Thursday, May 4, 2017

加藤久晴『原発・テレビの荒野 : 政府・電力会社のテレビコントロール』

Katō, H. (2012). Genpatsu, terebi no kōya: Seifu, denryoku-gaisha no terebi kontorōru. Tōkyō: Ōtsuki Shoten.

関西電力の監視

電力会社側に立って、堂々(?)と報道を監視している局もあった。
1972年当時の関西テレビ(フジテレビ系列)であるが、マスタールームには次のような掲示が、目立つように張りつけてあった。
「左記の三項目のニュースの場合、関西電力は番組提供を行わない。
1. 関西電力を含む電力会社の設備事故。
2. 加害者が関西電力の場合の人身事故。
3. 電力会社が公害訴訟ならびに損害賠償訴訟の被告となる場合。ただし、大阪府の公害対策審議会、関西電力側の公害対策に関する談話は含まない」」

当時、関西電力は、公害反対運動や原発反対運動の対策に頭を痛めていたので、こうした運動を扱ったニュースについては一切の報道まかりならぬ、ということなのだろう。(p.p.84-85)

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なぜ助手のままなのか


記者が聞きにくいことを小出[祐章]氏に聞く。
「なんで先生は助手のままなんですか?」
「ここは京都大学という国立大学の一部なんです。日本政府は原発を推進しているので、国の機関にいる人間が国にたてついているのがあまりおもしろくないのでしょう」(p.208)


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パージされる芸能人


[忌野清志郎は]1988年、『サマータイムブルース』を東芝レコードから出そうとしたところ発売中止を申し渡された。“原発いらねえ、ミルク飲みてえ”などの部分が引っかかったのだ。・・忌野清志郎が亡くなると、たくさんのラジオ局やテレビ局が追悼番組を放送したが、どの曲も『サマータイムブルース』を流していない。(p.p.226-227)

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山本太郎を抑え込む構成


山本太郎は2011年4月9日のツイッターに、「黙ってテロ国家日本の片棒担げぬ」、と書き、反原発の意思表示をしたのだが、そのあと7月から出演予定のテレビドラマを降ろされ・・仕事は宣言以前と比べると10分の1に減った。それでも山本は活動を止めずチェルノブイリにも出掛けた。(p.p.229-230)

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