Saturday, January 29, 2011

『人格障害の時代』 岡田尊司

  (長い間、服従していた被害者が)人間的に対等な関係に
目覚めたり、実像よりはるかに肥大化した、
はりぼての自分(加害者)の価値に気づいてしまうのではないかと
不安なのです。この点では、暴力をふるっている加害者の側も
決して自信に満ちているわけではありません。見透かされは
しないか、正体を知られはしないかと終始汲々として、
その不安を解消するために相手を暴力で封じ込めようとするのです。
(p.116)

Sunday, January 23, 2011

『警察官の犯罪白書』 宮崎学


  最近はテクノロジーを駆使した統制へと向かって
いるわけだが、いかなる監視、盗聴システムを構築した
としても、うまく機能することはまずない。
・・・(2003年8月5日ケンカの通報で飲食店に)
駆けつけた板橋署の巡査部長が現場の食器棚にあった
現金五千九十三円入りの封筒を盗んだのだが、
この瞬間を防犯カメラがとらえていた。
・・・このように監視する側に不祥事(犯罪)が
絶えないのだから、完全な監視は無理なのである。
(p.92)

(1998年11月)証拠品であるネガを
相模原南署の巡査部長が無断で持ち出し、
それを使って(事件当事者の)女子大生を
恐喝して現金と肉体関係を要求したことが「犯罪」
にならないと(神奈川県警本部長の深山は)強弁。
(p.47)

盗聴で得た情報は当然カネになる。政財界人などに
「カネを出せばライバル企業や敵の情報を教えてやる」
と持ちかけることもできるし、
「あなたの恥ずかしい情報を持っているので
買ってほしい」と言うこともできる。
また、権力者の側から「OOのことを調べてくれ」と
依頼することも考えられる。現在の警官がこうした
“誘惑”に勝てるとは思えない。
(p.13)

「捜査に関係がある」と言えば、納税状況や預金残高など
ほとんど調べられるのだ。もちろん手段は合法的でも本当に
捜査に使っているかどうかは別問題である。
また非合法で企業を直接脅して調べることもあるから、
庶民はもちろん政治家や官僚、財界人の懐具合や
プライバシーは筒抜けである。それらの情報を使って
株を買ってもいいし、恩を着せてスポンサーにさせてもいい
・・・ライバル企業に高く売ることもできる。
(p.95)


   監視体制強化に賛成する人間は「自分は一切悪いことは
していないから監視されても大丈夫。悪い奴はどんどん監視
すればいい」としているが、これは大きな間違いである。
何が良くて、何が悪いかは「その時々の権力」が決めるからだ。
第二次世界大戦下のドイツではユダヤ人がユダヤ人ゆえに、
関東大震災時など戦前・戦中の日本では朝鮮人が朝鮮人ゆえに
虐殺された。中世ヨーロッパの魔女狩りでは、
「自分のオンナにならなかったから」「広い土地を持っている
から」などの理由で、権力者が罪も無い人間を「魔女」
(男も含む)に仕立てて拷問にかけた。
(p.93)


  ところで、盗聴や監視は庶民に対して行なわれる
だけではない。シャブをやっているチンピラの逮捕よりも
警察官僚が大事にしているのは、「身内の情報」である。
  敵対派閥の動向を知るためには、盗聴が手っ取り早い。
一九九九年の盗聴法の成立にはそうした背景もあった。
(p.93)

  大阪高検の元公安部長、三井環は・・・実名で
検察庁の内部告発の記者会見をする直前(つまり
マスコミ取材の当日)に(住民登録に嘘の届け出を
していたという微罪で)逮捕された。・・・三井は
確信にふれる内容を暴露する可能性があった。
表沙汰になれば大騒ぎになっていたのは間違いない。
それを未然に食い止めたのだから、おそらくこれは
盗聴されていたと見てよい。
  ・・・こうしたことに盗聴が活用されるとすれば、
今後は内部告発はほとんどなくなる。情報が筒抜けに
なるのだから、事を起こす前ににぎりつぶされて
しまうという傾向にある。
(p.142)


