている。…密林が敵の住み処になっていることに目を付け、オレンジ剤やホワイト剤などの数百万ガロンの枯れ葉剤を散布したのである。
 また、これと並行して、気象を攻撃に利用することも企てられた。「ポパイ作戦」と名付けられたこの作戦では、ベトコンの補給線(ホーチミン・ルート)上空で雲の種まき(クラウドシーディング)が実施され、未舗装の道路を豪雨でぬかるませて輸送能力を奪うことが試みられた。(p.p.36-37)


ツナミ兵器開発の秘密計画「プロジェクト・シール」


『ニュージーランドヘラルド』紙のユージーン・ビンガム記者が二度にわたって‥「プロジェクト・シール」という驚くべき計画の存在を伝えているのだ。最初の記事は、一九九九年九月二十五日に「戦時中のニュージーランドの驚くべき秘密――津波爆弾』という見出しで同紙に掲載された。
  ‥陸軍に所属していたオークランド大学のトーマス・リーチ教授が、一九四四年と四五年に海中で複数の爆弾を爆発させて、ファンガパラオで小規模な津波を発生させていた。‥米国の国防幹部は計画が戦争終結前に達成されていれば原子爆弾に匹敵する役目を果たしていた可能性があるとしている。(p.p.86-87)

厳重に隠蔽されるHAARPの実像

「区画化(compartmentalization)」も、軍が情報を隠す重要な手口の1つである。区画化とは、作戦に関わるすべての人員や部隊に、任務を果たすのに必要な情報しか与えないというもので、古代より軍隊が用いている方法だ。…HAARPの施設でアラスカ大学の学生と教授がやっているのは、プロジェクトのいわば「現場仕事」である。…彼らはおそらく必要最低限の情報しか知らされておらず、プロジェクトに“裏(非合法作戦)”の側面があることには気づいていない。そのため彼らは「それらしく否定する」のを常としている。(p.99)

「地球が燃える日」と東海大学創立者の知見

ホワイトフォード教授は…核実験が始まる前の二十世紀前半の地震の発生率と、一九五〇年から一九八八年までの発生率を単純比較してみた。結果、核実験が始まる前の五〇年間、マグニチュード五・八を超える大型地震は平均して年間六八回発生していたことがわかった。一方、実験が始まった後では、平均して年間一二七回と数が「急激に跳ね上がって」いた。(p.62)

HAARPの基盤となっている理論

 バーテル博士は『戦争はいかに地球を破壊するか』で、次のように述べている。
 一〇ヘルツのEFLは容易に人体を通過することができ、脳波の周波数に対応するので人間の思考を混乱させるかもしれないという懸念がある。(p.p.108-109)

国防総省の研究機関DARPAの役割

 DARPAには八つの研究室があり、HAARPはそのうちの戦術研究室に属している。(p.138)

現出する「ミッション・トゥ・マーズ」の世界


 私は前著『HAARP―陰謀の究極兵器』でHAARPの送信電波の科学的原理を詳しく説明し、人の脳の活動と同じ周波数の極低周波で世界を満たすことを目論んでいる可能性があることを述べた。HAARP関係者と米海軍は、深海の潜水艦との通信時にそのような弊害が生じることを認めている。HAARPを使えば、私たち全員の頭に目に見えないパーシンガー・ヘルメットをかぶせることができるかもしれないわけだ。(p.172)

大気を兵器にする時代が既に到来している

 HAARPは高周波“能動”オーロラ研究プログラムであり、受動的な観測のようなものではない。能動的に働きかけ、大気を改変しようという研究なのだ。「HAARPを用いた応用・研究の可能性」という報告書にもあるように、HAARPは純粋な研究から軍事・民間への応用に移行」することを想定している。(p.174)

化学雲(ケムトレイル)の背後に隠される計画と目的

 ケムトレイルとされているものはどうやら単一の現象ではなく、複数の計画や目的があるようなのだ。‥さまざまな人々が、さまざまな目的で、環境中に驚くほどの種類のエアロゾルを放出していることが明らかになっている。…エアロゾルは現実の問題であり、科学関連の専門書でもそのことは認められている。(p.34) 

