Sunday, October 8, 2017

池谷裕二『脳には妙なクセがある』

ikegaya, . (2013). Nō niwa myōna kuse ga aru. Tōkyō: Fusōsha.

どの脳部位が何を担当しているかを示す脳範囲

…脳を直接電気刺激して調べた実験があります。…ある場所を刺激すると耳に何かが触れた感じがしたり、また別の場所を刺激すると視野に光が見えたり、昔の記憶が蘇ったりします。こんな実験を繰り返すと、どの脳部位がなにを担当しているかという「脳地図」が描けます。

(Sirigu, A. et al. Movement intention after parietal cortex stimulation in humans. 2009)


「自己認識された自分」と「他者が見た自分」

[脳を直接電気刺激する実験で]頭頂葉[parietal lobe]のある場所を刺激したところ、手や腕や唇など、身体の特定のパーツを動かしたくなりました。動かしたいという「意志」が電気刺激で生まれるわけです。 ただし実際には動かしてないことに注意してください。欲求のみが生まれるのです。つまり頭頂葉は「意志の宿る脳回路」です。

…[「前運動野」という部位]を刺激すると、刺激場所に応じた身体のパーツが実際に動きます。…ところが実際に動いているにもかかわらず、本人には「動いた」という自覚がありません。
(p.p.267-270)


カリフォルニア大学のアディン博士らが行った実験によれば、TMSという装置[*Transcranial Magnetic Stimulation: 狙った脳回路を短期間だけ不活性化させる磁気刺激装置]を使って右側の「頭頂葉」の下部を麻痺させると、写真に映った[自分の]顔が自分なのか他人なのか区別できなくなってしまうようです。頭頂葉は時空認識に大切な脳部位とされています。この実験から「自分」という存在は、脳内の時空の中で創作されていることが想像されます。
(Uddin, LQ. et al, rTMS to the right inferior parietal lobule disrupts self-other discrimination. 2006)

(p.298)

Picture borrowed from Center For Brain

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