  トップクラスのアウトローたちは常に盗聴されている
という自覚を持っているから、今さら盗聴といわれても

驚かない。これまでさんざんやられてきたのである。

したがって盗聴そのもので末端のチンピラを引っかける

ことはできても、やくざ組織を壊滅させるということは

無理な話しである。この点でも盗聴法は存在価値のない

法律なのだ。
(p.94)

  ある福岡県警OBは「(その行為は犯罪にもかかわらず)
白紙調書なんかみんなが作っていた・・・」と話す。
「でっち上げ(冤罪)も日常茶飯事で、すべて
組織がらみで行なわれている」(とも語った)
・・・こうした話しは各都道府県警で聞くが
一向になくならない・・・警察自体がなくす気がないからだ。
(p.135)

元兵庫県警の司ひろしによると、特に警察はカネに弱いという。
・・・アウトローたちは「自分たちのしていることは悪い」
と自覚している。だが最近の警察はやくざもびっくり
するようなことをしていながら「正義」をふりかざしている。
(これには市民の“警官性善説”という幻想が前提になって
いるが、警察はカネのために仕事しているにすぎないのだから)
・・卑しいマネをするなら偉そうにするなというだけである。
(p.49)
  日本では公務員が違法行為をしても「犯罪」とは
言わない。「不祥事」と呼ぶのである。「満州事変」以降
十四年間、大本営発表の「連戦連勝」を
「書き写しジャーナリズム」をしていた頃と、
日本の大手マスコミの体質は、現在まですこしも
変わっていない。唯一の救いは・・少人数の
フリーランス・ジャーナリストたちの存在である。
 (あとがきp.238)

『公安警察の手口』 鈴木邦男


  刑事は殺人犯や強盗、泥棒を追いかけ、

日本の治安を守っている・・・・それなのに

公安はロクに事件もないのに態度だけはデカイ
・・・「公安は優秀だし、エリートでしょう」と

(捜査で訪ねてきた刑事にむかって著者が)言うと、

「どこが優秀なもんですか」と刑事は憤る。

「出世が早いのは事実ですよ。でもそれは仕事が楽だし、

暇だからです。だから試験勉強する時間がある。

それだけですよ。」
・・・なるほど一理ある。・・・公安は暇だ。
「日本は俺たちが守っている」と大言壮語しても、

もう左右の過激派もいないから公安事件も少ない。

・・・そして昼間から喫茶店や図書館で勉強している。
(p.p.56-57)

 <ヒマな公安が考え出した“潜在右翼”とは?>

  (右翼の)街宣を聞いたり、庭で木刀の素振りを

したり、神社で祈ったりすることが「活動」と思われ、

潜在右翼のレッテルを貼られる。

・・・高校の剣道部の人だって、学校で練習する分には
いいが、公園や家の庭で練習したらダメだ。

潜在右翼かもしれないと内偵されてしまう。

  (他著引用)・・・このようにリストアップした者を

月に何度と決め、対象者が死ぬまで一生監視する。

・・・対象者がどこへ引越しても、その地元の所轄警察署に

引き継がれ、消されることはない。
公安にしてみれば、潜在右翼を一人発見すれば

警備部長賞がもらえ、実績はぐっと上がる。

(『オマワリさんの華麗なセカイ』山下寛)
(p.p. 106-109)


  あるとき、あまりに頭に来たので、こっちから
尾行しているやつに声をかけた。「何で尾行してるんだ。
名を名乗れ」と。尾行していた公安は、思わぬ逆襲に
たじろいだ。「いや、何も尾行なんかしてませんよ。
私は一般のサラリーマンです。たまたま行く方向が同じ
なだけです」と、しどろもどろに言う。
「一般のサラリーマンだというなら身分証を見せろ」
と服のポケットに手をかけた。
  その瞬間、彼は脱兎の如く逃げ出した。・・こうなると
こっちもいたぶってみたくなる。そして「ドロボーだ。
捕まえてくれ!」と大声で叫んだ。向こうは全速力で逃げる。
こっちも全速力で追いかける。警察官を追いかけるなんて
痛快だ・・・彼は何を思ったか交番に飛び込んだ。
・・「ドロボーだ。逮捕してくれ」と交番のお巡りさんに
交渉したがダメだった。公安だと知って匿ったのだろう。
こっちは暴力的に追い返されてしまった。
(p.p.183-184)