飛行機雲(コントレイル)はなぜ化学雲に変化したのか

  一般公開されている文書に、民間組織や学術機関、複数の国の政府機関が数十年前からヨウ化銀やバリウムなどの物質を大気に撒いていることが記録されているのである…。これらの化学物質は、気球、航空機、ロケット、山頂に常設された施設などから散布されてきた。(p.181)
ケムトレイル_航空整備士の内部告発
『気象兵器・地震兵器・HAARP・ケムトレイル』掲載

日本に襲いかかる地震・気象兵器—ベンジャミン・フルフォード(監訳者解説)

地震兵器を使った対日攻撃計画が存在した

…アメリカ政府が公開した過去の秘密文書「NNO857139」‥によれば一九四四年に現在のCIA(米中央情報局)の前身OSS(米戦略事務局)が作成した「地震を使った対日心理作戦計画」には、日本近海の海底に爆弾を仕掛け、地震と津波を起こそうとしたことが明記されている。‥そこには「地震を恐れる日本人の特性を利用し、地獄に呑み込まれたと思わせる必要がある」と書かれている。
…さらに見つけたのは、冷戦下にあった旧ソ連とアメリカの間で、お互いに地震兵器を使用して攻撃するのはやめようという取り決め、条約を結んでいたことだった。[※1977年日本を含む48か国が署名した『環境改変技術の軍事的使用その他の敵対的使用の禁止に関する条約』参照]…一九九七年四月二十八日のウイリアム・コーヘン国防長官(当時)の記者会見での発言を思い出してほしい。
 
一部の国がエボラウィルスのような病原体を造ろうとしてきたことを示す報告書が複数存在する。そんなことが現実になれば、控えめに言っても極めて危険な事態になるだろう。アルビン・トフラーも「特定の人種や民族を抹殺するため、一部の科学者が人種に特異的に作用する病原体を生み出そうとしている」と記している。特定の作物を狙い撃ちにする技術や昆虫を開発する動きもある。電磁波で遠くから火山の噴火や地震を人為的に起こしたり、気候を変えたりする環境テロに手を染める者たちもいる。[多くの優秀な頭脳が、他国を恐怖に陥れる方法を探している。これは現実に起こっていることであり、我々も対策を強化しなければならない。]

* Alvin Toeffler has written about this in terms of some scientists in their laboratories trying to devise certain types of pathogens that would be ethnic specific so that they could just eliminate certain ethnic groups and races; and others are designing some sort of engineering, some sort of insects that can destroy specific crops. Others are engaging even in an eco- type of terrorism whereby they can alter the climate, set off earthquakes, volcanoes remotely through the use of electromagnetic waves.
DoD News Briefing: Secretary of Defense William S. Cohen (Wikiquote)

‥コーヘン国防長官のこの発言はもちろん、ペンタゴンのホームページにも掲載されている。(p.p.314-315)

ポーランド大統領搭乗機墜落事故の真相

二〇一〇年四月十日、ロシア・スモレンクス空港近くで起きた飛行機の墜落により、ポーランドのカチンスキ大統領やクレメル外務次官、スクシペク中央銀行総裁をはじめとする「反露親米派」の政府首脳陣、政財界人、軍幹部のほぼ全員がその飛行機に乗り合わせて犠牲となった。
…「カチンの森事件」の追悼式の日に、それをなぞらえたように再びロシアがポーランド政府の幹部を皆殺しにするというのはやり方が安易だし、あまりにも皮肉すぎる。今ではこれも欧米闇政府による凶行で、従来の欧米金融システムからの脱却に傾くポーランドへの脅しであった、と僕は判断している。(p.p.323-324)


出迎えのために先に現地入りしていて難を逃れたポーランド政府関係者が、墜落現場に急行し、目撃していたのだという。そしてそのとき、その人物は墜落の現場で何名かが射殺されている光景をカメラに収めている。その後、その人物は何者かによって刺殺されてしまった。だが、彼が撮った映像はまだネット上で流布されている。(p.326)


* KATASTROFA SAMOLOTU SMOLENSK PIERWSZE NAGRANIE NAPISY
  (AIRPLANE OF SMOLENSK FIRST RECORDING RECORDS)
https://www.youtube.com/watch?v=PxIFh3NkEvM

Saturday, October 13, 2018

福本潤一 他『カルト創価の終焉』

Fukumoto, J., & Kotani, H. (2010). Karuto sōka no shūen: Ikeda daisaku naki ato no miraizu. Tōkyō: Nisshinhōdō. 

