Friday, April 21, 2017

海渡雄一『反原発へのいやがらせ全記錄: 原子力ムラの品性を嗤う』

In Kaido, Y. (2014). Han genpatsu e no iyagarase zenkiroku: Genshiryokumura no hinsei o warau = The Series of disturbance against antinuclear power movement : ingloriousness of Japan's nuclear power village.

動燃の反原発運動対策と夫の謎の死をめぐって

1995年12月8日・・「もんじゅ」で発生したナトリウム漏えい事故。・・動燃による事故の様子を撮影したビデオ隠しが問題となったが、この問題に絡んで一人の動燃職員が命を落とした。・・妻のトシ子さんは、成生さんの死因が自殺とされたことに疑問を持ち、夫の死の真相を求めて、動燃を相手取って訴訟を闘ってきた。(p.73)


遺書にあきらかに別人の文字。考えられない誤字も

西村 霊安室で警察官から「遺書です」と言って渡されたました。遺体は殴られたみたいになっているのに、遺書は主人の筆跡で、これは書かされたなって直感しました。(p.77)
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犯人像と狙いを推理する

活動家の尾行と写真の送付
➡身の危険を感じさせる脅し


・・目的は、明らかに「お前の行動は監視されているぞ」「このまま活動を続ければ、本人や子どもなどに危害を加えるぞ」ということをほのめかした脅迫であろう。・・自宅がどこにあるかを知り、これらの活動家を追跡する時間[ヒマ]と技術を持っている集団が関与していなければ不可能である。公安機関か、電力会社内などの住民運動担当の追尾作業という活動が、この嫌がらせの基盤にはあることがわかる。

違法行為の誇示
➡恐怖感を与える

 違法に入手された公的機関の内部文書、信書、JRの切符など、通常では絶対に手に入らないような物件を詰めて郵送してくる行為から考えられるのは、いやがらせを敢行している集団が、違法な行為をしていることを見せつけることが狙いだったのではないかということだ。彼らが法の取り締まりも受けない、超法規的存在であることを示し、原発反対運動を行っている者に、底知れぬ恐怖感を与えようとしたものと考えるしかないだろう。

世界各地から郵便物を送り付けてくる
➡勢力を誇示し、恐怖感を植え付ける

大変な費用と物量を要するオペレーションであるが、いやがらせを敢行している集団が世界的な広がりを持つ、巨大な集団であり、これに刃向かっても無駄であると思い知らせ、恐怖感を植え付け、運動からの離脱を狙ったものであろう。(p.p.25-26)

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