公安第三課は・・おおっぴらだ。名刺も渡すし、一緒に
飯を食い、酒も飲む。・・(たとえ尾行や張り込みでも)
顔を隠さない。堂々としている。これは立派だ。
・・名前を明らかにして仕事をしている。・・だが、
第三課だけが例外なのだ。他の公安は素顔をさらすことはない。
(p.195)


    (公安は)やりたい放題なのだ。・・・交通違反などで
右翼を捕まえても自分たちの得点にはならない。捕まえるなら、
もっと大きなことで捕まえたいのだ。
  その証拠に、スピード違反だって駐車違反だって公安は
チャラにしてくれる。捕まったときに・・切符を切られても、
この後に公安に電話をすると、「分かりました」といって
チャラにしてくれる。公安の意識のなかでは彼らこそが
国家なのだろう。
(p.34)


  (“民主主義”のはずの今日の日本で)たかが集会
(しかも警察の許可を得たもの)に出たくらいで公安に
一人一人顔写真を撮られるなどの思いをする。まるで
戦前のようだ。特高に狙われ、追われる共産党員のようだ。
公安は人間も金も余っていて、使い道がないから
こんなことをしているのだ。
 一方において凶悪犯罪は増える一方だという。
・・・昔はいかにも犯罪者らしい人が犯罪をした。
今は、普通の大学生、高校生が簡単に人を殺す。
(p.187)

公安の使命は「過激派を監視し、何かあったら
逮捕する(こと)」・・しかし、過激派が全滅して
しまったらみずからの存在理由も失うことになり、
元も子もない。・・・だから過激派に対しては
「生かさぬよう、殺さぬよう」に取り締まっている
のではないだろうか。
(p.150)
   公安がゴミ漁りしているという話は有名だ。
・・・(著者が)ゴミを出すと、ゴミ回収者が来る前にぼくの
ゴミだけ消えている。・・・共産党はそんなこと毎日やられている
・・・だったら、ゴミにだって細心の注意を払っているはずだ。
・・・(ある活動家逮捕の)きっかけはゴミだとしても、
公にできないやり方で(プライバシーが)分かったのでは
ないだろうか。
(p.127)


「公安こそが治安悪化の元凶」

  (浅間山荘の内ゲバのようにメンバー内に)疑惑の
種をまき、不信感を助長することこそが公安にしてみれば
成功なのだ。なぜなら疑惑はさらに疑惑を呼び、
疑心暗鬼になり、殺し合いを拡大させたからだ。
「(あいつは)公安(のスパイ)だからこそ我々の動きが
全てわかるのだ」「そういえば、A氏は逮捕されて
すぐに出獄した。スパイになったから釈放された
のではないか」という具合に・・・。
  公安がいるために日本の治安が守られている
のではない。逆に、公安が事件を起こし、治安を
撹乱させているのだ。・・・実際に党派間の争いを煽り、
内ゲバを引き起こすこともある。活動家をおだてて
事件を起こさせることもある。「公安は恐ろしい」
という幻影を与え、それに脅えて内ゲバをしたり、
暴走させることもある。それも公安の戦略なのだ。
(p.p.25-26)


(他著引用)「日常的にもガサ入れにつぐガサ入れを
受けるという生活だった。そうすると自分のなかにも
憎悪の感情が出てくる。・・・絶対勝ってやるんだ
という気持ちになって・・勝つための手段として、
だんだん目的と手段が転倒していき、本来とは
違うはずのあり方に自分がなってしまう」
     『テロと報復とコミュニズム』荒 岱

   1970年の「よど号」ハイジャックのときも、
実行犯の一人が「公安にあまりに弾圧されるので、
「一泡吹かせたい」と思い、それが大きな動機になった」
と言っていた。本末転倒だろうが、公安への<恨み>が
引き金となって起きた事件は多いのだ。
実はほとんど全部がそうかもしれない。
(P.168)