公明党に”捻じ曲げられた法案”

1.ストーカー防止法

世間では、創価学会が組織的に嫌がらせ行為やストーカー行為を日常化しているということを知っています
それは、個人のプライバシーの侵害として、最寄の自治体に苦情を持ち込んでも警察に訴えても、一向に動こうとしないからです。
…その主な原因は、公明党が与党にいますから、この法案の原案を検討した時、創価学会に類が及ばないように、 このストーカーの対象を「恋愛感情をもってのつきまとい行為」のみと限定してしまいました。ですから、矢野元公明党委員長をはじめ、多くの人たちが創価学会からつきまとい行為の被害を受けても、この「ストーカー防止法」には該当しないことになり、民法で対応するしかありません。 


2:個人情報保護法 

同窓会名簿や県人会名簿などの名簿類を、目的以外に使用されることを禁止したこの法律も、選挙と宗教活動使用については、例外としたことです。これも、政治活動、宗教活動の利益を考えた与党としての配慮からでしょう。 

3:組織犯罪防止法(盗聴法) 

この法律も、公明党の働きで対象の中の「宗教団体」をはずさせました。創価学会は昔から盗聴教団といわれているほど陰湿な謀略行為をしてきました。近年にはNTTドコモ盗聴事件がありました。古くは、学会本部職員たちが、共産党の宮本顕治委員長宅を盗聴していた歴史があります。(p.p.106-108)

各界に進出する東大OB

 近年、創価学会に絡む事案が、地域社会でいろいろ起こっています。被害者が警察に訴え出ても警察官の対応に問題があり、警察に疑問を抱いている人が多くなっています。(p.150)

黒田大輔『「きもカルト」撃退記』

Kuroda, D. (2010). Kimokaruto gekitaiki: Sōka gakkaiin ya shinpa tono owarai shinken batoru zenkiroku. Tōkyō: Nisshin Hōdō. 

この警察官Aは、公明党関係者らしき年配の男の名刺を手にしていた。前述の会話内容を見れば分かるとおり、警察官Aは、終始、創価学会に寄った態度であった。
…都議会で警察予算を握った公明党の権力に阿るような警察官が少数ながら存在することも事実であるから、事情聴取の名目で我々を足止めするよう、現場で依頼があったと疑われても仕方がない。(p.p.57-58)


交番の周りで監視を続けるガラの悪いカルト信者を何度も指差す。警察官達も、困った表情をしながら頷いていた。…警察官の中にも、創価学会や公明党を苦々しく思っている人はかなり多い。内心では我々のことを応援したくとも、公明党からの圧力もあるし、本音は決して言えないのだろう。(p.99)

Wednesday, September 26, 2018

Harding,『Snowden Files』

Harding, L., & Miki, T. (2014). Sunoden fairu: Chikyujo de mottomo owarete iru otoko no shinjitsu. Nikkeibipisha. 

(The Original Book: Harding, L. (2014). The Snowden files: The inside story of the world's most wanted man.) 

「あなたのしていることは犯罪です。たぶん一生監獄に入れられるでしょう。なぜそんなことをするのですか?それだけの価値があるのですか?」
スノーデンの答えはマカスキルを納得させた。「私たちは政府の違法行為を嫌というほど見てきました。私のことを悪く言うのはおかど違いです。彼らは人々の自由を狭めています」
彼は自分の身にはろくなことが起こらないだろうと覚悟はしていたが、決断を悔いてはいないし、「発言や行動のすべてが記録される」世界には住みたくないと言った。「NSAはほぼあらゆるものを傍受できるインフラを築き上げました。…」連邦機関はインターネットを乗っ取った、と彼は言った。それは全国民の監視マシンへと変貌をとげたのだ。(p.110)

Tuesday, August 7, 2018

孫崎享, et al.『いま語らねばならない戦前史の真相』

Magosaki, U., & Suzuki, K. (2014). Ima kataraneba naranai senzenshi no shinsō.

