Friday, August 4, 2017

原田宏二『警察内部告発者』

Harada, K. (2005). Keisatsu naibu kokuhatsusha =: Whistle blower. Tōkyō: Kōdansha.

 一九七七年ごろから全国各地で発生した北朝鮮工作員による日本人拉致事件は、本来こうした犯罪を取り締まり検挙する外事警察の仕事である。しかし、日本の外事警察は、じつに無能だったのである。外国の犯罪行為は、多くの善良な国民の運命を変え命をも奪ったのだ。警察はいったい何をやっていたのだと批判されても仕方がないだろう。(p.p.301-302)

 警備・公安警察は、情報収集活動においては非合法な手段を取ることも辞さない。私自身、警備・公安警察の経験者から「情報収集のために密かに他人の家に侵入したり、書類を盗み出したりした」という話を幾度も聞いたことがある。

…彼らは、刑事を"泥ケイ"といって内心さげすんでいる。泥棒の一人や二人を捕まえたとしても、国の安全とはなんの関係もない。自分たちは、国の安全を守っている、という自負が彼らにはあるのだ。しかし彼らは事件の検挙に必要な実務能力という点では明らかにレベルが低い。(p.p.303-304)

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