Thursday, November 10, 2016

David Lyon『スノーデン・ショック : 民主主義にひそむ監視の脅威』

Lyon, D., tajima, ., Ōtsuka, K., & Niitsu, K. (2016). Sunōden shokku: Minshu shugi ni hisomu kanshi no kyōi. Tōkyō: Iwanamishoten. (The Original title: Surveillance after Snowden)

・・・少なくとも監視の実施に関して三つの局面がとても明白になった。第一に、政府は自国の市民を対象にした大量監視に携わっており、このことは民主主義の基本的な実践に反している。NSAは監視を行っている世界最大の政府機関だが、その活動はアメリカ以外の多くの国々にも反映されている。第二に、企業は互いの利益のために、「所有する」提供データを政府と共有している。・・・とりわけ、インターネット会社は承知の上でかどうかはともかく、個人データを提供すべく共謀している。第三に、とりわけソーシャルメディアにおけるオンライン上での交流や携帯電話の使用を通して、一般市民もまた[個人情報の窃盗に]関りを持っている。そのことを必ずしも自覚しないで、他者とオンライン上で接触するだけで我々は皆、NSAやその他提携機関にデータを提供しているのである。
 ・・・どのインターネット検索であれ、どの電子メールであれ、どのテキストであれ、実際、ルーターかWiFiネットワークのいずれかがあれば、電話のような電子機器を携えて人が行くところはどこであれ、それらにより、コーヒーショップ、教室ないし事務室にある人がいるということは記録されるだろうし、これら各々のものは公的および民間の組織の両方により収集・分析され、データ貯蔵庫に付け足される。
(p.10-11)