アメリカの謀

 アメリカの謀略で重要なものにノーフォーク事件というのがあります。アメリカの隣に、社会主義のキューバという国ができた。アメリカの軍部は潰さなければいけないと思ったが、いきなり軍事力で出て行ったら、国内世論に叩かれるので大変なマイナスです。ここで謀略があったという記録、参謀総長まであがった文献が出てきます。

…まずアメリカの客船を、ミグの形に改造した米軍機が攻撃するのです。定期便が交差する時間帯、空域を選んで攻撃すれば、定期便に乗っている人が誰か見ていて、攻撃した飛行機はミグの形をしていたと証言が得られます。ミグならば、すなわちキューバという事になります。攻撃される客船には、夏休みの学生を乗せておいたのです。
 この資料はケネディ暗殺と関係して、アメリカの公文書館から出てきました。その中に、この作戦の決裁書類が入っていました。国家のためなら、一般民間人を殺すのは平気なのです。(孫崎, p.p.150-151)


メディアの役割

 日本をこれだけおかしくしている一因はマスコミです。そのマスコミに対して、いま明らかに起こっている現象が政治の介入です。
      […]
 一番顕著なのは原発関連です。例えばテレビに出ていた鳥越俊太郎さんは、原発についての意見を述べて、一発で降ろされたと言っていました。新しい番組になって、鳥越さんだけがはずされてスタートしている。なぜかと言えば、原発に対する姿勢、反原発です。それしかない。そういうかたちで、何か政権にとってマイナスの発言をしたらはずす。発言した人だけでなく、ディレクターとかスタッフまではずされていくというかたちでの圧力が激しくなっています。(孫崎, p.p.183-184)

孫崎享講演会  『戦後史の正体を暴く』~日米同盟と原発

Saturday, July 28, 2018

Dolman,『21世紀の戦争テクノロジー』

Dolman, E. C., & Momoi, R. (2016). 21seiki no senso tekunoroji: Kagaku ga kaeru mirai no senso

Original Book: Dolman, E. C. (2016). Can science end war?. Malden, MA: Polity Press. 

ミクロの戦争――小さいもので思いのまま

ミクロからナノレベルの戦争のおそろしさは、おもに人工感染症にある。…多くは人間が新しくつくり出した病気やウイルスだが、既知の病原体を使うこともできる。…最も簡単な方法はポリオやチフスやインフルエンザのような既存のウイルスを使うことである。…ヒトゲノムマップ(インターネットで手に入る)と化学実験器具があれば医学生にもできる。(Paxman, Jeremy, and Robert Harris. A Higher Form of Killing., New York: Random House, 2011)  最悪なのは、人類を破滅させるつもりなどなくても、新しい致死性のウイルスができてしまうことである。(p.p.115-116)


バイオテクノロジーの善用はDNA操作による人体の改造である。(Shanks, Peter, Human Genetic Engineering: A Guide for Activists, Skeptics and The Very Perplexed, New York: Avalon, 2005) たとえばエンドルフィンの産生をうながす遺伝子のコピーを注射し、痛みを軽減して耐性を刺激する。…遺伝子挿入はさらに先へ進み、遺伝形質を種の異なる生きものに挿入する研究が進められている。この技術を使えば、人間の視力をたとえば猛禽のレベルにまで上げることができるかもしれない。皮膚に保護用の鱗を生やしたりワニのような固く頑丈な皮膚にしたりもできる。コウモリのような音波探知の遺伝コードを導入すれば、真っ暗な闇のなかでも自由に動きまわれる。このような技術が普通に使われるようになるまでにはまだ何年かかかるだろうが、理論と技術はすでに実証されている。(p.p.117)

