Saturday, October 29, 2011

実験神経症 [英]experimental neurosis

『精神医学事典』加藤正明、保崎秀夫ほか編集

実験神経症 []experimental neurosis

パブロフI.P. Pavlovの研究以来実験精神病理学者の関心を引き、多くの研究がなされてきたがその現象は多義的である。被験体としては犬、猫、山羊、豚、猿、白ネズミ、魚類などが主だが、人間の子供も用いられた。症状としては元来静かな生体が興奮し、学習は崩れ不安定となり、激しい運動暴発や攻撃または強い制止状態におち入り、長期にわたり回復安定することがない。発生条件としては、(1)強い電撃で唾液条件反射を形成し、その刺激部位を移動した場合(Yerofeevaの実験)(2)弁別不能の近似刺激間になお弁別を強制した場合(Shenger-Krestovnikova)(3)興奮型の生体に延滞条件づけ時間を延ばしていった場合(Petrova),(4)制止型の生体に過緊張を強いる危険的刺激が急激に加わった場合(Speransky),(5)拘束状態でストレス刺激が慢性的に加わり、その覚度が生体の耐性を越えた場合(Liddell), (6)神経症への情動的認知的な生得的傾性(Gantt, Dykman),(7)閉鎖空間での有害刺激(Massermanに対するウォルピWolpeやスマートSmartの反証実験)(8)分化条件づけ形成後に条件刺激間の意味を逆転させる"条件性スイッチィング"を繰り返して条件づけを続けていく場合(E. A. Asratyan, 拓植)などの条件が抽出されている。

3 comments:

  1. かなりひどいコインテルプロ被害を長期に受けている方の中には、そこに犯罪性だけでなく人をモルモットにしたような何か実験めいた目的を感じ取っておられる方も多いことと思います。
    この「実験神経症」の理論の実証こそがその目的であり、同意なき人体実験で得られたデータは次の被害者に用いられ、より効率的に精神錯乱などに追い込むための「改良」にやくだたせているようです

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  2. 精神錯乱や人格崩壊を起こさせるために「実験神経症」理論は具体的にどのように応用されているのか知る手がかりとして分かり易い解説をご紹介します。

    「実験による神経症の露呈」

    アメリカのシカゴ大学でマッサーマンがネコを被験体として実験をおこなった。 一連の実験の結果ネコが神経症状を呈することが示された。 実験は次のように行われた。ネコに学習させた条件付けのプロセスであった。

    実験装置に取り付けた明りとベルの音に対して、それが付けられ鳴らされたら餌箱を開けて食べ物を食べるように訓練することであった。
    この訓練が習得されたら、次にネコを不快な目に合わせる。

    それは、ネコが餌箱を開けた瞬間に、実験箱の中に無害ではあるが、 強い空気を吹き付けることによって行われる。このような空気をふきつけられることは、ネコにとってたとえ食べ物を食べない時であっても極めて心理状態を乱されるものであった。

    ネコは空腹を解消しようとすれば、その恐怖に耐えなければならないし、さもなければ空腹を抱えていなければいけない。

    こうした状況下では、ネコは典型的な不安症候群を示すのであった。うずくまり、震えまた毛髪が立ち、その瞳は拡大し、瞼は見開かれる。 さらにその呼吸は早く、浅く、不規則となる。その脈拍も早くなり血圧がきわだって高くなる。

    この結果ネコは急に明りや音を提示されると、ピックして飛び上がり恐怖の様相を示す。さらには狭い空間に入れられたり、その身体を拘束されたりすると、同じようにびくびくし、嫌悪の情を示すのだった。

    このように実験状況での外傷体験(トラウマ)にともなった任意の、本来は中性であるべき刺激に対しても同じように反応するのであった。つまり条件付けされたのである。ネコに限定されず私たちも同じような現象を引き起こすのは想像に難くない。さらに重要なこととして心的状況のみならず心血管、呼吸、脈拍、自然治癒力までも変化を伴ってしまう。

    http://www.natural-scene.jp/article/13936859.htmlより引用

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  3. "Masserman’s Experimental Neurosis"「実験神経症」
    As a general rule, traumatic symptoms are more easily induced in animals when the aversive stimulus is delivered in an environment that the animal has long associated with safety or some type of appetitive event. For example, unpredictable shocks delivered in a setting in which the animal typically eats food are especially likely to induce neurotic symptoms (Masserman, 1943). This suggests that symptoms of PTSD are more likely to arise when a person is, for example, unexpectedly attacked in the safety of his or her own home as opposed to a strange or dangerous area of town. The person who is attacked at home generalizes the experience and perceives the world at large as a dangerous, unpredictable place, with the resultant that he or she thereafter remains constantly vigilant (p369, Russel).

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