  ガサ入れの時・・・金属探知機をわざわざ持ってきて

(あるわけないと知っていて)「チャカ(拳銃)はないか」
「覚せい剤はないか」と大声で言い合っている。
隣近所に聞こえるように大声で言う。また、わざと
外に出て大声で警察官と話す。大家さんや近所の人は、
「どんな凶悪犯か」と思って見にくる。
  妻帯者はもっと大変だ。(関係ないとわかっていても)
奥さんの服や下着まで全部取り出して調べる。
    (P.178)

(裁判官は女には甘い判決になるというが)裁判官になる
ような人は子供のときから・・遊ぶ暇もなく勉強する
・・・だから女性に対してだけは性善説であり、年齢を
とってから不祥事(犯罪)を起こしたり、金や女の誘惑に
簡単に負けたりするのだろう。そして、警察の言い分を
真に受けて、ガサ入れ令状を乱発する・・・だから
・・裁判官には少し、「実習」をやらせたらいい。
弱い者、被害者の「痛み」を知ってもらうのだ。
・・実習としてガサを数回体験させる
・・・そうしたら、「こんなに大変なことか」と分かり、
令状を出すのも慎重になるだろう。
(p.180)

  公安のやり方は・・合法的に運動している人間を
徹底的に弾圧して、監視している。・・・一方、市民生活に
潜んでいる、過激な人間に対してどうかといえば、
何の手も打てない。無力だ。
(p.200)

「いくらなんでもスパイを使ったり、こんな汚い
やり方は嫌だ」と内心思っている公安はいるはずだ。
(しかし自省できたのは元公安の島袋修氏ひとりで
内部告発率はたった0.01%にすぎない。)
優秀な人材をいつまでも、ただの抑圧・弾圧・謀略
機関の一員として終わらせるのも惜しいと思う。
(p.201)

『拷問と医者』Thomas, "Journey into Madness"

 ゴードン・トーマス(著)・吉本 晋一郎 (訳)
Thomas, Gordon. Journey into Madness: Medical Torture and the Mind Controllers. London: Corgi, 1989. Print.

"What remains for me the most disturbing aspect of my investigation is that even as I write, and later when it is read, there are physicians who continue to participate in torture. Nothing I had researched before could have prepared me for the dark reality of doctors who set out to deliberately destroy minds and bodies they were trained to heal. The realization that physicians are part of a killing machine provokes a special horror."

  国際アムネスティやその他人権擁護団体によって規定され、一般に受け入れられている「拷問」についての定義に抵触する行為を行なう医師は、拷問の被害者の意思をくじくため、故意に苦痛を与えるといったように、破廉恥にもその技能を悪用している。
 1988年には、こうしたはなはだしい(医師が遵守すべき「ヒポクラテスの誓い」と呼ばれる倫理規約の宣誓を逸脱した違反行為が、世界九十カ国でなされ・・現在着実に増えている。
 特に、精神医学は、権力を維持し、そして国民の思想と行動を統制する国家によって、利用される可能性が極めて高い。・・・医師が「診断」を下すことによって、合法的であるかのように見せかけ、反体制者を拘束してしまう。
・・・政府の実施する施策に反対する者の信用を傷つけ、発言を封じ込めるために、医師が利用されることが多くなってきた。・・・「精神異常者」と決めつけてしまうには、医師による裏付けがないと信憑性がなくなってしまうからだ。
(p.12)

(キャメロン博士は)財団からの資金繰りがもはや

できなくなるとともに、アメリカの他の財団からの
(マインドコントロール)研究助成金もいっせいに
断たれてしまった・・・博士にとり、最も耐えがたいことは
・・諜報の世界とのかかわりも、これでついに終わった
(ため研究費が入ってこない)ということであった。
(p.384)


   1966年(サルを)知覚喪失状態におくため、
脳にレーダー波の衝撃が与えられた。剖検の結果、
脳組織が文字どおり「フライ」にされてしまっていることが
判明した。ホラー映画のシナリオまがいのことが、
情報収集や対敵監視活動と、どこでどう結びつくのかは、
永久に謎であろう。
(p.390)