非致死性兵器の警戒すべき例


視覚兵器

 今日では、一時的に目を見えなくするレーザーの開発に力が入れられているが、この兵器の問題は人によって光の刺激に対する反応が違い、視力の喪失が一時的ですまないケースがあることだ。…レーザーポインターが普及した現在、いたずらでレーザーを照射されたという報告が航空機のパイロットから多数寄せられており、愚か者がハイテク機器を使って悪ふざけすることから安全面の問題が浮上している。…相手が車両を運転していれば人や物に衝突してしまうかもしれず、それは[攻撃側の]意図した結果ではないだろう(副次的被害の低減という観点で好ましくない)。

…対人攻撃に使われる指向性エネルギー兵器は視覚を奪う効果が最も大きいが、ほかにも効果はいろいろある。ストロボ閃光は素因のある人に癲癇の発作を引き起こし、そうでない人にも頭痛や意思決定力の低下から無気力までさまざまな一時的機能停止を起こさせる。敵は疲労からしだいに神経過敏になり、さらには睡眠を妨害されるので士気を阻喪する。(p.p.94-95)

音響兵器

 音響兵器はさまざまな不快感をあたえる。その一つが音の「弾丸」を発射し、激しい苦痛で相手を無力化する高強度指向性音響効果(HIDA)である。神経ガスに似て、方向感覚の失調やめまい、吐き気、嘔吐、かゆみ、失神、頭痛などをもたらす。…高輝度ストロボ閃光と組み合わせれば癲癇のような症状が現れる。その効果は驚くべきものだ。

 音響兵器の大半は、暴動やデモのときに群衆を統御し解散させる目的で低周波を利用する。音は非常に低く、人間には聞こえない。ところがありとあらゆるかたちで肉体に苦痛を与える。(p.p.96-97)


悪臭兵器

…嗅覚を襲う兵器、悪臭弾(臭気剤)である。…心理作戦と併用する場合にはその文化で嫌われているものが使われ、腐敗臭を体にこびりつかせられれば、嘲笑されたりつまはじきにされたりする。臭いがあまりにひどくて — 皮膚に染み込むと、どんなに洗ってもとれない — 誰も近づかなくなる。

 イスラエルはすでに群衆の統制に「スカンク」という名称のシステムを使っている。…「腐った肉と洗わずに放っておいた靴下の臭いを混ぜて、下水から漂う臭気を足したような臭い」だという。(Davies, Wyre. "New Israeli Weapon Kicks up Stinks," BBC News, Jerusalem, October 2, 2008. Online, http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/7646894.stm )  

ともあれ、スカンクは車に搭載した放水銃から噴霧され、群衆を追い散らす。しかも非常にしつこい臭いだ。皮膚につくと三日は落とせず、衣服についた場合はすっかり消えるまでに五年もかかることがある。(p.p.97-98)

焼夷兵器

 二〇一〇年に、アメリカ軍は群衆制御と特定の作戦にアクティブ・ディナイアル・システム(ADS)を導入した。…ADSでミリ波を皮膚に二秒間照射すると、約〇・〇四ミリメートルの深さまで浸透し、火で焼かれたように感じる。…この兵器のお披露目に要人や記者が招待され、多くが実際に体験してみた。我慢できた者はなく、みな跳び上がったり腕を振り上げたり、もっていた物を取り落としたりした。

電磁兵器

 電力供給網、発電設備、情報システムを麻痺させる目的で設計されたこの兵器は、強力な電磁エネルギーを瞬間的に放出し、電子機器に過剰な電流を流してショートさせるのだ。都市一つ分ほどの広域内の電気設備を破壊するのに使えるだろう。

 もう一つ開発中の指向性エネルギー兵器は、波動エネルギー弾(PEP)である。発射されたレーザーが人や物に接触するとプラズマが生成されて広がり、打たれた人は衝撃で倒れて意識を失い、後遺症として痛みや吐き気、めまいが残る。(p.p.100-101)