   1972年ゴットリーブ博士はCIA長官に
「人間のあらゆる思想、情緒、知覚、そして欲望を、
脳の電気信号によって、実際に操作できる世界を
創り出すことができる」と(どもるのを抑えながら)報告
・・・「命令によって人を攻撃し、そして殺すように、
人間の脳をプログラムによってついに操作できるように
なった」という。
(p.423)

 CIAが以前に犯した不正行為の範囲が広い・・・あまりにも
卑劣なので、実行に移せないというものは、CIAには
それまでなにひとつなかったようだ。恐喝、性的いやがらせ、
それにしばしば殺害という結果に終わるあらゆるたぐいの
暴力行為は、CIAにとって日常茶飯事であった。
(p.430)


  「秘密作戦にセックスの罠を仕掛ける」ことの効用を評価
〔=評定〕するというまじめな調査として・・CIAはサン
フランシスコにアパートを借り・・売春宿に改造。
・・・CIA係官が寝室の壁ののぞき穴から、「仕事中の」女性を
「もっと精密に観察」するための望遠鏡(などにも資金をつぎ
込み)・・・係官は「この計画に関係しただれもが、税金で
十分に堪能させてもらう時間がもてた」と、あとになって
話している。客には性欲をそそり、臭いのする粉末が
こっそり与えられ、ベッドの下に置かれた「悪臭弾の放つ
いやな臭いに耐え」、強力な
排尿促進剤が混ざった飲料を飲まされたものであった。
(この実験の目的は悪臭が性行為に及ぼす影響を

評価〔=評定〕することであった)(p.p.372-373)


圧巻なのは、敬虔なキリスト教徒でありながら
聖書の戒律を無視し、しかも国際精神病学会会長の
重責にありながら、精神病患者を次から次に見境なしに
実験材料として、まるでモルモットのように手玉に取った
キャメロンの非人間的な悪行だ。・・・不思議なことは
その非人道的な行為に対して、監視する立場にあった
はずのカナダの厚生省を始めだれ一人として、
その生前に告発しなかったことだ。
(訳者あとがき P.535

Saturday, January 22, 2011

『早すぎる?おはなし』 内山治樹


<著者が垣間見たハイテク凶器犯罪の犯人像>

 (組織的ストーカー犯罪者たちに)長い間

付きまとわれていると、(彼らの異常な人間性について

著者が)感じるのは彼らは強力にマインドコントロール
されているということだ。 ・・・(犯罪者たちは)
「何かをすればこうなる」という決まりのようなものに
心を完全に拘束されていて・・・日常、明らかに不自然と
思われるような行動を強いてきたこともある。
(p.98)

 (著者が)少しでも、感動したり、心地よい思いをすると、
(遠隔から“感覚送信”によって体の)撫で回しを始めたり
・・・ぶち壊しにされたりする・・・根深いコンプレックスや
やっかみに苛まれている病んだ心の存在を感じる。
そういう妨害行為に対して怒りを覚えるよりも、
空しさや寂しさや哀れみすら覚えたほど。
(p.120)

  人間は各々が脳波を発している。その脳波をキャッチし、
電磁波に交換し、他者の脳と繋げてしまうということは、
まだ立証されていないが、本格的な実験は至る所で
行なわれているようである。
(p.135)

日常生活内で何かを目的に(著者が)少しでも
行動を起こせば・・・それに(対して犯罪者たちは)
愚痴を発したり次元の低い雑言を吐いたり、
まるでこのハイテク技術の監視システムを
使用できる以上、使用しなければならない
というケチ根性で使用しているようにも思える。
(p.162)

(著者が)一人でいるときに狙いをすまし、また一人で
いるときが最も攻撃しやすいせいもあってか
・・・(犯罪者たちは)やめればいいことを執拗に行なう。
(p.165)

大体の点で私たちの先輩の被害者の方々の前例に沿っていて、
こちらもその点で精神的余裕を持つことができ(た)
・・・(ある犯罪者が)「私たちはあの加害者とは違う!
絶対に違う!」と必死になって否定しているところが
どうやら図星のようだ。中身がまったく空洞なくせに
自尊心と自意識だけは2倍も3倍も強い。
(p.p.170-171)